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キャンプの恵み

Vol.105 キャンプのなかみ(3)「自然」

  • 2016年4月28日

Vol.104 キャンプのなかみ(3)「自然」 林の中を歩いていると、木漏れ日が一隅をキラキラと照らしていることがあり、心を奪われます。夜明けの空の色の変化や満天の星空は、心をとても穏やかにしてくれます。なんにもないように見える道ばたに小さな花が咲いているのを見ると、なんだかうれしくなります。

 キャンプにとって、自然もとても大切な要素です。

 といっても、「自然の大切さを知り、自然を大切にする心を育てましょう」などと言いたいわけではありません。

Vol.104 キャンプのなかみ(3)「自然」 そして、その自然は、圧倒されるような雄大な自然である必要もないのです。最初に書いたような、二度と繰り返されない小さな変化を見せてくれる程度の自然でいいのです。ランダムに風が吹いてくるのを感じる、突然の雨に慌てて屋根のある場所に逃げ込む。そうしたことが、いつもとは違う生活のリズムを与えてくれる。それだけで十分です。

 いろんな変化を全身で受けとめながら、私たちの頭は働きを活発にしていきます。

 突然の雨を科学の視点で「なぜだ?」と考える人もいるでしょう。小さな花を見て、詩が浮かんでくる人もいるかもしれません。風を身体で感じながら、普段の生活のことを思う人もいるだろうし、朝日の昇ってくるのを見ながら、祈りのような感情を持つ人もいるはずです。

 普段の生活の中でも、いつも何かを考えていますが、それは仕事だったり、学校の勉強だったり、必要に迫られている場合が多いものです。けれど、自然の中では、もっと自由にいろんなことを考えているものです。

 自然観は国や地域の文化によって大きく違いますが、日本人は生き物だけでなく、石ころや水など、すべてのものに魂が宿っているというアニミズムの感覚を持っているといわれます。だから余計に、自然の中の小さな変化に反応してしまうのかもしれません。

 自然の中で行われるキャンプは、自由に思いを巡らせ、新しいアイデアを思いつき、気分を少し軽くする役割を果たす場所になり得るのです。

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