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キャンプの恵み

Vol.100 NPOが活躍する社会

  • 2016年2月18日

 年に一度、アメリカキャンプ協会の大会に参加するのですが、その前に周辺のキャンプ場や青少年を支援する団体を巡るツアーが行われます。今年はアトランタでしたが、さまざまな障害のある子どもたちを受け入れているキャンプ場や、難民の子どもの生活・教育支援を行うNPOなどを訪ねました。
 個人的には、アメリカという国をあまり好きではありません。車中心の都市が多いということもあるのですが、どの街に行ってもうら寂しい感じがして、「住みたい」と思うことはまずないのです。しかし、それは表面的な判断に過ぎません。実際に出会う個々の人々は魅力的だし、キャンプをはじめとするNPOの活躍には舌を巻くばかりです。
 今回訪ねたNPOのひとつ、New American Pathwaysはアトランタにやってきた難民の基本的生活から子どもの教育まで、幅広く支援を行う団体です。キャンプの恵み Vol.100 NPOが活躍する社会
まずは、住むところや生活資材の準備、言語教育や職業訓練に仕事探し、学校と連携しての子どもの教育、交流のためのイベントまで、幅広い事業が行われています。この幅広さはNPOならでは。もし、行政がこれだけの仕事を行おうとすれば、いくつもの部署に業務が分かれて、ちぐはぐなことが起こってしまいそうです。
 NPOがこれだけの仕事ができるのは、社会の「役割分担」の考え方が日本と大きく違うからだと思います。アメリカ人は一般的に行政が充実した福祉を提供する「大きな政府」を望まないと言われます。そこで、NPOが活躍できるよう、寄付をしやすい税制ができ、ボランティアの文化が根付いているというわけです。「小さな政府」の弊害ももちろん壮大なのだけれど、多数のNPOが縦横無尽に活動することで、サービスが硬直化せず、多彩なニーズに柔軟に応えることができる。だから、キャンプも子どもたちの成長に欠かせない教育の場として、大活躍することができるのです。
 日本とアメリカ、一長一短だけれども、日本ではもう少しNPOが活躍しやすい風土が育つべきなのではないかと、おもうのでした。

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