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私が「50代こそ投資を始めなさい」と言う理由…すぐできる“保守的運用型”投資の始め方

  • 2019年1月30日
  • Business Journal

●投資は50代から始めても遅くない

 拙著『50代のいま、やっておくべきお金のこと 新版』(ダイヤモンド社)で、50代が老後に備えるためのテーマは7つある、とお話ししている。

(1)貯める……やみくもに貯めるのではなく、プランをつくって計画的に貯める
(2)働く……60歳、65歳以降もペースを落として、楽しく長く働く
(3)住宅ローン……65歳以前に払い終えるため、いろいろ工夫する
(4)生命保険……死亡保障は削り、医療保障は充実させる 
(5)子どものお金……子どもにお金をかけ過ぎないことがポイント
(6)投資……増やすためでなく、守るためにも投資は必須
(7)健康……長い人生を楽しみ、長く働くために、健康に投資する。

 前回は、「投資は不可欠」という話をした。お金を増やすためだけでなく、投資詐欺にあって騙し取られたり、間違った投資法で大損したりしないために、若いうちから投資をして損する経験も大切だ。50代でまだ投資デビューしていない人は、つみたてNISAでデビューしよう。

 繰り返すが、「損をするのが怖いから投資をしない」という態度は大間違いで、「損をして学ぶために」投資することが大切だ。

●50代から始めても遅くない、投資の割合を増やそう

 投資のテキストなどでは、「年齢が上がるにつれて、資産全体に占める投資の割合を減らしたほうがいい」と教えている。一理あるが、このセオリーは日本の50代には当てはまらない。人生100年とすると、貯めたお金を引き出して使い始めるのは70代以降にしたい。運用期間はまだまだ20〜50年ほどある。
 
 金融資産のうち10年以上運用できる部分の50%を投資しようと私は勧めているが、これはアメリカの分類では「最も保守的」なポートフォリオとされる。アメリカの中流層のように、もともと金融資産の70〜90%を投資していれば、退職が近づいたら投資を少しずつ減らして保守的にするのは意味がある。でも、投資は0〜20%くらいという日本の50代なら、逆に投資の割合をどんどん増やしていくべきだ。

 参考までに、一般的といわれるポートフォリオ(資産の割合)は以下の通り。債券は預金とほぼ同じ「安全な資産」で、それ以外が「リスクのある投資商品」だ。

(1)積極運用型(Aggressive portfolio) 投資90%

30%国内大型株 30%国内小型株 20%海外株 10%新興国株 10%債券

(2)中間運用型 (moderate portfolio)投資70%

25%国内大型株 25%国内小型株 15%海外株 5%新興国株 30%債券

(3)保守的運用型(conservative portfolio) 投資50%

25%国内大型株 20%国内小型株 5%海外株 40%中期債券 10%短期債券

●50代の投資デビューはつみたてNISAで

 さて、投資未経験や投資初心者の50代が目指すポートフォリオ、つまり金融資産の割合は上記「(3)保守的運用型」だ。50%を安全な資産、預金や国債に預け、残り50%を国内や海外の株式などに投資する。

 しかし、あなたの資産が今1000万円あったとしても、そのうちの500万円を一度に投資してはいけない。いちばん高い時に、これから値下がりするタイミングで買ってしまうリスクがあるから。目標は500万円でも、それを5〜10年かけて達成していく。つまり、積立てで投資をしていくのだ。

 積立てで投資といえば、「つみたてNISA」。私のところにファイナンシャルプラニング(FP)相談で「投資をはじめたい」と来られるお客さんにも、つみたてNISAをお勧めしている。実際に口座を開設し、積立ての手続きを完了するまでお手伝いして喜ばれている。

 ここで、つみたてNISAのポイントをおさらいしてみよう。

(1)銀行や証券会社などの金融機関で
(2)つみたてNISA専用の口座を開き
(3)自分で選んだ投資信託で
(4)毎月積立てていく。
(5)積立ての上限は年40万円まで。
(6)これで積立てた投資信託の値上がり益には、税金がかからない(普通は約20%かかる)。
(7)税金がかからないメリットは2038年まで最長20年間続く。

●投資未経験者は、口座を持っている銀行で始めよう

 初心者がまずつまづくのは、どこに、つみたてNISAの口座を開けばいいか、というところ。金融機関によって、買える投資信託の種類が違う。

 欲張れば、「商品の種類が多い証券会社で」となるが、そうすると「証券会社を選ぶ」ステップが必要になり、そのためには「どの証券会社が、どんな投資信託を扱っているか」を調べなくてはいけない。どんどんハードルが高くなっていやになる

 いちばん大切なのは、“始める”ことなので、欲張らず、いま自分が口座を持っている銀行で、つみたてNISAを始めよう。銀行のウェブサイトを見て、つみたてNISAの説明を読むのがいいが、できれば、時間をつくり窓口に出向いて、説明を聞いてみよう。平日なかなか銀行に行けないなら、昼休みに電話で問い合わせてもいい。とにかく、その銀行でつみたてNISAの口座をつくり、積立てる商品(投資信託)を選んで、今月からすぐに積立てを始めよう。金額は上限の3万3000円がおすすめだ。

●バランス型よりも、日本の株式と海外の株式を組み合わせる

 投資の基本は株式だ。それを買いやすく、売りやすく、小口にして、リスクを小さくしたのが投資信託だ。だから、つみたてNISAで選ぶときも、株式を選ぶのが基本。日本の株式と外国の株式がある。国内株式、海外株式と呼ぶこともある。

 ところが、銀行の投資信託のメニューをみると、「バランス型」と名前がつく投資信託が多い。

 バランス型というのは、たとえば、「日本の株式+海外の株式+日本の債券+海外の債券+日本のREIT(不動産)+海外のREIT」など、種類が違うものを数種類組み合わせている。種類が多い=リスクが小さい、ということで投資初心者は、「バランス型」を勧められることが多い。

 私は実は、バランス型は勧めていない。投資初心者は、投資信託の上がり下がりを見て経験して、なぜ上がったか、なぜ下がったかの理由を考えたほうがいいからだ。たとえば、こんな具合。

・円安になって、日本の経済が元気になったから、日本株式の投資信託が上がった。
・アメリカの景気がよくなって、世界的に株式が値上がりしたから、海外株式の投資信託が上がった。
・急に円高になったから、相対的に海外株式が下がった。
・自動車の関税が高くなってトヨタや日産の株価が下がったから、日本株式が下がった。

 自分のお金と世界の経済や政治とのつながりが見えてきて、つながりを実感することができる。移民問題も海外の選挙結果も、あなたのお金に関係してくる。

 ところが、日本も外国も、株式も債券もひとまとめにしたバランス型だと、値動きは緩やかになるけれど、なぜ上がったのか下がったのか、わかりにくい。投資しないよりはいいが、投資をしても世界を実感することはできない。

 そういうわけで、たとえば日本の株式と海外の株式を、好きな割合で組み合わせることをお勧めしている。それ以外に、海外の債券、日本のREIT、海外のREITなどがメニューにあれば、それも加えて、自分なりのポートフォリオをつくってみる。

 投資を始める。つみたてNISAを始めると、投資のことをいろいろ勉強することができる。お金は増えやすくなり、人生も広がる。お金が増えることは保証できないが、人生が広がることは保証できる。さあ、いつまでもぐずぐずしていないで、すぐに口座を開きましょう。
(文=中村芳子/アルファアンドアソシエイツ代表、ファイナンシャルプランナー)

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