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今すぐ火災保険の内容を確認しなさい!自然災害も破損も盗難も補償範囲になってますか?

  • 2018年10月29日
  • Business Journal

 今年は本当に自然災害に悩まされる年のようだ。

 6月のM6.1の大阪北部地震に7月の西日本豪雨、9月の台風21号とM6.7の北海道胆振東部地震。酷暑も相当なものがあった。今回は、そんな自然災害に備えるために知っておきたい火災保険に関する知識をまとめてみよう。

●火災保険は“万能保険”?

 さて、突然だが、損害保険に関する問題を一つ。

 以下の3つのケースのうち、「火災保険」で補償されるものはどれか?

(1)自宅の掃除中にうっかり液晶テレビを倒して壊してしまった。
(2)マンションのトイレの排水管が詰まって水浸しになった。
(3)自宅の軒下に置いていた自転車が盗難にあった。

 正解は「(1)〜(3)のすべてが補償される」だ。まず(1)については、故意に破損あるいは重大な過失がある場合を除き補償されるし、(2)については、水漏れに該当するので、マンションの階下の被害に対する損害賠償として保険金が出る(階下の住人は、自分が加入している火災保険に請求も可)。そして(3)については、保険会社によって、軒下やカーポートなど建物内に保管されているものに限る等の条件が付加されている場合もあるが、基本的に補償の対象だ。

 ちなみに、自転車を補償するといえば「自転車保険では?」と思うだろうが、一般的な自転車保険は、事故を起こした場合の被害者への損害賠償や、自分自身のケガ、自転車自体の破損等といったものを補償する。盗難は対象外となる点は注意しておこう。

 実は、火災保険は火災に備えるだけでなく、さまざまな特約が用意されていて、工夫次第では日常的なリスクに備える“万能保険”にもなるのだ。

●基本的に保険は3つの分野に分類できる

 まず、FPテキスト的に言うと、保険は3つに分類できる。

 ヒトに関するリスクに備える「生命保険」、続いて、ヒトもしくはモノのリスクに備える「損害保険」、そして、生命保険を第一分野、損害保険を第二分野とも呼ぶことから、医療・介護など生保・損保いずれにも該当しないリスクに備えるのが「第三分野」の保険だ。第三分野は生保・損保会社のいずれも取り扱いが可能となっている。

 お客さまから保険の加入や見直しなどのご相談を受けると、この3つを混同している方が非常に多いことに驚かされる。もともと「保険は難しいもの」と苦手意識を持つ方が少なくないのだが、終身保険や定期保険といった生命保険や、マイカー所有者なら自動車保険などについては、身近に感じられるのか、ある程度の知識があっても、それ以外の損害保険となると、まったくお手上げ状態らしい。火災保険は、そんな損害保険の代表的商品の一つだ。

●火災保険で補償できる範囲は火災だけじゃない!

 火災保険といえば「火事になったときに保険金が出るもの」と思っている方が多いだろう。しかし、火災はもちろん、水災、落雷、破裂、爆発、風災・雹災・雪災、水漏れ、汚損・破損、盗難など、火災保険の補償範囲は実に幅広い。最近では、個々のニーズに合わせてカスタマイズしやすい商品も多く、冒頭でもご紹介したように、「え? これも火災保険でカバーできるの?」といった意外なリスクがカバーできる。とくに、マイカーを持たず自動車保険に加入していない方は、自動車保険に付加するような補償を火災保険が一手に担うことも可能なのだ。

 台風や大雨、地震など、日本は大きな災害に見舞われることが多い。最大の財産ともいえるマイホームを守る火災保険について、どのようなリスクがカバーできるか、できないかを、ぜひとも知っておきたい。

●自分が加入している火災保険の補償範囲を知らない人が6割以上!

 このように、日常でありがちなアクシデントにも対応できるのが火災保険なのだが、実際、火災保険に加入している人ですら、自分の火災保険の保険会社名すら知らない人が4割以上いるという。セコム損害保険が実施した「火災保険に関する意識調査」(2015年)によると、自分が加入している火災保険の保険会社名を「知っている」と回答した人は、30〜40代で58%にとどまっている。

 また、加入している火災保険の補償範囲について「知っている」と回答した人は30〜40代で37%と、6割以上が「知らない」。さらに顕著なのが、10〜20代で、「知っている」と回答した人はわずか13%だ。

「火災保険の内容を理解して加入している?」

●重過失がなければ損害賠償責任を負わなくてもよい「失火法」とは?

 10〜20代といえば、住まいは賃貸物件という人が多いかもしれない。しかし、火災保険は賃貸でもほとんどの場合、加入を求められる。とりわけ知っておきたいのが、自分が火元あるいは隣室等が火元になった場合の損害賠償についてだ。

 民法の「失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)」では、失火者に「重大な過失」(台所のガスコンロに天ぷら油の入った鍋をかけて加熱中、その場を離れて出火させた等)がなければ、損害賠償責任を問わないことになっている。要するに、自分が賃借人で、火災の火元だったとしても、重大な過失がなければ、大家さんへの建物の建て替え費用あるいは隣家などへ類焼させた際の損害費用を負担する必要はない。

 ここで安心してはいけない。逆にいえば、隣室から出た火災で、自分の部屋が被害にあっても、その失火者に家財一式を弁償させることはできないのだ。

 そして、賃借人には、退去時に原状回復義務があることも忘れてはならない。もし火災などで自分の部屋になんらかの損害が生じた場合、そこを出るときには現状を回復する義務が生じるのだ。

 もちろん、大家さんは自分の所有物である賃貸物件には火災保険をかけているが、個別の部屋の家財については無関係。だから、賃借人は、家財などに火災保険をかけるなどして、自分の財産は自分で守らなければならないということなのだ。

 前掲の意識調査でも、失火法を知らないと回答した人は8割以上。知らなかったではすまされない事態に陥らないよう、法律の内容までしっかりと理解して備えておきたい。
(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)

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