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子育て世帯は利用しないと損する助成金リスト…塾や習い事、家賃補助、引っ越し代も

  • 2018年5月8日
  • Business Journal

「働き方改革」の名目で時間の余裕ができても、「懐の余裕は減った」という人もいるのではないだろうか。「労働時間を減らしましょう、そして給料は上げましょう」なんて太っ腹な会社ばかりではない。会社が言う「副業OK」とは、つまり「本業では、これ以上給料は出せません」という宣言のようなものだ。

 収入が増えないとなると、負担するお金のほうを減らすしかない。新年度がスタートして、約1カ月。自治体の補助金や助成金の申し込みには、まだ間に合いそうだ。我が家で使えるお金がないか、チェックしてみよう。

●子どもの習い事、平均費用は年15万円以上

 まず、子育て世帯を対象にしたものから。節約しにくいのが教育費だが、大阪府大阪市では、市内在住の中学生向けに学習塾などにかかる費用について、月額1万円を上限に助成する「大阪市塾代助成事業」を実施中だ(※対象となる家庭には所得制限あり)。

「子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、子どもたちの学力や学習意欲、個性や才能を伸ばす機会を提供するため」という目的で導入されている同制度。事前に登録されている学習塾など(参画事業者)が対象だが、その範囲は学習塾以外の文化活動(音楽、美術、手芸、そろばん、パソコンなど)やスポーツ活動(サッカー、野球、バレーボール、テニスなどの球技、陸上、水泳、武道、ダンスなど)までと幅広い。

 アクサダイレクト生命保険が行った「子ども(0〜9歳)のおけいこ事に関する調査」(2018年)によると、習い事の平均費用は年間約15万5000円だという。月額に直すと約1万3000円になるので、月1万円の補助があればかなり助かるといえるだろう。

 東京都にあるのは「受験生チャレンジ支援貸付事業」。中学3年生と高校3年生を持つ家庭を対象に、学習塾、各種受験対策講座、通信講座、補習教室の受講料、高校や大学などの受験料に対し、費用の捻出が困難な一定所得以下の世帯に貸付を行うものだ。

 貸付といっても、高校や大学などに入学した場合は返済が免除になるので、親は一生懸命子どもをバックアップしよう。学習塾などの受講料は20万円まで、受験料は1回2万3000円まで(中学3年生またはこれに準じる子)、8万円まで(高校3年生またはこれに準じる子)が、それぞれ上限だ。申し込みは各市町村窓口になる。

●家賃補助や引っ越し代負担を実施する自治体も

「子どもを持つ世帯に多く住んでもらいたい」との思惑で、家賃補助や引っ越し費用を負担してくれる自治体もある。東京では豊島区、板橋区、新宿区などが実施している。

 豊島区の「子育てファミリー世帯への家賃助成制度」は、申請時点で15歳以下の児童1名以上とその児童を扶養する者が同居している世帯を対象に、民間賃貸住宅へ転居(転入)した場合に、転入後の家賃と基準家賃との差額の一部を助成してくれる。上限は月1万5000円(4年目からは2分の1)で、月額家賃が15万円(共益費を除く)以下の場合だ。

 新宿区は、これまで義務教育修了前の子どもを扶養する世帯が転入する場合に、契約時の一時金を最大36万円、引っ越しの実費を最大20万円助成してくれていたが、従来の制度は2018年5月末で終了。それ以降は、新しく「次世代育成転居助成」「多世代近居同居助成」が始まる。前者は、すでに区内に1年以上住んでいる子育てファミリーが民間賃貸住宅への住み替えをする際に、上がった家賃との差額(上限3万5000円)を補助および引っ越し費用(上限10万円)の助成をしてくれる。「子どもが成長して手狭になったから」と家賃が安い別の自治体に移られないように、という措置だろう。

 また、後者の「多世代近居同居助成」は、子世帯とその親世帯が区内で新たに近居または同居を開始する際の初期費用(引っ越し代、不動産登記費用、礼金、権利金、仲介手数料)の一部を助成するというもの。こちらは、「子育てや介護の負担を近居によって軽減してほしい」という自治体の思惑を感じる。公的な助成制度も、世相を反映しているわけだ。

 なお、これらの制度には所得制限など一定の条件があるとともに、引っ越し前の事前申し込みが必要だ。なお、募集数にも限りがあるので、要項をよく確認し、早めの準備をしたいところだ。

 こうした補助金は、地方への移住でも利用できる。家賃補助は、移住者を募る多くの自治体で行われている。島根県雲南市では、夫婦ともまたはいずれかの年齢が40歳未満の世帯、または16歳未満の子どもがいる世帯を対象に、市有宅地を25年間有償で貸付し、貸付期間が満了した後は無償で譲渡する制度などもある。

 こうした情報は移住支援サイト「ニッポン移住・交流ナビ JOIN」などでも掲載されているので、関心がある人は覗いてみるといいだろう。

●住環境の整備にも使える助成金

 多くの自治体で行われているのは、省エネ設備の導入や耐震診断およびリフォームへの助成などだ。省エネ改修の場合は、LED照明への交換や日射フィルムの設置をはじめ、防犯ガラスや家具転倒防止器具の設置なども対象になり、20万円を上限に工事費用全体(消費税抜き)の10%を助成してくれる(品川区の例)。

 また、埼玉県の「多子世帯向け中古住宅取得・リフォーム支援事業」は18歳未満の子が3人以上の世帯、または18歳未満の子が2人で3人目を希望する夫婦(ともに40歳未満)世帯が中古住宅を取得してリフォームする場合に、最大60万円の補助金が出る。

 住環境を整えるための生垣の設置や屋上緑化への助成をはじめ、もっと簡単な例では、自治体が時期に応じて花やゴーヤの苗などを配ってくれるケースもある。家まわりにそれなりのお金を使う際は、工事を発注する前に自治体のホームページなどを確認したほうがいい。

 自分が住む自治体で利用できる補助金や助成を知るためのツールも増えてきた。家計簿アプリ「Zaim」は、ユーザーが登録している住まいの地域や家族構成、家計簿の内容から、もらえる可能性がある給付金を提示してくれる。また、東京23区に限るが、行政サービスの情報が調べられるサイト「ほじょナビ」も便利だ。

 住民である以上、我々はその自治体に納税している。自治体側も、住みやすい環境を整えることで多くの納税者に住んでもらうことがメリットにつながるので、ウィンウィンの関係として、利用できる補助や助成金は遠慮せずに申し込もう。また、募集数や予算の枠があるものについては早めの申請が望ましいことを、くれぐれもお忘れなく。
(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)

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