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回転寿司からサーモンが消える?カニ・イクラもピンチ、ウクライナ侵攻の影響大きく

  • 2022年4月15日
  • Business Journal

 ロシアによるウクライナへの侵攻は、日本の食卓や企業活動に悪影響を及ぼしている。ロシアへの経済制裁を科す欧州を牽制するため、ロシアが一部の国に領空の飛行を禁じたことを受け、大手回転寿司チェーンがノルウェー産サーモンの提供中止を余儀なくされた。ロシアやウクライナが一大産地の小麦は、供給不安から国際相場の高騰が続く。

 一方、ウクライナに無差別の攻撃を仕掛けるロシアへ抗議の意を示すため、大企業が同国から撤退を表明する動きが顕在化するなか、ビジネスを継続する考えを明らかにしていたユニクロも一転して休業に追い込まれた。

カニ、イクラもピンチ

 首都圏に店舗を展開する回転寿司チェーン「すし銚子丸」は先月8日、ノルウェー産の「オーロラサーモン」を使ったメニューの提供を在庫がなくなり次第止めると発表した。同社はリリースで、「産地付近の海水温低下による成長不足に加えて、世界情勢の混乱が物流にも波及し、当面の間入荷の予定がありません」と説明している。

 入荷できない状態が続いていたが、銚子丸は19日から販売を再開することを明らかにした。生産者や貿易会社などが連携し、ロシアを迂回する飛行ルートでの輸送が可能となったことが理由だ。ただ、飛行距離と時間が大幅に増えるため、オーロラサーモンを従来の価格から大幅に値上げした。

 ロシア産のカニやイクラ、ツブ貝などの供給にも影響を与えそうだ。日本は欧米と連携し、国際決済網「国際銀行間金融通信協会(SWIFT)」からロシアの一部銀行を排除することを決めた。決済が困難となり、輸入が滞る恐れがある。その場合、国産への切り替えなど調達先の変更が必要となる上、仕入れ価格の上昇も予想されることから、外食産業や加工業者の負担が増える。

 パンやうどんなど小麦製品の値段も上がり、原油高などですでに苦しんでいる家計は財布のひもが固くなりそうだ。政府は4月から輸入した小麦を製粉会社に売り渡す価格を17%引き上げることを決めている。主産地の北米の不作による国際相場の高騰が主な要因で、足元のウクライナ情勢の影響は一部しか反映されていない。日本はウクライナやロシアから食用小麦を輸入していないが、紛争が長期化すれば、国際相場の上昇基調が続き、次回の改定時期である10月も売り渡し価格がさらに引き上げられる可能性が高い。

ウイグル問題の教訓はどこに

 企業によるロシア離れも世界的に広がっている。米マクドナルドやコカ・コーラなどがすでに事業の一時停止を表明。石油メジャーのエクソンモービルもロシア極東の資源開発事業「サハリン1」から撤退する方針を打ち出した。

 欧米企業と同様、日本企業も対応に追われている。ユニクロを展開するファーストリテイリングは衣料品は生活必需品だとして、ロシアでのビジネスを継続する意向を示していた。ただ、インターネット上で同社の対応に批判が噴出したことを受け、一転して休業を余儀なくされた。

 同社は、中国・新疆ウイグル自治区で疑われる強制労働問題への対応をめぐっても、認識の甘さから激しい非難を浴びた。ウクライナへの侵攻でロシアを糾弾する国際世論が高まるなか、「ウイグル問題の教訓が生きていない」(関係者)との指摘もある。

 日本企業は人口減少などにより縮小する国内市場を補うため、今後ますます海外に活路を見いださざるを得ない。にもかかわらず、短期的な利益ばかり追求し、強制労働や紛争といった人権問題への向き合い方を間違うとどうなるか。その企業は世界各地で不買運動などに見舞われ、グローバル社会での生き残りに暗雲が垂れ込めることになる。

(文=Business Journal編集部)

 

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