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楽天ポイント、“浸かる”ほどオトクで最強?偏り過ぎの“落とし穴”に要注意

  • 2020年11月17日
  • Business Journal

 幅広く展開されている楽天グループのサービス。オンラインショッピング大手の楽天市場を筆頭に、楽天トラベル、楽天モバイル、楽天銀行、楽天ブックス、ラクマなどさまざまな分野にサービスを拡大しており、60種以上もある。そして、それらが共通して1ポイント1円換算で使える楽天ポイントを発行していることから、併用するとお得度が増していくのである。そのため、あらゆるサービス利用を楽天に絞っているユーザーも増えている。“楽天経済圏”なる言葉が生まれるほどに。

 では、楽天経済圏にどっぷり浸かることで、どういったメリットとデメリットがあるのだろうか。また、たとえば楽天以外にも国内通信キャリア大手3社であるNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクが楽天に続いて“経済圏”を形成しつつあるが、これらの3社が展開している経済圏のほうが楽天経済圏を上回っている可能性はないのだろうか。

 そこで今回は、ロングセラーとなっている『節約家計ノート』シリーズ(東京新聞)を監修している消費生活アドバイザー・丸山晴美氏に、楽天経済圏のメリットとデメリット、そして賢い活用方法について話を聞いた。

楽天経済圏の仕組みとメリット・デメリット

 まず前提として、楽天経済圏とはいったいどのような構成で成り立っているのか。

「クレジットカード、トラベル、通信、保険、銀行、証券、電子マネー、書籍など生活に関わるものをすべて楽天ブランド化し、共通の楽天IDを使用してもらい、どのサービスでも使える楽天ポイントを発行しています。生活に根差したさまざまなサービスを楽天が提供しているので、日々利用するサービスを楽天ブランドに絞れば絞るほど、つまり楽天経済圏にどっぷり浸かれば浸かるほど、楽天ポイントが貯まり、お得度を感じやすくなる仕組みというわけです」(丸山氏)

 他社でもポイント制度は導入しているが、そのなかで楽天が多くの人に選ばれる理由とは何か。

「楽天がここまで人気なのはやはり“手軽さ”“簡単さ”ですね。そして、楽天カードの存在も大きいです。クレジットカードである楽天カードは、ノーマルタイプだと年会費無料で審査もそれほど厳しくないため、つくりやすいのですが、サービスの支払いを楽天カード支払いにすることで、楽天ポイントがつきやすくなっています。たとえば楽天市場での支払いを楽天カードにするだけでポイント2倍、特定の日にはポイント5倍といった仕組みがあるため、楽天経済圏は楽天カードが核になっているといっても過言ではありません。楽天経済圏でお得になるには楽天カードありきということですね。

 ちなみに、楽天カードの競合となるクレジットカードのポイント制度は、ポイントが貯まりにくかったり、貯まったポイントがどこで使えるかわかりにくかったり、使えるサービスが限定されていたりと、仕組みが複雑なことも多いんです。それに比べて楽天カードはポイントを貯めやすく、使える場も多く、シンプルで明解なんですよね。それが“手軽さ”“簡単さ”につながっているんです」(丸山氏)

 しかし、最近ではスマートフォンで会計ができるQRコード決済の普及が進み、楽天も「楽天ペイ」というサービスを開始している。店頭で使う場合には楽天カードと楽天ペイ、どちらを使用するべきだろうか。

「ここが楽天経済圏のちょっとした落とし穴というか注意点なんですが、現時点では新しく始まった楽天ペイで支払うよりも、実は楽天カードで支払ったほうがお得になることが多いと思います。楽天ペイで払うよりも楽天カードのほうがポイントは貯まりやすいですし、今はまだ楽天カードを使えるお店のほうが多いはず。ですから少し面倒ですが、キャンペーン情報などをチェックして、有利になる方法で支払うとよいでしょう」(丸山氏)

 なるほど。「楽天ペイ」はSuicaとの連携がスタートしてお得になりそうだが、必ずしもそうではないということか。ここで楽天経済圏に浸かることでのデメリットも聞いておこう。

「たとえば、楽天市場よりもAmazonのような他社のサービスのほうが安く商品が売られているのに、選択肢が楽天に偏ってしまっていて、結果的に損な買い物をしてしまっているということはあるでしょう。楽天は消費者の購買意欲を刺激するのが非常にうまいので、タイムセールを追いすぎて不必要な物を買いすぎるといった可能性もあると思います。楽天経済圏にいる人はポイントに執着する傾向があるため、本当に必要な物かを常に冷静に判断しながら購入するなど、気を付ける必要はあるかもしれませんね。

 また、楽天会員のユーザーは楽天のサービスを利用するうえで共通IDを使っているため、万が一、個人情報が漏洩した場合の怖さもあるでしょう。過去においてそういった事例もありましたからね。もし情報が漏洩して、不正利用されたとしても保険や補償が適応されますが、楽天に限らずいつサイバーテロが起こるかはわからないため、共通IDの危険性は認知しておいたほうがいいと思います」(丸山氏)

ドコモ、au、ソフトバンクの経済圏より強い理由

 日本で“経済圏”という概念をつくりあげる先駆けとなった楽天だが、創業からまだ四半世紀も経っていない楽天が、ここまで強い経済圏を築き上げた成功要因はどこにあるのだろうか。

「実は楽天のサービスの多くは、楽天が一から立ち上げたものではなく、他ブランドを買収して、楽天のサービスに変えているというケースが多いんです。もともと楽天では『ラクマ』というフリマアプリがありましたが、Fablicが運営していた『フリル』というフリマアプリを買収し、もともとあった『ラクマ』はサービスを終了させて『ラクマ(旧フリル)』にしています。また、もともとヤフー系列だった『イーバンク銀行』を買収して『楽天銀行』にしたというケースもあります。

 自社で新しいサービスを立ち上げるよりも、ある程度の実績を持ったブランドを買い取って楽天の看板に挿げ替えたほうが、効率的という判断なんでしょう。実際、一からサービスをつくるとなると、立ち上げや成長させていくまでに時間がかかってしまいますが、買収していけば時間をかけずに、スピーディーに楽天経済圏の中に組み込むことができますからね」(丸山氏)

 一方、ドコモ、au、ソフトバンクの大手国内通信キャリアも“経済圏”を形成しつつある。だが、それでもまだ楽天に先行者利益があるようだ。

「楽天は、ポイントをお得に貯めるには、“さまざまなサービスを楽天で使わないともったいない”とユーザーに思わせるのが本当にうまいんです。実際、どの経済圏に入るのが良いかと考えたとき、現時点でドコモ、au、ソフトバンクと比較しても、楽天が一番わかりやすく、貯めやすいはず。どこの経済圏もそれぞれ特徴はあるとは思いますが、まだまだ楽天経済圏には到底及びません。

 たとえば楽天以外はポイントを統一できていない部分もあり、ソフトバンクは特にポイントが散らばってしまっています。ソフトバンクでの利用ではTポイントが貯まりますが、系列のQRコード決済のPayPayではPayPayボーナスなど別途で独自のポイント制度もつくったことで、わかりにくさが出てしまいました。ユーザー視点で考えれば、当然、ポイントが散らばっているのは好ましくなく、わかりやすく一本化されているほうがいいですよね。

 その点、楽天は楽天ポイントに統一・集約されており、そのポイントも各種支払いに利用しやすいなどシンプルかつ明快です。楽天は楽天市場で頭角を現し、楽天カードで経済圏を広めていったわけですが、楽天カードがなければ、楽天もここまでの経済圏はつくれなかったかもしれません。

 とはいえ、楽天が通信会社として第4のキャリアとなったことで、ドコモはdポイント、auはPonta、ソフトバンクはTポイント、楽天は楽天ポイントという、通信キャリア4社が4大ポイントを展開していると考えることもできます。そうなるとポイントと通信キャリアの経済圏は、密接な関係であると考えることもできるわけです。ですから自身がどのキャリアのスマホを使っているかなどを踏まえて、これらのなかでどのポイントが貯めやすいか、使いやすいか、どの特典が自分にとって魅力的かなど、トータルでお得になるポイントを自分なりに選択する必要も出てくるでしょう」(丸山氏)

 では最後に、楽天経済圏の今後を予測してもらおう。

「楽天モバイルがどれだけユーザーに認知されて、支持されていくのかが今後の楽天の大きなポイントになってくるでしょう。これまでのように生活に密着するサービスを次々組み込んでいけば、楽天経済圏にさらなるユーザーを取り込んでいけると思いますので、日本におけるポイントの“経済圏”をほぼ独占していける可能性は充分あると思います」(丸山氏)

 鳴り物入りで第4のキャリアとして参入を果たした楽天モバイルは、巨額投資をしているにもかかわらず今はまだ契約件数が伸び悩み、サービス自体に不評の声も多いため、楽天グループの今後を不安視する声もあるだろう。しかし、ほかの大手キャリア3社に先んじて築き上げた盤石な“経済圏”がある限り、楽天は揺るがなさそうだ。節約志向、お得志向が強いユーザーを取り込み、楽天経済圏は今後もさらに成長していくのかもしれない。

(文=海老エリカ/A4studio)

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