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東京五輪「延期」前提で、すでにテレビ各局が始動…パンデミックで延期不可避の情勢

  • 2020年3月14日
  • Business Journal

 東京五輪開催の雲行きが怪しくなりつつあるようだ――。

 安倍晋三首相は14日午後6時から記者会見を行い、13日に可決した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく今後の政府の対応などについて説明するとみられている。この会見で注目されているのが、東京五輪の開催について、なんらかの発表があるのかという点だ。

 米国のトランプ大統領は12日、東京五輪について「1年間延期したほうがよいかもしれない」と発言していたが、安倍首相は翌13日にそのトランプ氏と電話会談を行い、「五輪の開催に向けて日本として全力でがんばっている」と伝えたものの、延期については触れられなかったと報じられている。

「マラソンの競技会場を札幌に変更した際の騒動をみてもわかるとおり、東京五輪の開催にかかわる重要事案の一切の決定権はIOC(国際オリンピック委員会)が握っており、基本的には日本政府や大会組織委員会に決定権はありません。もし延期や中止となればIOCが発表するはずで、少なくても14日の会見で安倍首相の口から発表されることはないでしょう」(全国紙記者)

 では、もし中止や延期となれば、いつ頃に決まるのだろうか。

「11日、ついにWHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス感染症についてパンデミック(世界的大流行)を宣言しましたが、すでに世界の感染者は2002〜03年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)を超えています。そのSARSは最初の症例報告からWHOによる終息宣言まで約1年9カ月を要しており、新型コロナはまだ昨年12月に発生したばかり。WHOがパンデミックを宣言した以上、その終息が発表されるまで五輪開催は現実的に困難です。SARSの例を考えれば、すでに年内開催の可能性は消えたというのが、霞ヶ関での大方の見方です。

 もし延期になるのであれば、ボランティアをはじめとする膨大な数のスタッフの手配をはじめとする準備や、各国での代表選手の選考、メディア関連の調整などを考えれば、3月中か遅くても4月までには決定されるとみられています」(霞ヶ関の官僚)

 また、別の官僚も語る。

「今週、IOC会長が海外メディアの取材に対し、開催中止・延期について『WHOの勧告に従う』と語り、すでにWHOと定期的に協議していることを明かしましたが、これは延期不可避との判断に傾いたIOCが、延期決定によって自らが世界中から批判を受けるリスクを回避するために、WHOに責任を押し付けた格好といえるでしょう。一方のWHOは、新型コロナへの甘い対応ですでに批判を浴びているだけに、パンデミックの宣言をしている以上は五輪開催にGOを出せない。もう延期は既定路線だという空気です」

テレビ業界、五輪延期を織り込み済み

 こうした情勢を、国内のテレビ業界はすでに織り込み済みだと、局関係者は打ち明ける。

「すでにNHKと民放キー局の間では、全競技の放送スケジュールの割り振りが決まっています。もし五輪がなくなれば、競技の中継のみならず、五輪ネタをメインに据えようとしていた通常番組や特番含めて、約2カ月分の予定が“すべて吹っ飛ぶ”ことになる。7〜8月分の番組を新たに仕込むとなれば、企画の詰めやキャスティング、スポンサーの確保など、今から手を付けないと全然間に合いません。

 なので、今月に入ったくらいから各局は“五輪なし”の前提で動き始めていますよ。それを裏付けるように、特に今週に入ってから情報番組やニュース番組でも一斉に“五輪延期”のテーマを扱い始めていますよね」

 そして五輪の延期はあっても、中止はないと広告業界関係者は語る。

「IOCとしても、もし中止になれば、あてにしていた巨額の放映権料という収入を得られなくなり、組織が立ち行かなくなるばかりか、存在意義そのものが問われることになります。さらに世界中の五輪スポンサー企業としても、これまでかかったコストが無駄になってしまう。そのため中止という選択肢はありません。もっとも、もし来年に延期されれば、国内で東京五輪を事実上取り仕切っている電通は、クライアント企業からのカネの支払い時期が延び、多額の売掛金を抱え込む懸念はあるかもしれません」

 東京五輪の動向に注目される。

(文=編集部)

 

 

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