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セブン初上陸で“沖縄コンビニ戦争”勃発…苦戦したローソン、好調なファミマの違い

  • 2019年7月24日
  • Business Journal

 セブン-イレブンは7月11日の「セブンイレブンの日」に沖縄県に新店舗をオープンした。国内唯一の空白地帯に初上陸したことで、セブンは全都道府県での出店を果たしたことになる。沖縄での出店は那覇市内を中心に14店舗で、県内の有力企業、金秀本社や沖縄ツーリストなどにも協力を仰ぎ、5年間で250店舗を出店する予定だという。

 沖縄は県内の2大流通グループ、リウボウ、サンエーと提携しているファミリーマートとローソンの2社がコンビニエンスストア市場を二分してきた。果たして、日本最大のコンビニであるセブンは、この2強に割って入り、市場拡大を進めていくことができるのか。

 新店舗がオープンする前日の10日、セブンの古屋一樹会長とセブン-イレブン・沖縄の久鍋研二社長が玉城デニー沖縄県知事を表敬訪問した。古屋会長は「1日でも早く沖縄に出店したかった」と胸の内を語った。

 その後、久鍋社長は那覇市内のホテルで記者会見を行い、新店舗設立の経緯や思いについて語った。

「沖縄は経済成長が続いており、中食市場、外食市場も大きく伸びている。競争相手は他社ではなく、沖縄の客だと思っている。ファンをどれだけ多くつくるかで、250店は出店できると考えている」(久鍋社長)

 セブンが沖縄での事業展開を考えたのは5年ほど前。2014年からマーケット調査を行い、17年6月9日に出店を表明、同年10月25日にセブンーイレブン・ジャパンの100%出資子会社であるセブン-イレブン・沖縄を設立した。

「沖縄はコンビニエンスストアに馴染みがあり利用者が多い上に、インバウンド需要も増えている。大きな可能性のある地域だと判断したからだ」(セブン関係者)という。

 セブンは1974年に東京・豊洲に1号店を出店して以来、ドミナント戦略を展開し、全国での出店を進めてきた。ドミナント戦略とは、一定地域で集中出店し、商圏を隣接地域に広げていく戦略だ。東京を皮切りに隣県から隣県へと関東一円にドミナントを広げ、74年には福島県、78年には一気に北海道の札幌に進出。ここから、北海道一円へと拡大していく。

 その後も、79年に中部の足掛かりとなる静岡県、82年には東北の宮城県、同じく82年に山陽の広島県、86年には新潟県、91年に滋賀県、京都府、大阪府に同時出店、2009年には山陰の島根県、13年には四国の香川県、徳島県に同時出店。15年の鳥取県への出店で46都道府県での出店を実現し、最後に残ったのが沖縄だったというわけだ。

「沖縄は離島で、これまでのようなドミナント戦略ができない。しかも、地元企業が圧倒的に強く、県外からの進出が難しいです」(沖縄の事情に詳しいコンビニ関係者)

苦戦したローソン、順調なファミマ

 事実、ローソンは1997年に単独で進出したが、苦戦を強いられた。そして、進出から12年後の2009年に沖縄の大手スーパーチェーン、サンエーと提携、ローソン沖縄(サンエー51%、ローソン49%)として急成長、現在の店舗数は232となっている。

「サンエーは自分たちのスーパーなどでローソンの商品を販売し、地元でもローソンの知名度が急速に高まった。商品の調達、地元ならではの商品開発、物流なども地元企業と組まなければなかなかうまくいかない」(ローソン関係者)

 一方で、沖縄の雄といえばファミマだ。沖縄ファミリーマートは1987年、沖縄最大の百貨店、リウボウと提携して設立された。出資比率はリウボウ51%、ファミマ49%。最初からリウボウの子会社として地元に根付いていったといっていいだろう。

 92年には県内売上高100位にランキングされ、93年には50店舗を達成、設立10周年の97年には100店舗、2007年には200店舗を達成。このほか、出店が難しいといわれていた石垣島、宮古島などの離島にも出店している。

「石垣島と宮古島には工場もある」(ファミマ関係者)

 商品開発の面では、沖縄に馴染みのある料理だけでなく、店内調理を活用した焼きたてパンや焼きたてピザ、衣が厚いフリッターのような「上間てんぷら」などの大ヒット商品を次々に開発してきた。地元の流通業界の力もあり、ファミマは沖縄で325店舗を構えている。

地方密着型の商品開発に自信を持つセブン

 こうしたなかで、セブンは18年7月に浦添市に弁当や総菜の工場、11月にうるま市にスイーツの工場の建設に着手した。弁当・総菜工場の運営はこれまでセブンの総菜をつくってきた埼玉県に本社を置く武蔵野グループが担い、スイーツ工場は東京・千代田区に本社のあるフリジポートが運営する。さらに、西原町のパンメーカー、メルヘンにパンの製造を委託しているという。

「1万人のお客様にセブンに求める味をアンケート調査すると、本土にあるセブン-イレブンの味を求める消費者が65%もいたのです。どんな商品を食べたいかを聞いてみたところ、おにぎり、スイーツ、パン、弁当が上位に挙がっている。そんなお客様の声を踏まえ、出店の際の品ぞろえを進めてきました」(久鍋社長)

 さらに、セブンはこれまで地方のエリアごとに地域に密着した商品を開発し、急成長を遂げてきた歴史がある。そのため、地方密着商品の開発には大きな自信をのぞかせる。

 今回も7月11日のオープンに合わせて全国で「沖縄フェア」を開催し、沖縄に馴染みのある38品目の商品を販売。それに加え、沖縄では限定商品15品目(計53品目)の販売を開始した。

 果たして、最後のピースを埋めたセブンは名実ともに日本全土にまたがるコンビニとなることができるのか。熱い戦いが始まる。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

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