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子どもの感染が急増、一方で…新型コロナだけではない流行中の感染症・注意すべき症状【小児科医が解説】

  • 2022年8月6日
  • All About

■子どもの感染症が急増……今、流行している感染症は?
新型コロナウイルス感染症対策として手洗いやマスク着用が徹底され、子どもの感染症も非常に少ない状況が続いていました。しかしここに至って、様々な感染症が急増しています。

子どもの場合はもともと病原体に対する免疫がついていません。そのため集団生活においてひとたび感染症が発生すると、あっという間に流行することは珍しくありません。

今現在、小児科の診療現場では新型コロナウイルス感染症の原因であるSARS-CoV-2ウイルスだけでなく、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、手足口病やヘルパンギーナの原因であるコクサッキーウイルスによる感染症が見られます。

SARS-CoV-2ウイルス以外は、大人の場合は軽症や無症状です。子どものみ症状が見られることが多いです。中でも子どもで注意が必要なのはRSウイルスです。新生児や乳児では、重症化することがあり、酸素が必要な細気管支炎、喘息様気管支炎、肺炎を起こすことがあります。

多くは単独のウイルスへの感染ですが、2つ以上のウイルスに感染しているケースもあります。

■子どもに流行中の主な感染症の症状一覧……RSウイルス・アデノウイルスなど
▼RSウイルス水のような鼻汁・鼻づまり、ひどい咳・むせるような咳、呼吸数が多くなる多呼吸や肋骨の下がへこむ陥没呼吸などの呼吸困難、呼吸をさぼる無呼吸。1歳ぐらいまでの小さな子ども、特に、早く生まれた低出生体重児や心臓に病気を持っている子どもは注意が必要。

▼ヒトメタニューモウイルスRSウイルスに非常によく似た症状。1週間程度続く咳、鼻水、4〜5日続く発熱。悪化すると、ゼイゼイ、ヒューヒューと言った喘鳴(ぜんめい)、息がしにくい呼吸困難など。乳幼児や高齢者では重症化することも。

▼アデノウイルスプール熱(咽頭結膜熱)を引き起こすウイルス。40度前後で5日前後続く発熱、結膜炎、ノドの痛み・咽頭炎の他、全身倦怠感、頭痛、食欲不振など。

▼新型コロナウイルス子どもの場合も大人と同様、発熱、咳、鼻水などの一般的な症状が主。嗅覚・味覚障害も報告されているが、無症状や軽症例がほとんど。

▼コクサッキーA群やエンテロウイルスこれらのウイルスによって引き起こされる手足口病。主に口の中や手のひら、足の甲や裏などにできる、2〜3mmの水疱性の発疹(水ぶくれ)ができるのが特徴。感染者の9割は乳幼児。非常にまれだが、髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こす場合があるため、経過を慎重に観察する必要がある。

■子どもの感染症はなぜ急速に広がるのか
前述したウイルスは、主に咳などによって起こる飛沫感染、触って起こる接触感染によって広がっていきます。集団生活において、子ども同士は距離が近く、マスクを正しく着用し続けるのも現実的に難しいと思います。そのために、対策をしていても感染は徐々に拡大してしまいます。

ウイルスは人とともに移動しますので、集団生活の場でウイルスをゼロにすることは不可能と考えた方が良いでしょう。軽症でワクチンもなく治療法がない場合は、感染によって集団免疫を獲得していくことになります。

実際に、RSウイルス感染症は大人でも罹患しますが、子どものうちに何度も罹患することで、年齢とともに軽症化します。

■必ず注意すべき症状……喘鳴・呼吸の異常・痙攣・意識障害など
感染症に罹患すると、免疫のはたらきで体から病原体を排除しようとします。免疫を高めるために、発熱が起こります。病原体を体外に出すために、咳や鼻水、くしゃみなどの症状も出ます。つまり呼吸器感染症の場合、発熱、咳、鼻水が主な症状です。

これらは治る過程での自然な症状とも言えますが、注意すべき症状は、喘鳴、呼吸困難などの症状、痙攣や意識障害などです。これらの症状が見られた場合、症状を抑えるための治療が必要になります。

また、子どもの場合は喉の痛みが強く、水分摂取が全くできなくなったような場合は、脱水症が心配になります。

逆に言えば、発熱や鼻水などの症状が見られても、食欲があり、元気で、よく眠れているようなら、そのまま様子を見ることができます。

個人差もありますので、自宅で様子を見る場合も小児科を受診する場合も、普段から子どもの健康状態を10としたときに、現在が1なのか9なのか、できるだけ数値化して具体的に評価して考えることが大切です。

▼清益 功浩プロフィール小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。

清益 功浩(医師)

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