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見逃してはいけない「大腸がん」の症状は? がんの進行、転移に伴う症状も【医師が解説】

  • 2021年9月15日
  • All About

■大腸がんの初期症状のことも……便通異常には要注意
大腸がんは、肺がんとともに、近年急速に増えつつある疾患です。これには、私たちの食事が、高繊維、低脂肪の和食から、高脂肪、低繊維の洋食にシフトしていった結果ともいわれています。その一方で、大腸がんは、早期発見できれば、内視鏡手術でお腹を切らずに切除し、完治させることも可能という特徴を持ちます。

大腸がんの早期発見のためにも、初期症状のポイントをチェックしておきましょう。

■下血と血便
下血(肛門からの出血)や血便(便に血液が付着)は、通常の状態では見られない症状です。硬い便をしたあとの肛門の傷(裂肛)や、痔(外痔核、内痔核)、良性の大腸ポリープなどでも、このような症状は見られますが、大腸がんの初期症状としても見られます。

もちろん、大腸がんによって下血や血便が見られる状態でも、自覚症状はほとんどありません。「痛くもかゆくもないから」ということで放置せずに、痔かどうかのチェックも含めて、一度、お近くの医療機関(内科)を受診してください。

■繰り返す下痢と便秘
下血や血便と異なり、下痢と便秘は一般的に見られる症状です。食あたりや風邪などはもちろんのこと、ストレスでも下痢や便秘を来たします。

しかし、これらを繰り返す場合には、大腸がんのチェックはされておいたほうがよいと思います。また、最近、便が細いなぁ、という方も、要注意です。

検査としては、まずは、便潜血の検査を行います。便の一部を専用のキットを用いて採取するだけ、という体に負担のない検査です。あまり、心配しすぎずに、医療機関を受診されることをおすすめします。

■大腸がんの進行、転移に伴う症状
大腸がんの進行に伴って見られる症状には、局所の進展によるものと、他の臓器への転移によるものに分けることができます。

■局所の進展による症状
大腸がんの場合、病状の進行に伴って腫瘍が大きくなり、大腸の通過障害、すなわち食べたものが大腸を通過できないという状態が起こってきます。

症状としては、便秘、腹部の膨満、腹痛などが特徴的です。さらに進行すると、完全閉塞を来たしたり、大腸がんの細胞が腹膜全体に広がる(がん性腹膜炎)によって、嘔吐や激しい腹痛など、腸閉塞(イレウス)を引き起こします。

■他臓器への転移による症状
大腸がんは、その血液の流れから、肝臓、肺、脳に転移しやすいです。肝臓へ転移した場合、転移巣が小さければほとんど症状は出ませんが、部位や進行の度合いによっては、黄疸が認められることがあります。また肺の転移では、胸水が溜まることによる呼吸困難が、脳の転移では、頭痛や嘔気のほかに、転移した部位に応じた神経学的な症状が認められるようになってきます。

また、がんに共通のことですが、特に要因なく体重が減少したり、帯状疱疹(ヘルペス)を発症する場合には、何らかの悪性疾患の存在も疑われますので、万一、このような兆候が出た場合には医療機関を受診するようにしてください。

治癒率をあげるためには、早期発見・早期治療が大切です。早期発見のためには、初期症状に注意すると共に、やはり、年に1回の定期的な健康診断を受けられることをおすすめします。近年は、がん検診・PET検査も充実しています。

▼狭間 研至プロフィール大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。

狭間 研至(医師)

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