年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、月収12万円で働いた場合の毎月の厚生年金保険料について、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、月収12万円で働いた場合の毎月の厚生年金保険料についてです。
■Q:月収12万円のパート主婦、厚生年金保険料は毎月いくら?
「パートとして働く主婦です。月12万円稼いだ場合、厚生年金保険料は、毎月いくら天引きされますか? ボーナスはありません」(40代)
■A:毎月、給与から天引きされる厚生年金保険料は1万797円となります
相談者のようにパート先で社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入すると、毎月のパート収入から厚生年金保険料・健康保険料・介護保険料が天引きされることになります。ここでは厚生年金保険料について詳しく解説していきます。
厚生年金保険料の額を決める計算をするときには、給料などの報酬そのものの金額ではなく、区切りのよい金額で区分した「標準報酬月額」というものを使用します。
標準報酬月額は8万8000円(1等級)から最高65万円(32等級)までの32等級に分かれていて、それぞれの等級ごとに、厚生年金保険料が設定されています。
相談者は、毎月12万円のパート収入とのこと、協会けんぽ・東京支部『令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表』を参照すると、厚生年金保険料の標準報酬月額は、11万8000円の5等級に該当します。
毎月の厚生年金保険料は会社と折半となるため、本人負担額は1万797円となり、毎月の給与から天引きされます。
ちなみに、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入した場合、厚生年金保険料と一緒に、健康保険料・40歳以上の人は介護保険料も天引きされます。相談者の場合は、6832円が健康保険料・介護保険料として天引きされます。よって、1万797円(厚生年金保険料)+6832円(健康保険料と介護保険料)の合計1万7629円の社会保険料が給与から天引きされるということです。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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