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在職老齢年金の総報酬月額相当額の計算ですが、厚生年金に加入している会社の給料とは別にアルバイトをしている場合はどうなる?

  • 2024年9月7日
  • All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、在職老齢年金について、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、在職老齢年金についてです。

■Q:在職老齢年金の総報酬月額相当額の計算ですが、厚生年金に加入している会社の給料とは別にアルバイトをしている場合はどうなる?
「現在63歳です。今年64歳になり特別支給の老齢厚生年金受給となります。在職老齢年金の総報酬月額相当額の計算の質問です。

今は厚生年金に加入してお給料をいただいている会社と、アルバイトをしてお給料をいただいている会社が2つあります。厚生年金に加入している会社のお給料は22万円です。あと2つのアルバイトのお給料合計は36万円です。この場合の総報酬月額相当額の計算方法はどうなりますか」(ももち903さん)

■A:在職老齢年金制度では現勤務先とアルバイト先の給与・賞与を合計して総報酬月額相当額を計算します
社会保険(厚生年金・健康保険)に加入して働いている事業所の他に、アルバイトをしている会社が2社あるとのことですね。アルバイト先で、社会保険に加入していなければ、アルバイト先の給与・賞与は、在職老齢年金の計算には、影響しません。

ただ、2つのアルバイト先の月収の合計が36万円とのことですので、アルバイト先で、社会保険が適用される働き方になっている可能性があるかと思います。

アルバイト先で、社会保険に加入する必要があるかどうかは、アルバイト先の人事部などに確認しましょう。2つアルバイトをされているとのことなので、それぞれのアルバイト先で、社会保険加入の必要があるかどうかを確認してみてください。

そもそもアルバイト先で社会保険に加入する必要があるかどうかですが、具体的には、

①アルバイト先の厚生年金の被保険者数が101人(2024年(令和6年)10月以降は51人)以上
②質問者「ももち903」さんが、1つのアルバイト先で週20時間以上働いている

①②の要件を満たしていればアルバイト先でも社会保険加入になるでしょう。

2カ所の事業所で社会保険の加入要件を満たした場合、「ももち903」さん(被保険者本人)が「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を日本年金機構(選択した事業所を管轄する年金事務所)に提出する必要があります。提出する際に、被保険者本人が、いずれか1つの事業所を「主たる事業所」として選択して記載することになります。

在職老齢年金の総報酬月額相当額の計算については、厚生年金加入の事業所から受ける給与・賞与を元に計算するので、アルバイト先で社会保険に加入することになれば、総報酬月額相当額の計算にアルバイト先から支給された給与・賞与を含めることになります。

社会保険適用となったアルバイト先の給与・賞与と現勤務先の給与・賞与を合計して、総報酬月額相当額を計算します。2つのアルバイト先が社会保険加入とならなければ、現在社会保険に加入して働いている仕事先の給与・賞与のみで総報酬月額相当額を計算することになります。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。

拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

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