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「G8サミット」 詳細解説

英名:
Group of Eight Summit

G8サミットは、G7(Group of Seven:先進7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)の構成国である日・米・英・独・仏・伊・加に露を加えた8カ国の首脳および外相・蔵相レベルの会合であり、主要先進国首脳会議と訳する。G8とは「Group of Eight」の略称だ。国際的な経済的、政治的課題について、一つのテーブルを囲んで非公式で自由な討議を行い、合意を形成する。G8という呼称は、1998年のバーミンガムサミットから使用されている。G8サミットでの決定は「コミュニケ(声明書)」とよばれる共同文書にまとめられる。コミュニケに法的な拘束力はないが、8カ国の首脳レベルでの政治的な約束として大きな影響力を持つ。

現在のサミットは、1975年に仏・ランブイエに米・英・西独・仏・伊の5カ国の国家首脳が集まり、世界的な経済問題についての意見交換を行ったことに端を発する。背景には、1970年代の「ニクソン・ショック」や、第1次石油危機などの経済的問題があった。翌1976年のプエルトリコ・サミットから加が参加し、露は1994年のナポリサミットから部分的に、1997年のデンバーサミットからは世界経済金融等の一部の集まりを除いて正式に加わり、現在の8カ国となった。また、1977年からは欧州委員会委員長も参加している。

G8での討議内容は、発足当時は貿易や国民所得などの経済問題が主だったが、現在は、環境や貧困、エイズなどの感染症、犯罪や麻薬、人権、テロ、軍縮といった社会問題や安全保障問題へと拡大されている。たとえば、2005年に開催されたグレンイーグルスサミットでは、議長である英ブレア首相が主導して、「アフリカ」と「気候変動」を主要議題とした。また、2008年の北海道洞爺湖サミットでは、環境・気候変動について、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を少なくとも5割削減するという目標が採択された。

G8サミットに合わせて、さまざまな大臣級の会議や政策検討が行われる。1980年代半ば以降、首脳会合とは別に蔵相会合および外相会合が開催されており、1994年からは環境相会合が、1996年からは雇用・労働相会合が、2000年には初の教育相会合が開催された。こうしたサミットは、固定的な管理機関を持たずに参加国の持ち回りで年1回開催される。そのため、サミット開催国が議長国となり、開催に向けた事前の準備会合や、首脳会合、外相会合、蔵相会合の開催のための諸準備や議事を進行する。

日本では2008年までに、1979年(東京)、1986年(同)、1993年(同)、2000年(九州・沖縄)、2008年(北海道)の5回が行われた。2011年のG8は5月に仏・ドーヴィルで開催される。一方、G8などのサミットはグローバリゼーション(世界化、地球規模化)の象徴と見られることがあり、グローバリゼーションに異議を唱える人々によるデモなどの抗議活動がサミット開催地で行われることもある。とくに2001年のジェノヴァサミットでは大規模なデモが市街地において繰り広げられ、死傷者も出た。

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