サイト内
ウェブ

「ダイオキシン」 詳細解説

読み:
だいおきしん
英名:
Dioxin

ダイオキシンは、有機塩素化合物の一種であるポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)のことで、塩素のつく位置などによって75種類ある。これと類似した性質を持つポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)やコプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)をあわせてダイオキシン類と呼んでおり、それぞれ毒性が異なる。

ダイオキシンの人体への影響については、WHO(世界保健機構)が、1997年にダイオキシンの中でも毒性の強いものはヒトに対する発がん性があるという評価を行った。また、環境ホルモンとして作用し、生物の生殖器官に影響を与えるなどと心配された。

ダイオキシンは、森林火災、火山活動でも発生するが、主な発生源は塩素が完全に燃えきらない低温焼却によるごみ焼却炉とされる。大気中に出てきたダイオキシンは、土壌や河川を通じ海に流れ込む。人間は、魚や肉、野菜などの食物などを通じて体内にダイオキシンを蓄積する。脂肪に溶けやすいことから、母乳の危険性や魚を食べるとがんになるといった見解が生まれ、社会問題になった。

そこで政府は、1999年にダイオキシン類対策特別措置法(2002年改正)を定め、国民が1日にダイオキシンを摂取する量の限度の目安を設定し、大気、水への排出規制と汚染土壌に関する措置を定めた。この、人が一生涯にわたり毎日その物質を摂取しても、健康に害を及ぼさないとみなすことができる一日当たりの量を「耐容一日摂取量(TDI)」という。ダイオキシンのTDIは体重1キログラム当たり4ピコグラムだ。

その後の調査により、ダイオキシンはごみ焼却炉から排出されるよりも、過去に使用された農薬に多く含まれていたこと、母乳中のダイオキシンも1975年から2000年にかけて暫時減少してきていることなどがわかった。今後も低用量のダイオキシンの健康への影響など、科学的な知見を踏まえながら適切に対応していくことが求められる。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。