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「国際生物多様性の日」 詳細解説

読み:
こくさいせいぶつたようせいのひ
英名:
IDB:International Day for Biological Diversity

生物多様性の損失に歯止めをかけるため、国際連合は5月22日を「国際生物多様性の日」と定めている。毎年この日には、生物多様性をとりまく問題に関する普及啓発を目的とした記念イベントが、共通のテーマに沿って世界各地で行われる。国際生物多様性の日は、1993年に定められた当初は生物多様性条約が発効した12月29日だったが、2000年に行われた国連総会で5月22日に変更された。1992年のこの日に、同条約の本文が採択されたことを忘れないようにするためだ。

2006年以降の国際生物多様性の日のテーマは、「乾燥地帯における生物多様性の保護」、「生物多様性と気候変動」、「生物多様性と農業」、「生物多様性と侵略的外来生物」、「発展と貧困解消のための生物多様性」―など。2010年には、発展と貧困というテーマについて多くの課題を抱えるアフリカ・ナイロビの国連環境計画(UNEP)本部で、多くの記念行事が行われた。2011年のテーマは「生物多様性と森林」。国際森林年でもある同年に森林について考え、保全に向けた取り組みを強化しようという趣旨だ。

生物多様性条約事務局は、国際生物多様性の日の午前10時に、世界中の青少年が自らの手で学校の敷地などに植樹を行うことを呼びかけており、この運動は「グリーンウェイブ」と呼ばれている。グリーンウェイブを通じて、青少年に樹木の種類や植える方法、そして生物多様性の重要性について学んでもらうことを目的としている。名前の由来は、世界各地で現地時間の同じ日に植樹が行われると緑の波(グリーンウェイブ)が地球上を東から西へと波のように広がっていくように見えるためで、この様子はグリーンウェイブのウェブページ上でも再現される。

日本でも、環境・農林水産・国土交通の3省が中心となってグリーンウェイブの普及を図っている。2010年には、43都道府県の1588団体、約11万1000人が参加し、約25万4000本もの苗木が植樹された。2011年は3月1日から6月15日までを「グリーンウェイブ2011」として、学校や関係機関・団体などに参加を呼びかけている。同年5月22日には、那須平成の森の一部が開園されることとなり、この森での取り組みを支えるサポーターの募集も行われている。

また、同じく2011年5月22日に、(独法)森林総合研究所と早稲田大学環境総合センターの主催による国際生物多様性の日記念シンポジウム「地球の恵み 森林の生物多様性 - その価値と危機 そして希望 - 」が行われる。これまで10数年にわたり森林の生物多様性に関する研究を続けてきた同研究所が、他の研究機関の研究者を交えて研究成果を公表するものだ。さらに同日には、農林水産省などの共催による「震災復興支援シンポジウム」が、東京・渋谷の国連大学で開催される。

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