サイト内
ウェブ

「都市低炭素化促進法」 詳細解説

読み:
としていたんそかそくしんほう
英名:
Low Carbon City Promotion Act

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスは、多くが都市において発生している。都市にはCO2の主な発生源であるビルや住宅などの建築物が多く建てられ、ガソリンを主な燃料とする自動車もたくさん走っている。低炭素で循環型の社会を構築していくためには、都市機能を集約化するとともに、公共交通機関の利用促進、建築物の低炭素化、省エネ節電などの施策を講じる必要がある。こうした要請は、2011年3月に発生した東日本大震災以降、以前にも増して高まっている。

都市におけるCO2排出量を減らして低炭素都市を実現することを目的として、2012年9月に公布されたのが「都市の低炭素化の促進に関する法律」(都市低炭素化促進法、または低炭素化促進法)だ。2012年内に施行される。都市の低炭素化を図るため、国による基本方針の策定や、市町村による低炭素まちづくり計画の作成と施策の実施、そして低炭素建築物の普及を図るための認定制度などを定めている。都市の低炭素化について地域における成功事例を増やして普及を図るとともに、地域経済や住宅市場の活性化につなげていくというねらいがある。

国土交通・環境・経済産業の3大臣は、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針(基本方針)を定め、公表する。この基本方針に基づき、市町村がそれぞれの地域の実情に応じて、都市の低炭素化を促進するためのまちづくりに関する計画(低炭素まちづくり計画)を作成する。低炭素まちづくり計画では、都市機能の集約化、公共交通機関の利用促進、共同輸配送、緑地保全、未利用下水熱の活用などについて定めることができる。

都市機能の集約化については、病院や福祉施設、マンションなどを集約して整備する民間事業の認定制度を創設した。民間事業者が駐車場を集約して整備する場合には、建築物の新築時などに義務づけられている駐車施設設置の特例が適用される。このほかに、歩道や自転車道の整備、バリアフリー化などの「歩いて暮らせるまちづくり」を後押しする。公共交通機関の利用促進については、バス路線やLRTなどの公共交通機関を整備したり、共同輸配送を実施したりする主体に対しては、バスや鉄道などに関する事業法の手続に関する特例を適用する。

未利用下水熱の活用については、民間主体による下水の取水許可に関する特例を設けた。また、都市公園や港湾隣接地域における太陽光発電や蓄電池などの設置に関して占用許可の特例を設けた。さらに、樹林地などに関する管理協定制度を拡充し、NPOなどによる緑地保全と緑化の推進を図った。

都市低炭素化促進法の目玉となる施策が、低炭素建築物の普及促進を図るために、新たな省エネ住宅の認定制度を創設したことだ。低炭素で省エネな住宅など建築物の新築や改築などにあたり、一定の基準に適合すると所管行政庁から認定されると、住宅ローン減税や容積率の不算入などの特例措置の対象となる。認定基準は法律の施行までに定められる。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。