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「ダム問題」 Q&A解説

読み:
だむもんだい
英名:
Dam Problem
  • Q: 米国でダムを撤去しているというのは本当なの?
    米国ではせっかくつくったダムを撤去する動きがあるというが、どうしてなのだろうか?

    A: ダムは、水の確保や水力発電のための利水や、洪水を調節する治水など、社会の中で多くの役割を果たしてきた。しかし、ダム建設は河川などの自然環境を破壊し、また、公共事業としての必要性が低いとして見直しを求める意見もある。海外ではすでに建設されたダムを撤去する動きがあり、米国では1990年代から多くのダムが撤去された。一方、国土交通省は、自然条件や国土の利用形態が欧米諸国と大きく異なる日本では、洪水を防御し、水不足の時に補給するダムは「有効な河川整備手法の一つ」と主張している。具体的には、1) 日本は急峻な地形で豪雨が集中するという厳しい自然条件下にある、2) 全人口の半分と資産の7割以上が河川の下流域に広がる氾濫域に集中している――という理由をあげている。また、ダムによる水力発電はクリーンエネルギーであるとも指摘している。

  • Q: 「緑のダム」とはどんなダム?
    「緑のダム」という考え方があるそうだが、どんなものか?

    A: 「緑のダム」は、コンクリートでダムを建設するのではなく、ダムの治水や利水などの機能を森林整備などによって代替する考え方だ。これに対して、国土交通省は代替することはできないと主張している。まず、治水機能については、1) そもそもダム建設を含む治水計画は森林の保水機能を前提に計画されているが、これ以上森林を増加させる余地は少ない、2) 森林は中小の洪水に対しては一定の効果があるものの、治水計画の対象となるような大雨では森林域から降雨がほとんど流出する――として否定している。また、利水機能については、森林の増加は樹木からの蒸発散量を増加させ、むしろ渇水時には河川への流出量を減少させる場合もあるとして反対している。一方、林野庁は、森林を整備して「緑のダム」としての機能を高めることの必要性を強調している。

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