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「東京駅」 詳細解説

読み:
とうきょうえき
英名:
Tokyo Station

東京都千代田区丸の内にある東京駅は、1914年(大正3年)に創建された、わが国を代表する近代建築物のひとつだ。首都の中心に位置する駅舎としての機能に加えて、赤レンガの外装、黒いスレート葺きの屋根、白い窓枠や各種彫刻など、美しさと実用性をあわせもつ内外装は、戦前戦後を通じて東京のシンボルとして多くの人から愛されてきた。建築時は3階建てだったが、第2次世界大戦でドームなど主要部分が焼失したため、1947年に改修されて2階建てとなった。21世紀に入り、東京駅を管理する東日本旅客鉄道(JR東日本)は、丸の内駅舎の保存・復原を行うことを決めた。

保存・復原工事は2007年から行われ、2012年10月に終了した。工事の過程では、資材や現場で発生する土をできるだけ再利用し、騒音振動などの発生を抑え、分別を徹底するなどの環境への配慮がなされた。新しくなった東京駅の丸の内駅舎は、創建当初にあったドームが復元され、再び3階建てとなった。また、ところどころ傷んでいた赤レンガやスレート屋根なども大幅に修繕されるなど、保存のためのさまざまな手が打たれた。さらに、駅舎の姿はそのままに地震などの災害に備えるため、地下に最新の免震機能をもたせた。

このような大規模な工事を可能にしたのが、空中権の移転だ。都市計画法などに基づく特例容積率適用区域内では、高度利用認定された敷地の利用されていない容積を、他の敷地で建設されるビルなどに移転して上乗せすることができる。3階建の東京駅はこの区域内では低層であるため、周辺の高層ビルに空中権を譲ってばく大な施行費をねん出することができた。地球温暖化防止の分野で活用されている、排出量取引によく似た仕組みだ。

こうして創建当時の姿を取り戻した東京駅は、新たな東京の名所として注目されている。リニューアル直後から実施された駅舎への光の投影イベントは、多くの人が集まる一大企画となった。一方、駅舎自体の環境配慮としては、東海道線ホームの屋根に太陽光発電システムを設置して、照明やエアコンなどの電力として活用している。また、省エネや資源循環、グリーン調達などにも力を入れている。

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