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「環境報告書」 Q&A解説

読み:
かんきょうほうこくしょ
英名:
Environment Report
  • Q: 環境報告書のルールは?
    初めて環境報告書をつくることになった。守らなければならないルールやお手本はあるのだろうか。

    A: 環境報告書は、企業などの事業者が、自分の会社が地球環境や地域の環境にどんな影響を与えているか、そして環境を守るためにどんな努力をしているかなどを取りまとめて発表したものだ。そのため、自社の環境への取り組み状況を独自のスタイルでまとめて公表してもかまわない。しかし、ある程度、いろいろな会社の内容が比較できるほうが望ましいため、環境省では、作成にあたっての原則や、記載が必要とされる項目を示す環境報告書ガイドラインを1997年より策定し、以後定期的に内容の見直しを図っている。最新版は2003年度のものだ。また、国際的にも、信頼できる環境報告書のあり方を探ろうとGRI (Global Reporting Initiative)が策定基準を研究、公表している。さらに、環境パフォーマンス指標や、環境保全の取り組みに係るコストと効果を定量的に評価するための枠組みの一つとして、環境省により、「環境会計ガイドライン」もあわせて公表されている。

  • Q: 環境報告書の最近のトレンドは?
    報告書の信頼性を高め、環境コミュニケーションを深めるために、どんな取り組みが行われているのだろうか。

    A: 企業などの事業者が、自社の環境保全に関する方針や目標、環境負荷の低減に向けた取り組みなどをまとめたものが「環境報告書」だ。近年、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility ; CSR)が重視されるようになってきたため、環境分野への対応だけでなく、労働、安全・衛生、人権、社会貢献などといった「社会的側面」も含めて情報を開示するCSR報告書や持続可能性報告書(サステナビリティレポート)を発行する企業が増えてきた。
    環境報告書の信頼性を高めるために、専門家や第3者に内容を評価してもらうほか、作成段階からNGO/NPOなどに加わってもらって検討を進めているケースも多い。
    さらに、環境報告書をもとに、地域住民や多様なステークホルダー(利害関係者)などと自社の環境の取り組みについて意見交換する「タウンミーティング」や「ステークホルダー・ダイアローグ」なども開催されるようになった。環境についてコミュニケーションを図っていく試みが広がりを見せている。

  • Q: 環境報告書はむずかしくて…
    環境報告書を読もうと思っても、いまひとつ取っつきにくい。どんな観点から読んでみたら興味が持てるだろうか。

    A: 環境報告書は、事業者が、自社の環境保全に関する方針や目標、環境負荷の低減に向けた取り組みなどをまとめたものだ。環境報告書を発行する企業が増えるにつれ、いかにわかりやすい報告書をつくるかも重視されてきた。最近では、専門家ではない消費者にも興味をもって読んでもらおうと、専門家用と一般読者向けを分け、詳しいデータはCD-ROMやインターネットで見ることができるようにする、子どもたち向けのものを制作するといった工夫をしている企業も登場している。しかし、必ずしも一般の市民や消費者向けに制作されていなくても、見るべきポイントはある。例えば、1) トップの環境に対する方針や考え方がどうか? 2) 自分の言葉で語られているか? 3) 自社の現状を踏まえて、明確な方針や目標が打ち出されているか? 4) 環境パフォーマンスの目標設定と実際、目標に到達しなかったケースなどは、その原因などがきちんと分析されているか? 5) マイナス情報なども書かれているか?  6) 第3者検証は必ずしも必要ではないが、環境報告書の信頼性を高めていくために、どんな努力をしているか? ―などだ。また、同じ業種の企業の報告書を何冊か比べてみると、チェックポイントが自分なりにわかってくる。

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