エンタメ早春の海で島の伝承と出会う

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早春の海で島の伝承と出会う

 本州最南端に位置する和歌山県串本町。沖合の紀伊大島は本州と、くしもと大橋で結ばれる。2月には島内にある日本最古の石造灯台「樫野埼(かしのざき)灯台」周辺の水仙が見ごろを迎え、毎年第2土曜日に、大島地区の水門(みなと)神社の例祭「水門祭」が催される。

 水門祭の由来となっているのが、水門神社の祭神、誉田別命(ほむたわけのみこと)(応神(おうじん)天皇)にまつわる伝承だ。誉田別命が幼いころ、謀反から逃れるため船で南を目指し、紀伊大島の手前の小島、苗我島(みょうがじま)に到着した。それを知った周辺地区の住民が出迎えの船を出し、誉田別命は水門浦(大島地区)の船に乗って紀伊大島に上陸。これを後世に伝えるために、祭礼が始められたという。

 祭りの当日は、水門神社境内で的に向かって矢を奉射する「お的(まと)の儀」や「獅子舞奉納」、神社から港まで屋台が巡行する「神幸の儀」、装飾された船で苗我島へ渡る「渡御(とぎょ)の儀」、稚児たちによる「つるの儀」など、さまざまな神事が海と陸を舞台に繰り広げられる。祭りが最も盛り上がるのが、「櫂伝馬競漕(かいでんまきょうそう)」で、若衆が2隻の船に分かれて競い合いながら、大島港と串本の間を往復する。激しく水しぶきを上げながら進む勇壮な姿は必見だ。

 串本町に春の訪れを告げる水門祭。一足早い春を感じに足を運んでみたい。

<開催日>水門祭(2016年2月13日)
<会場>和歌山県串本町・大島港など(紀勢本線串本駅からバス)
<問>串本町観光協会☎0735(62)3171
http://www.kankou-kushimoto.jp/

*情報は2015年12月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2016年2月号より

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