ビジネス林業女子、滋賀で2人誕生 重い機械、筋トレで克服

  • 京都新聞
林業女子、滋賀で2人誕生 重い機械、筋トレで克服

 滋賀県内の林業の現場に2015年度から若い女性2人が就労した。03年度に始まった国の支援制度を利用した女性では県内初のケース。戦後植えられた人工林が伐採期を迎える中、秋から冬にかけて作業の繁忙期を迎えている。

 松尾扶美さん(25)は東近江市永源寺森林組合(同市山上町)で働く。生態学を学んでいた徳島大大学院時代に研究で訪れた徳島県那賀町で、森の将来を考えながら木を切る林家(りんか)の丁寧な仕事ぶりに「子どもや孫の代まで価値をつなげる仕事」と魅せられた。

 福岡県出身だが、学生時代にたびたび訪れ「人と自然との距離感が近い」と思った湖国を就職先に選んだ。現在は木を切り倒すなど基礎的な作業を担当。約4キロあるチェーンソーは女性には重く、無意識に刃が傾くこともあった。帰宅後に筋力トレーニングをするなど努力し、最近は負担を感じなくなった。

 2人は、林業への就職希望者の技術習得を支援する林野庁の「緑の雇用」事業制度を利用。現場で仕事をしながら3年間、チェーンソーなど機械の使い方を学び、雇用側には給与補助などがある。毎年、全国で約800〜2200人が制度を利用して就職しているが、女性は極めて少なく、13年度で18人と全体の約2%だった。

 戦後の造林期には、苗木の植え付けなどの軽作業が主に林家の女性の仕事だったが、伐採など力仕事の比重が高まり女性従事者は激減した。県によると、昨年3月末時点で県内の林業従事者260人のうち女性は4人しかいない。

 一方で林業や森林保護に関心を持つ女性のサークル「林業女子会」が10年に京都で発足したのをきっかけに静岡や岐阜など17都府県で結成され、フリーペーパー発行などの情報発信で注目を集めている。

 松尾さんも「季節が移り変わる山の中で体を動かすのはすごく気持ちがいい。地形や木の特性を見て、思い描く山に育てられるよう技術を身につけたい」と話す。琵琶湖の環境保全に森林が果たす役割も大きく、「人が山に入ることで山がきれいになり、その人も輝く。そんな林業のあり方も考えられれば」と夢を描いている。

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