
定時退社して何が悪いの? / 画像提供:あおいし(@ao144444)
「また今日も定時で帰るのか…」と机を叩く上司を尻目に、定時きっかりに退社する会社員・うさやん。かつては終電まで働くのが当たり前だった彼が、今では残業ゼロの働き方を貫いている。そんな彼の変化を描いた創作漫画が、あおいし(@ao144444)さんによる『うさやんが定時に上がる理由』だ。
本作は、著者の代表作『残業ねこ』のスピンオフにあたるエピソード。「転職を選んだ“ねこくん”と違い、うさやんには“辞めずに生き方を見直す”という選択肢を与えたかった」と語るあおいしさん。その意図が、物語全体に柔らかく反映されている。
【残業ねこ番外編】会社員うさやんが定時に上がる理由(1) / 画像提供:あおいし(@ao144444)
【残業ねこ番外編】会社員うさやんが定時に上がる理由(2) / 画像提供:あおいし(@ao144444)
【残業ねこ番外編】会社員うさやんが定時に上がる理由(3) / 画像提供:あおいし(@ao144444)
【残業ねこ番外編】会社員うさやんが定時に上がる理由(4) / 画像提供:あおいし(@ao144444)
うさやんの勤め先であるアニマル出版では、彼が定時退社を始めたことで、同僚たちにも少しずつ意識の変化が。ある社員は「うさやんが帰るなら私も」と笑顔を見せるなど、静かに職場の雰囲気を変えていく姿が描かれる。
「仕事中心の生活に疲れを感じている人は多いと思います。うさやんもかつてはそうでしたが、同期の行動に背中を押されて、働き方そのものを見直すようになったんです」と、あおいしさんは制作意図を語る。
残業をやめて得たのは、アフターファイブの自由だった。退社後の時間に開いている店の多さや、趣味に費やす余裕を再発見したうさやんは、「人生は会社だけじゃない」と気づく。
一方で、「仕事がないと何もすることがない」「どうせ帰っても酒しかない」と話す編集長のように、定時退社の意味を見出せない人も登場する。だが読者からは、「給料は減ったけれど自由時間が増えた」「趣味ができるようになった」など、前向きな反響も多く届いているという。
「自分の時間を意識的につくることが、生活全体に良いリズムをもたらすと信じています」と語るあおいしさん。「環境を変えるのは簡単ではありませんが、小さな一歩でも自分から動けば、日々のバランスを少しずつ整えていけるはずです」と、本作に込めたメッセージを語ってくれた。
なお、本作の本編にあたる『残業ねこ』は、「残業地獄のねこが転職するまでの120日間の記録」として書籍化されている。SNS投稿時から話題となっており、過酷な環境で働く読者からは「自分の背中を押してくれた」といった声も寄せられている。
取材協力:あおいし(@ao144444)
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