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新人のデザインがコンペで選ばれた!!真面目な人が損をする…努力が結果に繋がらない、仕事のもやもやを描く【作者に聞く】

  • 2023年6月7日
  • Walkerplus

デザインの勉強をしていない新人のデザイン案もコンペに出そうという上司。選ばれるわけがないと思っていたのに。バリキャリ女子が仕事でうまくいかないもやもやを描く――福々ちえさんの『モヤモヤ社畜OLと、勇気のマサラカリー』の続編「仕事のできる女と、怒りのバターチキン」をお届けしよう。


■仕事は努力しても結果に繋がらないことがある。その心の葛藤を見事に描く
デザインの勉強をしたことがない、新人の女の子。始めに「デザインの勉強をすれば?」と、アドバイスをしたが、彼女はいつも定時で帰ってしまう。そんな彼女が、上司に言われてデザイン案を考えたという。バランスも悪く、そろわなければいけないところもガタガタでこれはひどい。なのに、上司は彼女の案もコンペに提出しようという。

日々努力している彼女にとって、新人のデザイン案は受け入れがたかった。しかし、コンペの結果、新人のD案が選ばれることに。上司が新人をかばうことも気に入らないし、ことあるごとに「私、言いましたよ」とふっかけてくるような言い方をする新人も気に入らない。

本作は、とあるカレー屋を通してつながるストーリー。カレー屋で揉めごとに遭遇したお客を別視点で描く。「昼間の駅で揉めてる人を見たんですよね。サラリーマンの方が、同じくサラリーマンの方の襟首を掴んで叫んでいて。「何事!?」と思ったと同時に、“私これ見なかったことにして通り過ぎていいのかな”と自問自答しました。こういう自分の「正しさ」を揺さぶられる瞬間ってあるなぁ、と。それをテーマに作った漫画が『もやもや社畜OLが、スパイスカレー食べて元気になる話』です」(福々さん)

そして続編「仕事のできる女と、怒りのバターチキン」を描いた理由について伺うと「たまたま同じ店にいた女性を視点を変えて漫画にしたのは、より現実世界をやさしく受け止めてもらえたら、との思いからです。2作目は、1作目と違っていわゆる「嫌な女」を主人公にしました。同じくカレーを食べて奮起したはずが、逆に自分を追い込む事態になっちゃって…と受難が続きます。こんな風に、人間にはひとりひとりドラマがあるんですよね。たまたま隣り合わせた、同じ場所にいた、すれ違った。そんな人たちにも、それぞれ葛藤やドラマがあると想像できれば、世界がやさしくなるかも…なんて考えたりします」

もやもやを吹き飛ばしたくて大好きなカレーを食べにきたが、結局、仕事はうまくいかないまま。勇気を出して声をかけた女性を見て、自分もそうありたいと思ったけれど、新人のことを見てもやもやが溜まってしまう。

「私の漫画は、人間讃歌がテーマです。悪者はいません。悲しい人や弱い人がいるだけです。私は親のことでずいぶん長く恨みつらみ(笑)を持ってたのですが、「親にも事情があったんだ」と気づいたら、怒りが溶けて消えた体験があって。この経験を読者さんにも疑似体験してもらえるような、そんな漫画を描いていきたいです」


現在、福々さんは、漫画家&イラストレーターとして活動中。夫婦エッセイや、過保護ママをテーマにしたセミドキュメントを描く。また、「お金がないと幸せになれない」と思っていたけれど、稼いでも稼いでも孤独や不安感が消えない女性が主人公のコミックエッセイ『稼いだら幸せになれると思ってた』などの著書があるほか、ホームページで全作品掲載しているので、興味のある方はぜひチェックを。

■取材協力:福々ちえ(@fukufuku_comic)

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