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「女性のほうがおいしそうに見える」“お茶出しは女性の仕事”という時代錯誤な社内ルールを描いた漫画について作者に聞いた

  • 2023年3月27日
  • Walkerplus

2021年4月の退職をきっかけに、Twitterに漫画を投稿し始めたやぎ公(@yagi_kou_)さん。30年間勤めた職場での経験などをもとに描く「ネコ谷さんは会社員」は、ふつうの会社員・ネコ谷さんや、現代っ子の憎めない後輩・チュー尊寺君など、個性豊かなキャラクターが繰り広げる意外とリアルな会社員生活を描いた漫画として注目を浴びている。


今回は職場での「お茶出し」にまつわる漫画を紹介するとともに、作者のやぎ公さんに本作を描いたきっかけなどを伺った。

ネコ谷さんがコン野さんと社内を歩いていたとき。秘書室長のイヌ養さんが、コン野さんに声をかけてきた。

「お茶出しの人手が足りないので、ちょっと手伝ってもらえるかな…」。これから会議の準備をしなければならないコン野さんが戸惑っていると、ネコ谷さんが「ワタクシがお手伝いさせていただきます!」と代わりにお茶出しをすると申し出た。

すると、イヌ養さんは「ダメだよ~。男の人がお茶出しなんて~。お茶は女性が出すものでしょ~。そのほうがおいしそうに見えるし~」と笑いながらネコ谷さんの申し出を一蹴。

その言葉に、「“お茶出しは女性じゃないとダメ”みたいなことを仰っている場合ではありません!!」とネコ谷さんが反論!さらに、「話している時間がもったいないです!!コン野さんは会議室へ!ワタクシは給湯室へ向かいます!!」と指示まで!

実際にテキパキとお茶出しをするネコ谷さんを見て、イヌ養さんは「なんて手際の良い…」と感心。

お茶出しを終えたネコ谷さんは「お客様方、男性がお茶出ししているの、気にされてなかったご様子でした」と心配を払拭する気遣いまで。その報告を受け、イヌ養さんも「男の人がお茶出しなんてありえないみたいな言い方をして申し訳なかった…」と大反省したのだった。

この漫画をTwitterに投稿した際には、「20年ちょっと前、臨時職員(女性)が正規職員に朝のお茶を出してましたし、お客様のお茶も基本的に臨時職員の女性が出してました」という経験談や、ネコ谷さんの手際の良さに「(早期退職を予定しているネコ谷さんに)…チュー尊寺くんがひきとめるはずだわネコ谷さん」といった声も上がっていた。

そんな、読者からさまざまな声があった本作について、筆者のやぎ公さんに話を聞いてみた。

――「お茶出し」をテーマに描こうと思われたきっかけは?

「お茶出しは女性」みたいな考え方は、だいぶ変わってきてるとは思いますが… 最近はどうなのかなぁ…と、思いながら描いた次第です。

――ということは、やぎ公さんが勤めていらした職場では「お茶出しは女性」だったのでしょうか?

そうですね。私が配属された職場では「お茶出しは女性が担当するもの」という雰囲気でした。平成2年くらいのことです。

――本作のように、上司が女性にお茶出しを強いる場面などを目撃したこともあったのでしょうか?

漫画の内容に近い状況はありました。急な来客の際に、後輩男性の手が空いているのに、業務でバタバタしている女性が呼ばれてお茶出しをして、モヤッとしたことがありました。

――(2021年の)退職間際では、状況は変わっていましたか?

異動先ごとの多少の違いはありますが、退職間際では、「自分の好きなものを好きなタイミングで入れて飲む」というスタイルの職場がほとんどだったと記憶しています。個人のカップも皆さん各自で洗ってらっしゃいました。

本作では、いまだに蔓延る時代錯誤な考え方を変えさせたネコ谷さんに、読んでいてスカッとした方も多いのでは。皆さんの会社にも、いまだに「お茶出しは女性」というルールはあるだろうか?


取材協力:やぎ公(@yagi_kou_)

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