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高校生の揺れ動く心の描写に「引き込まれる」「一気読み」の声…恋愛漫画『香夜たちの話』が注目集める【作者に訊く】

  • 2023年3月26日
  • Walkerplus

今も昔も、「恋愛」を題材にした作品は物語の王道。意表を突く展開や独創的な設定を盛り込んだ作品も数多くある中、SNS上で「一気に読んじゃいました」「続きがすっごい気になります」と反響を呼ぶのが、高校生同士が抱く等身大の想いをじっくりと描いた正統派の恋愛漫画シリーズ『香夜たちの話』だ。
同作は、海辺の高校に通う高校生たちの甘酸っぱい恋愛を描いた群像劇。小田桐圭介(@odagiri_keisuke)さんが2021年から自身のTwitterやpixiv、またAmazon Kindleインディーズの電子書籍として無料公開している。2022年7月に投稿された第6~8話には5万7000件超の「いいね」が寄せられるなど、読者から確かな支持を集めている作品だ。『あたし、時計』や『さくらちゃんがくれた箱』など、短編漫画でたびたび注目を呼ぶ小田桐さんが長編として描き続ける同シリーズの舞台裏をインタビューした。

■どこまでも丁寧な筆致で描かれる、高校生たちの恋愛模様
タイトルにもなっている「秋月香夜」は、幼馴染の「神崎裕太」への好意を隠さない明るい女の子。周囲からは半ば公認のカップルと見られながらも、裕太は香夜からのさまざまなアプローチに曖昧な距離感を取り続けていた。

そんな香夜の友人、「香坂姫香」と「天沢真琴」も、それぞれ同級生に意中の相手がいた。男嫌いの姫香と女嫌いの「伊志原誠介」は、お互いに想いを寄せながらも過去のすれ違いを引きずり、男勝りな真琴は、友人として気安く接してくる「伊角哲平」との些細なやり取りに内心では舞い上がりながらも、進展に結びつかない日々を送っていた。

10代の男女が抱える等身大の感情の機微や、相手を思い真摯に考え行動するひたむきな姿を丁寧に描きながら、三者三様の恋模様がゆっくりと進んでいく作品。2023年現在も新作の発表は続いており、三組の恋の行く末に「続きが気になる」と読者から多くの反響を集めている。

■「とても長い短編を描いている感覚」2ページからはじまった群像劇
そんな同シリーズは当初、一話完結の短編として描かれたという。そこから約2年続く長編として続く『香夜たちの話』の制作秘話を、作者の小田桐さんに訊いた。

――「香夜たちの話」シリーズを描いたきっかけを教えてください。

「もともとは続き物としてではなく、短い読み切り漫画をTwitterに載せようとして描きました。内容は男女の幼馴染のやり取りがかわいくていいなと考えただけで、そこまで深く考えていませんでした」

――読み切りを描くうちに群像劇としてシリーズ化していったのでしょうか?

「最初に描いた『幼馴染は可愛くなぁれ』が好評だったので、同じく男女の可愛いやり取りの話を続けて2本描きました。3本描いたところで、このまま一話完結の漫画を描くより、ちゃんとしたストーリー物にしたほうが面白くなるのではないかと考え今の形になりました」

――高校生がそれぞれ抱える感情の機微の描き方が魅力的です。キャラクターを描く上で意識しているのはどんなところですか?

「一人ひとりの気持ちを丁寧に描写しようと心がけて描いています」

――シンプルな線ながら表情や動きが豊かな絵柄も魅力的です。今の画風に至るまでに影響を受けたものはありますか?

「特定の漫画家さんの模写や、絵の教則本を読んでの勉強、画塾に通うなどはしたことがありません。自分にとって描きやすく、読者に画面が楽しく見えるようにと考えながら、ずっと漫画だけを描いていたら自然とこうなりました」

――短編作品でたびたび注目を集める小田桐さんですが、シリーズ物である本作への思いや挑戦していることがあれば教えてください。

「3本の漫画を描いてストーリー物にしようと決めた後、今後どういう話にしようか最後まで考えて、すでに頭の中では物語は最終回まで出来上がっています。なので、自分にとってはとても長いページ数の短編を描いている感覚です。ただ長い分、登場人物や物語をより掘り下げて描けるので、そこはとても楽しいです」

――SNSをはじめ、Amazon Kindleインディーズでも多くの支持を集める作品です。反響への思いを教えてください。

「自分では耳目を集める派手さもないオーソドックスな恋愛漫画を描いていると思っているので、多くの方にお読みいただけて、驚くと同時にとても嬉しく思っています。今は姫と伊志原の話が中心ですが、その後は真琴と伊角、香夜と裕太の話が控えています。そしてその後の話も考えていますので、最後までお付き合いいただけますと幸いです」

取材協力:小田桐圭介(@odagiri_keisuke)

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