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ミスド界では“若手”の「ポン・デ・リング」誕生20周年!“第4の食感”を追い求めて生まれたドーナツの快進撃に迫る

  • 2023年2月8日
  • Walkerplus

1955年にアメリカで創業したドーナツチェーン「ミスタードーナツ」。1971年に日本に初上陸し、その後全国に展開。2022年9月末時点での店舗数は全国987店にのぼる。もはや国内で知らない人を探すほうが大変なほど浸透した、屈指のドーナツチェーンである。

ミスタードーナツの商品のうち、特に定番商品は創業当初からあるものが多い。そのなかで、比較的歴史が浅いながらも、絶大な支持を得ているのが、ご存知「ポン・デ・リング」だ。丸を8つつなげた形ともちもちの食感は、それまでのミスタードーナツの定番商品に負けず劣らずのおいしさで、一躍人気メニューに躍り出た。

そのポン・デ・リングが、2023年で誕生20周年を迎える。今回はミスタードーナツを運営する株式会社ダスキンの担当者に話を聞き、ポン・デ・リングの歴史を振り返る。

■“第4の食感”を目指して開発されたポン・デ・リング
冒頭で触れたとおり、ミスタードーナツの定番商品は創業当初からあるものが多いが、同ブランドでは当初、3つの食感に分けて、商品展開を行っていたという。

その3つの食感とは、「エンゼルクリーム」や「ハニーディップ」などのイーストドーナツが該当する“しっとり食感”、「オールドファッション」の“サクサク感”、「フレンチクルーラー」などの“ふんわり食感”だ。

味の良さはもちろん、顧客へのアンケートやグループインタビューでは“食感の良さ”を求める人が多いことがわかり、おおまかに上記のような分類を行ってきたという。そのうえで、これら3つの食感とも違う“第4の食感”を模索し、たどり着いたのが「ポン・デ・リング」で表現された“もちもち食感”だった。

それまで、ミスタードーナツの商品にも“もちもち食感”のものはなかった。しかしその食感は後のスイーツ全般の新しいトレンドになることも予見され、同ブランドでは徹底的に開発に取り組んだそうだ。

当初は日本人にとって馴染み深い“もちもち食感”の目標としてお餅の口当たりを目指すことにしたが、これを再現するためには高い保水力を維持する必要があり、ドーナツ特有の揚げる製法には足かせとなった。保水力を高めてしまうと、圴一の大きさに膨らまないんだとか。

“もちもち食感”というコンセプトは変えなかったものの、以降、さまざまな製法をいくつも試し、ミスタードーナツでは試作・試食を繰り返す日々を送ったという。

■発売直後、一時は材料不足になるほどの大ヒット!
試行錯誤を繰り返すなかで、ようやく誕生した「ポン・デ・リング」のプロット商品。ミスタードーナツのスタッフはもちろん、テスト販売を行った際の顧客からも絶賛の声が相次ぎ、満を持して正式に商品化。全国販売することになった。発売するやいなや大反響となり、一時は材料が足りなくなりそうなほどの事態にもなったという。

また、発売の翌年には「ポン・デ・リング」を訴求するため、ミスタードーナツ初となるドーナツから生まれたキャラクター「ポン・デ・ライオン」をCMで展開し、さらに多くの人々にその食感と味わいが知られるようになった。

ちなみに、ポン・デ・ライオンのキャラクター設定は「お腹が空いていても、もちもちのたてがみを食べると元気になる」「食べ終わるとしっぽからまたポン・デ・リングのたてがみができあがる」というもので、その愛くるしい姿で人気を博し、ぬいぐるみや携帯ストラップ、タオルといったグッズも展開された。

■累計販売個数34億個を突破!ドーナツの1ジャンルに
正式販売されるまでの経緯こそ「難産だった」と言わざるを得ないポン・デ・リングだが、発売後は順調に支持を得るようになり、2022年12月末までの累計販売個数は34億個を超えたという。また、今日のコンビニスイーツでもポン・デ・リングに似た商品なども展開され、その食感と味わいは日本におけるドーナツの1ジャンルになった印象さえある。

ミスタードーナツでは、定番の「ポン・デ・リング」「ポン・デ・黒糖」「ポン・デ・ストロベリー」に加え、期間限定のフレーバーも数多く展開。その時期ごとにポン・デ・リングの“もちもち食感”をさまざまな味わいで食べられるのもまた、その魅力をさらに広げていると言える。

2023年は、ポン・デ・リング誕生20周年というアニバーサリーイヤー。最後に、担当者に今後の展望を聞いた。

「ミスタードーナツの定番商品は50年以上前から販売している商品が多く、そのなかでポン・デ・リングはまだ20年と、若手の部類に入ります。ミスタードーナツが実践する「誰もが、いつでも『しあわせな時間』を過ごせるように。 」というコンセプトどおり、今後もお客様のニーズに応える商品の開発、居心地の良い空間づくり、おもてなしを追求していきたいと思っています。そのうえで、ポン・デ・リングはもちろん、数多くのドーナツ商品を通し、新しいおいしさと楽しさをお届けしていきたいと思っています」

取材・文=松田義人(deco)

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