55歳までシングルで自由奔放に生きてきたギャグ漫画家の渡辺電機(株)さんが、2人の子供を持つシングルマザーと結婚。ある日、娘2人の父親になった。そして翌年、長男が誕生。死ぬまで独身だと思っていたはずが、一気に5人家族へ！迫る寿命に怯えながらも育児に奮闘する渡辺電機(株)さん(@w_denki)の実録漫画『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』より第13話を紹介するとともに、父親が育児に参加することについて話を伺った。
■渡辺家の現在は、還暦パパの子育て奮闘記へ
現在、渡辺電機(株)さんは、12才、9才、3才の子育て中。55歳でステップファミリーになり、56歳に長男が生まれて3児の父にーー。結婚をきっかけにあれよあれよと生活が180度一変！そんな大変さをギャグに落とし込むコミックエッセイをAmazon Kindleで「還暦子育て日記」として公開している。
■育児に正解はない？友達にオゴるのは処世術？アリかナシか
大阪に住んでいた8歳のアユちゃんは、母親と次女が東京に来るまで、渡辺さんと二人暮らし。4月から学校生活が始まったが、休みの日はずーっとYouTubeを見ている。大変よろしくない、と渡辺さんはアユちゃんを公園へ連れ出した。
渡辺家の家庭の事情は、父兄の間では知られていて、ママたちは渡辺父娘を見かけると気さくに話しかけてくれた。自由気ままにうろついていた一年前であれば完全に不審者だった渡辺さんは、父親というだけで一気にカテゴリーがファミリー枠へと移動した。
世界は何も変わっていない。自分がほんの少し変わっただけで、他人からの見方が大きく変わることに渡辺さんは驚いていた。ママさんたちは話が合うなんてもんじゃない、何から何まで知らないことを相談できる良き先輩である。
ーーママ友さんと仲良くする秘訣はありますか？
言ってみればほぼ全員が人妻なので、特定の方と仲良くなり過ぎないように気を使ってはいました。派閥に入れられるのもイヤだし。子どもたちに好かれて、自然に受け入れられた感じでしょうか。
渡辺さんが公園でママ友と話していると、アユちゃんは学童で同じ友達と遊び始めていた。渡辺さんは、不思議と子供には人気で「アユちゃんパパ」と認識しただけで、何故か笑い出してしまうほどだ。
そんなアユちゃんに「お仕置きだ！」と、抱っこしてぐるぐる回転させると、「私もやって」「やってやって」と、順番待ちに。
ーーお友達と渡辺さんが一緒に遊ぶのは、どのような感じですか？
さすがにアユ抜きで遊ぶことはしませんでしたが、同じ目線でやり取りして、対等に会話してやると、スッと仲良くなれました。グイグイ来るお父さんは珍しかったみたいです。
気がつくと、アユちゃんがお菓子を食べていた。友達のママにもらったのか、と思って聞いてみると「アユがおこづかいでオゴってあげたの」という。自分だけでなく友達の分も買ってあげたようだ。小学生が友達にお菓子をオゴる…「コレ良くねぇやつだよなぁ」と、渡辺さんは思った。
ーー結局アユちゃんが友達におごったのは一回きりでしたか？
とくに嗜めたりはしなかったのですが、二度とそういうことはありませんでした。相手の子が親に怒られたかも知れません。ちなみに、オゴられた子は、本作の単行本をお小遣いで買ってくれたらしいです。
「オゴらないと遊んでくれなくなっちゃうぞ」と、アユちゃんに注意するが「大丈夫だよー」と彼女はどこ吹く風。そこから渡辺さんは、アユちゃんが早くクラスに馴染めるよう、自分が率先して子供達と馴染むように努めたという。
画像提供：渡辺電機(株)(@w_denki)
