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スーパー玉出に並ぶ謎の商品「たれご飯」シリーズって何?149円で買える“具がない丼”が生まれたワケ

  • 2022年12月20日
  • Walkerplus

大阪にある激安スーパー「スーパー玉出」。「ダサかわいい」と話題になったエコバッグやロゴマーク入りのオリジナルグッズ、冬には“流氷の天使”と呼ばれるクリオネを販売するなど、SNSを賑わせ続けている大人気スーパーだ。

現在38店舗あるなかで、通天閣にほど近い「スーパー玉出 恵美須店」にちょっと変わった商品が並んでいるとの情報が。その名も「たれご飯」シリーズ!「たれご飯」とは一体?どんな味がするの?商品開発の裏側を直撃した。

■注目度急上昇の「たれご飯」シリーズとは?
「スーパー玉出 恵美須店」は、大阪・地下鉄堺筋線の恵美須町駅から徒歩すぐ。近くには大阪のシンボル・通天閣があり、なにわ情緒にあふれたエリアに位置している。

大阪府下と兵庫県に38店舗あり、ほとんどの店舗が24時間営業。恵美須店も24時間営業しており、夜遅くになっても客足が絶えることがない。店内には、スーパー玉出の名物であるネオンサインもギラギラ!「これを見たい」と遠方から足を運ぶ観光客もいるほどだ。

今回お話を伺ったのは、スーパー玉出を運営する株式会社フライフィッシュの取締役・國枝尚隆さんと、商品開発を担当するデリカ部の小林勝彦さん。2022年11月にはテレビ番組『マツコ×モモコのすっっっごい大阪』(MBS)でも紹介され、SNSがざわついたこの「たれご飯」シリーズ。現在、うなぎ、焼き肉、天丼のたれご飯がそろうが、一体どんなきっかけで誕生したのだろうか。

「実は、以前から花園店限定で『うなぎたれご飯』を販売していました(現在は不定期)。土用の丑の日用に作ったものですが、意外にも人気があったんです。丼は乗っている具材が重要なのに、これには具材がない。“たれがかかっただけのご飯”という発想のおもしろさもあって、テレビ取材を受けたんです。その時、『これをシリーズ化したら面白いのでは?』と思い、私の理想の味をメモしておいたんです。それは、うなぎ、焼き肉、そして、すき焼きのたれご飯でした」と振り返る國枝さん。

その後、会議で顔を合わせた商品開発担当の小林さんと雑談をするなかで、寝かせていたアイデアを思い出した國枝さんは「焼き肉のたれご飯を作ってもらえませんか?」とお願いしてみたそうだ。

小林さんは「おもしろいですね!さっそく作ってみます!」と即答。「でも、普通に焼き肉のたれをご飯に混ぜるだけではだめだ、焼き肉の味が想像できるようにしなければ…と試作を重ねました。単純そうに見えて、実は企業秘密がいろいろと詰まっています」と教えてくれた。

完成した「焼き肉たれご飯」は物珍しさもあって、どんどん売れた。それを見た國枝さんは「2種類あるんだったら、3つ目をどうしても作りたい。そうすると、念願の“たれご飯3兄弟”ができる!と思ってしまって」と笑う。「できませんか、もう1種類だけ…」とお願いしたら、1カ月後に3つ目の「天丼たれご飯」が爆誕!

「うなぎ、焼き肉とくれば、日本人が慣れ親しんできた“天丼”だろうと思いました」と小林さん。こうして、國枝さんの夢であった「たれご飯3兄弟」が誕生した。ちなみに、3種類すべてを販売しているのは恵美須店のみだ。

「試作の段階で、やはり丼がイメージできるように、うなぎや焼き肉などの具を入れたり乗せたりしたほうがいいのではないか?と思ったこともありました。でも、それではやっぱりおもしろくない。たれだけでいかにその味を想像させられるか、それが大事。それが玉出らしさですから」と小林さんは当時の気持ちを語る。

「ネット通販でなんでも家に届く時代に、わざわざスーパー玉出まで足を運んでくださるお客様に向けて、私たちは、店に来るからこそおもしろいものを提供していきたい。1円セールも安さもネオンもそう。お金を払って買うだけじゃなく、楽しいものを見せていきたい。だからたれご飯を増やしていったんです」と國枝さん。

では「長男、次男、三男という呼び名を付けたのは誰ですか?」と問うと、「実は、スーパー玉出のテレビCMに登場いただいている大阪のアイドルグループ『カラフルスクリーム』のみなさんに差し入れしたとき、感性豊かな彼女たちが3つのたれご飯のことを、長男、次男、三男と呼んで楽しそうに食べてくれたんです。それを見て、スーパー玉出でも発売順に『うなぎたれご飯』を長男、『焼き肉たれご飯』を次男、『天丼たれご飯』を三男、と認定しました」と教えてくれた。

こうしてたれご飯は人気商品に。テレビ番組にも登場し、SNSでもどんどん広まっていったのだ。

■たれご飯を実食!甘いたれが米を包む「うなぎたれご飯」
ここからは、「たれご飯3兄弟」を詳しく解説していこう。國枝さん、小林さんのコメントに加え、筆者が実食した感想も記してみた。まずは長男の「うなぎたれご飯」(149円)から!

【小林さんの推しポイント】
「味付けはシンプルに、うなぎのたれを使用しています。ポイントは、たれを混ぜるタイミング。ある程度粗熱が取れた炊き立てのご飯でないと、味が染み込みません。うちには熟練の職人がおり、たれとご飯を丁寧に混ぜ合わせていますから、均等に味が染みわたっていますよ」

【國枝さんの推しポイント】
「スーパー玉出は昔から、おにぎりや白米に明太子やおかか、昆布などを乗せた『色ご飯』に力を注いできました。ご飯ものはいわば当社の伝統の商品。職人技をぜひ味わってほしいですね」

【ライターが実食!】
「まったりとした甘みと香ばしい香り!たれにオイスターエキスやサバエキスが含まれているので、魚介の旨味と深い味わいがあるのも頷けます。さすがロングセラー商品、安定のおいしさです」

■あっさりキムチが焼き肉感を上げる「焼き肉たれご飯」
続いて、2022年9月に誕生した次男「焼き肉たれご飯」(149円)のおいしさに迫ってみよう。

【小林さんの推しポイント】
「『うなぎたれご飯』と同じく、白米に対して10%の焼き肉のたれを合わせています。でも、より焼き肉らしくするために、実は独自で作ったニンニク醤油で風味をつけているのです。ニンニク醤油は、多すぎても少なすぎてもだめ。この配分は企業秘密です(笑)」

【國枝さんの推しポイント】
「これ、とてもおいしくて、私もよく買って帰ります。149円のパックに、工夫が詰まっているんですよね。こちらのキムチは、有名焼き肉店のものを使用しています。恵美須店でも惣菜コーナーで販売していますよ」

【ライターが実食!】
「ふたを開けた瞬間にキムチの香りがふわり。ご飯全体にたれの旨味がしっかり感じられて、食べ応え満点です。しかもこのキムチ、辛味のなかにしっかりと酸味があり、歯応えはシャキシャキ。ご飯にのせて食べると酸味、辛味、ご飯の甘味が1つになって、味変も楽しめます。ほんの少しのキムチが味の広がりに一役買っています」

■まさかの天丼感!その秘密は…?「天丼たれご飯」
最後に、2022年10月に誕生した三男「天丼たれご飯」(149円)のおいしさを紐解こう。天丼らしさを作り出したのは、とある素材。これは、ただのたれご飯ではない!

【小林さんの推しポイント】
「味付けには、天丼用のたれを少し多めに使いました。しかしそれだけでは物足りなかったので、隠し味に天かすを入れることを思いついたんです。脂っぽくならないように工夫をしています」

【國枝さんの推しポイント】
「味を濃くして、天かすを入れ、天丼らしさを出していたとは本当に驚きました。発売当初、1番反響があったのがこの天丼たれご飯です」

【ライターが実食!】
「ひと口目から、もうびっくり!具がないのに、天丼の風味がするんです。その理由が天かすだったとは。確かによく見るとご飯のなかに天かすらしきものを発見!」

■3つの味が1つになった「たれ3兄弟ご飯」が新登場!
こうして3種類のたれご飯がそろったわけだが、2022年11月10日に最新作が誕生した。その名も「たれ3兄弟ご飯」(181円)!なんと、3つの味が一度に味わえる全部入りだ。

國枝さんは、「1パックは210グラムあって、おにぎり2個分あるんです。私自身、3種類同時に食べたいけど食べきれなかった。だから、『1つのパックに入れてもらえませんか?』と小林に頼んでみたんです。それがかなったのが、この『たれ3兄弟ご飯』。人気争いをしていた『たれご飯3兄弟』が仲直りして、1つになりました(笑)」と解説してくれた。

■一緒に買って帰りたい!たれご飯によくあう、ぴったり惣菜って?
スーパー玉出といえば、おかずや弁当、寿司など、個性豊かな惣菜が多いことでも知られている。そこで、たれご飯と一緒に食べるとおいしいおすすめ商品を聞いてみた。

「ぜひ味わってほしいのが、『浪速の肉吸い』(203円)と『大阪きつねうどん』(300円)です。どちらもご飯によく合う、自慢の味なんです」と小林さん。

・数量限定!濃厚だし×具だくさん!「浪速の肉吸い」
「これはスーパー玉出のオリジナルです。1日15個限定なのですが、あっという間に売り切れてしまう人気商品なんですよ」と小林さん。

【ライターが実食!】
「肉吸いが気軽に買えるスーパーって、関西でも珍しい気がします。濃厚なダシに甘く煮た牛肉から甘味が溶け込み、そこに温泉玉子の黄身がとろ~り。豆腐も大ぶりで、食べ応え満点です。これには、ダシとご飯の甘さがマッチする「うなぎたれご飯」、甘辛いご飯をまろやかなダシが包み込む「焼き肉たれご飯」が相性抜群。こってり好きにおすすめです」

・大きな揚げが2枚もど~ん!「大阪きつねうどん」
「ご飯ものには、麺類もよく合います。当店のきつねうどんには、丼いっぱいの大きな揚げを2枚も乗せています」と小林さん。確かにこれは豪快!

【ライターが実食!】
「カツオ風味の甘めのダシに太めのもっちり麺、インパクトのある大きな揚げ。きつねうどん単品としても、存在感があります。これには『天丼たれご飯』がおすすめです。ダシとたれの風味の掛け合いが別の旨味を生み出してくれますね」

■高級食材やデザート、モーニングセットまで⁉ほかにも注目惣菜がいっぱい!
こうしてスーパー玉出の「たれご飯」シリーズを紹介してきたが、ほかにも注目商品が目白押し。気になった商品をピックアップしておきたい。

まずは、激安スーパーらしからぬ価格で逆に目を引く「牛サーロインステーキ重」(613円)。2022年秋の新作として登場した数量限定商品だ。実は、サーロインを使ったメニューを取り扱う店舗もあり、各店舗の売れ筋に合わせて弁当や丼に加工しているという。

また、ロールパンにソーセージ、ゆで卵にコロッケやポテトサラダなどをワンプレートにセットした「スーパー玉出のモーニングセット」(138円)というアイデアメニューもある。「こちらも1日20個限定。8年前からあるロングセラーです。売場には食材が全部そろっているので、朝ご飯にぴったりなものを組み合わせたら?という発想ですね」と小林さん。ニッチな視点でワクワクさせてくれる、まさにスーパー玉出らしい商品だ。

そして、甘いものが欲しい時には「たいやき(小倉あん)」(116円)を買って帰ろう。1パック4個入りでサイズも小ぶり。あんはしっかり甘く、素朴なおいしさだ。

長年の知恵と工夫とアイデアで、斬新な商品を生み出し続けるスーパー玉出。「今後はどんなものを考えていますか?」と國枝さんに聞くと…。

「『たれ3兄弟』シリーズの女性版を作りたいんですよね。何か考えるので、小林と協力して実現させたいと思います!」

スーパー玉出の惣菜売場に「3姉妹」シリーズが並ぶ日はそう遠くない⁉発売を楽しみに待とう!

取材・文=田村のりこ

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。
※商品の情報や価格は2022年11月時点のものです。

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