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【信長に仕えた初の“黒人武士”】奴隷から武士となった黒人・弥助の生涯を描いた漫画が話題

  • 2022年10月2日
  • Walkerplus

織田信長に仕えていたという黒人武士・弥助。奴隷として仕え、武士として本能寺の変を迎える、数奇な人生を送った弥助の生涯を描いたYouTube漫画が話題を集めている。
【※注意】漫画の大筋は史実通りですが、創作あり、諸説あり、の内容となっています。


日本史や世界史のさまざまなエピソードを漫画化し、YouTubeに投稿している徳永サトシさん(@tokunaga0621)。興味深いエピソードとわかりやすい解説が注目を集め、動画投稿を初めて3年ほどで登録者数は10万人を超える人気の漫画家だ。

本作、「黒人武士・弥助の生涯~奴隷から信長家臣へ~」はイエズス会の宣教師に仕えていたアフリカ出身の黒人奴隷の話だ。宣教師に連れられ、信長と初対面した彼。信長は彼の肌の黒さや「10人力の剛力」とまで言われる力の強さを気に入った信長は、彼を自身の部下として迎え入れる。

黒人奴隷だった彼は、信長から弥助と名付けられ、正式な身分も与えられた。多少の日本語が使えたこともあり、信長は好んで弥助の話を聞いたという。奴隷として生きてきた弥助は、親身に話を聞いてくれる信長を信頼していった。

そんな弥助は信長に連れられ、戦に参戦するようになった。それからしばらくして、本能寺の変が起こる。1万の兵で本能寺を取り囲んだ明智軍に対し、信長軍は数十人程度。事態を悟った信長は、息子・信忠に謀反を伝えるよう、弥助に命じた。

信忠に事態を伝えた弥助は明智軍と対戦。しかし、信長と信忠は自害し、本能寺の変は幕を降ろす。残された弥助は覚悟を決め、刀を明智軍に渡すが、光秀は「このものは人間ではない。動物と同じで何も知らない。殺す必要はない」と言い、弥助を南蛮寺に送ったという。

南蛮寺に送られた後の弥助の消息は分かっていない。キリシタン大名・有馬晴信に仕えたという説や、故郷に帰ったという説も残されている。

動画を見たユーザーからは「差別され続けた弥助にとって人種問わず家臣にしてくれた信長は最高の主君だったんだろうな」「最後まで仕えさせて信頼したからこそ弥助も応えたのかな」と信長との信頼関係に感心する声が寄せられた。

黒人奴隷として日本に訪れ、武士として信長に仕えた弥助。故郷に帰ることすら命懸けの時代に、無事に故郷に帰れていたと願いたい。

そんな弥助を取り上げた理由について、作者の徳永サトシさん(@tokunaga0621)に話を伺った。

■日本に黒人の武士がいたというインパクトから漫画に 弥助にとっての幸せを考えた

――弥助を取り上げた理由を教えてください。

【徳永サトシ】戦国時代の日本に黒人の武士がいた、というインパクトから漫画にしたいと思いました。信長とのエピソードも面白く、漫画にしやすそうと思ったのも理由の一つです。

――弥助のことを勉強されたと思いますが、弥助のどんな部分に魅力を感じましたか?

【徳永サトシ】異国の地で活躍するたくましさに魅力を感じました。弥助は日本人離れした体格と腕力で周囲の人々を驚かせました。「牛のように黒き身体」「十人力の剛力」とまで評されていたようです。異国の地でその身一つで活躍する様は、巷で流行っている異世界転生ものを彷彿とさせる爽快感があります。

――ラストでは「故郷に辿り着いた説が好き」とありますが、その理由を教えてください。

【徳永サトシ】故郷の地で自由に生きていて欲しいと思ったからです。これは弥助に限らないことなのですが、漫画を描いているとその人物に感情移入して好きになってしまうことが多いんです。そのため、諸説あって事実が不明確な時はその人物にとって幸せな方を妄想してしまいます。

「異国の地で暮らす」のと「故郷に帰る」のとどちらが弥助にとって幸せなのかを考えた時に、個人的には「故郷に帰る」方が弥助の幸せに繋がるのではないかと思い「故郷に辿り着いた説が好き」と書きました。あくまで私の主観であって、弥助がどう考えていたのかは想像するしかありませんが(汗)。




取材協力:徳永サトシ(@tokunaga0621)

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