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「私は墓です」“お盆”にだけ鎮座して家族を待つ御先祖様!「今から会いにいきます」「本当にそうだといい」と共感のコメント集結

  • 2022年8月14日
  • Walkerplus

地域によって違いはあるが、「お盆」はご先祖様が現世に魂が帰ってくる期間と言われている。お墓参りに行ったり、灯籠流しや迎え火などさまざまな風習があるが、いずれも先祖を供養するために行う。今回はそんなお盆のお墓参りを描いた泉紗紗(@sasa_iky)さんの「孤独死したおっさんが、妻と娘が墓参りに来てくれるのを待ち続けてる話」を紹介する。



■お墓の上で待ち続けている御先祖様
お墓の上に鎮座するおじさんが「初めまして、私は墓です」と、語りで始まるなんともインパクトのある始まり。享年58歳の支島知郎が、主人公だ。よく見ると霊園には多くの故人がお墓参りを待っている。いわゆるご先祖様が現世に魂が帰ってくる「迎え盆」の時期のようだ。

お盆の期間にはお供物の中にキュウリを馬、ナスを牛に見立てた「精霊馬」(地域によって異なる)を飾っており、それに乗って霊は戻っていくとされている。お墓入りにきた家族と一緒に戻り、わずかな時間をともに過ごす。

しかし、支島の墓には一向に家族が訪れる気配はない。なぜなら、離婚した妻は再婚してサンフランシスコに移住してしまったからである。それでも、支島は妻と娘が会いにきてくれることを心待ちにしていた。

忙しさにかまけて家族を蔑ろにしてしまった支島の過去。そんな孤独な男性が救われる結末に、本作を読んで「お墓参りに行ってきます」「こうしてお墓で待っていてくれるといいなと思う」など、たくさんのコメントが届いている。

■温かい気持ちになれる結末に9.1万いいね集まる!
お墓が遠いからと久しくお墓参りに行っていなかった人も、本作を読んで「すぐに行ってきます」と言う。毎年のお盆に思い出せる漫画を描いた泉紗紗さんにインタビューした。

――お盆の時期になると、ふと思い出すような漫画だと思いました。本作を描いたきっかけは何ですか?

この漫画は、私がまだプロになる前に短期間漫画の専門学校に通っていた時期に出た最終課題でした。ちょうど、8月頃だったと思います。好きなものを描いていいと言われて、時期がちょうどお盆だったので、お盆にまつわる話を描いて原稿にしようと思ったのがきっかけでした。その後、ある出版社の編集さんの目に留まり、その会社の雑誌で小さな賞をいただきました。

――現時点で(8月8日)9.1万いいね、3.5万リツイートです。すごいバズ漫画になりましたね。本作の裏話があればお伺いできますか?

ありがとうございます。この漫画は前述したように、専門学校の課題でした。ちょうどその頃、祖母の介護の手伝いもしていまして、死に関わることも意識はしてたんだろうなとも思うのですが。ネームに起こした段階では、終わりが全く違うもので、死に対して抵抗があったのか無理やり明るい終わり方にしていました。

そのネームを読んでもらった学校の先生から「もっと良くなるよ」とアドバイスをもらって、今の終わり方になりました。先生からもらった意見を取り入れて、良い作品にできたんだなと改めて思いました。原稿を描いていた時は、懐かしい雰囲気や自分がお盆にお墓参りに行った際に感じた情景をできるだけ取り入れて描きました。

――「初めまして、私は墓です」の出だしが強烈でした。初めはギャグ漫画なのか?と思って読み進めました。すごくキャッチーですね。

墓石に名前が刻まれるというのが、人が座ってたら面白いよな…という思いつきで出だしのイメージがパッと出ました。面白そうと思って次のページをめくってほしいと思って描いたので、ギャグ漫画なのか?と思って読んでいただけたのは嬉しかったです。

――現世に後悔を残した人も救われる漫画になっていて「温かい気持ちになれた」とコメントがたくさん寄せられていますが、作者としていかがですか?

温かい、ほっとするような漫画を描ける人だと編集さんにも言われているので、私の得意とする分野なのかなと。私自身はあまり自覚してないのですが(笑)。商業では全ページ掲載されなかったので、このような形で日の目を見れて、いろいろな方に読んでいただけて本当によかったです。

――現在はどんな漫画を描いていますか?

現在は、次作の連載に向けて制作中のため、まだ公表は出来ないのですが、新しいジャンルと世界観に挑戦しております。公開された際にはお知らせさせていただきますので、皆様どうぞ今後も応援いただけましたら嬉しいです!



取材協力:泉紗紗(@sasa_iky)さん

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