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【孤独死した男】死んだ男の後悔をリカバリーするのは誰?最期まで「父親らしくありたい」と願う行動にじわりとくる感動作!

  • 2022年8月6日
  • Walkerplus

長期休暇でゆっくり過ごしたい人におすすめ!ウォーカープラス夏の特別選。今回は、第79回ちばてつや賞で準優秀新人賞受賞した中原ろく(@rokurockvi)さんの『小人の住処』を紹介する。


■孤独死した男性の体を乗っ取る小人!?
本作は、小人の世界を描いた漫画。題材として実に珍しいが、「私は元々微生物など小さい生き物や身体の中に興味があり、これらをなんとか題材にできないかなと思っていた時にたまたま童話の『小人の靴屋』を見てひらめきました」と、著者の中原さんは語る。

小人たちは人間の死体を奪い、壊れた部分を修復して再起動させる。すると、まるで人間として生活しているように見せかけることができるのだ。家族のいない遺体はしがらみがなく、小人にとって好都合だった。

しかし、体を再起動してしばらくすると男の住まいに「娘」だと名乗る女子大生が現れた。男の体を操作する司令室の「シノ」は、娘と過ごすうちに孤独死した男性の過去を知る。

仕事も家族も失くしてしまった男には「もう一度やり直したい」という思いがあった。そして小人は男の“後悔“に強く共感し、最後は家族らしい形で完結。「父親のキャラクターのような人が少しでも報われてほしいという気持ちで描きました」と、中原さんはいう。この著者の思いが、本作の大きな感動への道筋となっている。

「始まりは講談社の漫画投稿サイト『DAYS NEO』に、ある漫画を投稿したことです。ヤングマガジン編集部から担当希望をいただき、その担当さんと今回の『小人の住処』を制作。ちばてつや賞に応募するという流れでした」(中原さん)。本作が、漫画家として大きな一歩を踏み出す転機となった。

Twitterに投稿すると16.6万のいいね(2022年7月28日時点)が集まり「小人なのに、人よりも人らしい!」「感動した!」「心にしみた」とコメント欄は大反響。いわゆるバズ漫画となった。また、中原さんの作品は、一家惨殺された少年を救う女子高生の短編漫画など、本作のほかにも感動作が多い。


現在、中原さんは双葉社の漫画アクションにて『死にたいと言ってください―保健所こころの支援係―』を連載中。保健所の新人職員が「死にたい」と悩むさまざまな人の相談にのりながら、社会問題にも向き合っていく漫画だ。こちらも「気分が落ち込んでいる時に読むと救われた」など、読者の声が届いている。

取材協力:中原ろく(@rokurockvi)

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