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おなじみのロングセラー商品はプチ化実現ならず…「プチシリーズ」“プチ”ならではの開発秘話

  • 2022年7月29日
  • Walkerplus

子供から大人まで年齢問わず親しまれている「ブルボン プチシリーズ」。ひと口サイズで無駄なく食べ切れる手軽さが魅力で、甘い系はビスケットやラングドシャ、スナック系はせんべいやポテトチップスなど幅広い味わいが網羅されているのがシリーズの大きな特徴だ。

1996年から発売されて25年以上愛され続けている人気商品だが、あれだけのバリエーションを販売し続けていくためには、きっと苦労も多いはず。気になる開発秘話を、株式会社ブルボン 広報管理課の担当者に聞いた。

■“ちょうどいい”を目指して誕生したプチシリーズ
食べ切りやすいサイズに100円程度で買える価格など、スーパーやコンビニで見かけるとつい手が伸びてしまう手軽さは、子供のおやつや忙しい毎日のちょっとした息抜きにもってこい。そんなプチシリーズが誕生した背景には、実は人々の「個食化」が進んでいるという実情があった。
 
「プチシリーズが発売された1996年は、核家族化やライフスタイルの多様化に伴って人々の食生活がだんだん変化していった時代でした。そこで携帯性が高く、どこでも気軽に無駄なく食べることができる商品を開発しようと考え、このシリーズができました」

お目当ての味をおやつやおつまみとして食べるのはもちろん、いろんな種類を選んでシェアできるのも楽しいポイント。日常のあらゆるシーンでの“ちょうどいい”を目指して開発されており、時代とともに変化するニーズに絶妙にマッチしている。

「品揃えに関しては、どのような種類や味が求められているかを考え、お客様の味の好みの傾向や市場の動向を調べながら開発しています。お客様に新しい発見をしていただき、選ぶ楽しさが増えるような味をいつも模索していますね」

現在は定番商品として24種類を販売していて、その内容は定期的に変更される。そのなかでも「プチポテトうすしお味」「プチチョコチップ」「プチチョコラングドシャ」が特に人気だそう。そして24種類を展開していることにかけて、2019年には毎月24日が「ブルボン・プチの日」に制定された。

■100回以上の試食も⁉︎“プチ”ならではの苦戦
プチシリーズは24種類の定番商品が販売されているが、実はこれまでに発売した商品は350種類以上に及ぶんだとか。例年9月頃と3月頃に定番商品の入れ替えが行われ、そのたびに新しい味が増えている。

2022年3月にはビスケット商品で「プチ焼きポテト」「プチクランチアーモンド」「プチプレッツェルガーリックオニオン味」、米菓商品で「プチじゃこっと柚子」「プチマヨっと七味」、スナック商品で「プチポテトピリチキ味」が新発売。定期的に商品の入れ替えがあるが、そのたびにアイデアを出さないといけないため、開発にはとても苦労しているのだという。

「当社のロングセラー商品のプチシリーズ化にも挑戦したこともありますが、生地の大きさや食感などが理由で実現できませんでした。また、市場調査からニーズを考えて商品化していますが、設備の関係で難しい場合もあります。1つの新しい味を作るだけでもとても大変なんです」

試作はできても工場での生産が難しいなど、商品化まで至らないことも日常茶飯事だという。商品によって異なるが、新商品は100回以上試食を繰り返すことも。さらにプチシリーズならではの工夫や苦労するポイントもある。

「縦長のパッケージは携帯性に優れていますが、ビスケットやおせんべいなどを重ねて入れているため、割れたり欠けたりに弱いのが難点です。そのため、パッケージに入れた時に割れたり欠けたりしないよう、試行錯誤を繰り返しています」

また、味わいについても一度で食べ切れるくらいの連食性のある味になっているなど、私たちが何気なく食べているプチシリーズは、実は開発陣の多大なる努力と工夫からできているのだった。

■人と人とを繋ぐお菓子を目指して
“ちょうどいい”とは、背伸びをして贅沢や非日常の特別感を味わうことと同義ではない。おいしいお菓子を食べてリフレッシュしたり、会話を楽しんだりする、日常生活の“ちいさな幸せ”のような存在ではないだろうか。プチシリーズは私たちの日常に寄り添うお菓子を提供し続けてくれている。

「お菓子には、人の心を優しくしたり豊かにしてくれる不思議な力があります。人と人とのコミュニケーションや会話の真ん中にお菓子があることにより、お互いの距離感が縮まり親しみやすさの醸成に繋がると考えています。これからも『おいしさ、思いやり、いつもいっしょに。』のキャッチフレーズのもと、『心と体の健康づくり』をテーマに、多くの笑顔をつくり出す商品開発に取り組みます」

過去にはプロ野球の球団別に対応したプロ野球プチが発売されたこともあり、これからは地域限定のコラボやターゲットを絞り込んだ特別なプチシリーズも考えていくんだとか。“おいしいを届けたい”という探求心のもと、進化し続けるプチシリーズの今後に注目だ。

甘い系も、スナック系も、幅広い年代から親しまれる豊富なバリエーションが楽しいプチシリーズ。全種類食べ比べ、お気に入りの味を見つけてみては?

取材=福井求(にげば企画)
文=永田奏歩(にげば企画)

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