サイト内
ウェブ

【漫画】好きな人を照れ隠しで振り払ったら「指3本もってかれた」 ヒロインは“ゴリラ女子高生”の衝撃的ラブコメ誕生のワケ

  • 2022年2月18日
  • Walkerplus

片想いの相手に肩を叩かれ声をかけられた!ドキッとしながら照れ隠しでその手を払ったら、彼は「今の一瞬で指3本もってかれた」……。見た目もパワーも文字通り「ゴリラ」の女子高生がヒロインのラブコメ漫画に注目が集まっている。

漫画家の大友しゅうまさん(@ranpan21)が、「ジャンプ+」で連載中の『ゴリラ女子高生』。“世界一乙女な女の子”の五里うららを主人公にした学園コメディで、自撮りやファッションにこだわったり、友情や恋、はたまた三角関係といったラブコメならではの展開に、ゴリラな身体能力や、うららに負けず劣らずエキセントリックなキャラクターたちが生みだすギャグがふんだんに織り交ぜられた作品だ。作者の大友さんが自身のTwitterに作品を掲載した際にはいいねが9.1万件を超え、「むちゃくちゃ過ぎて好き」「ぶっ壊れ恋愛漫画」と、豪快でキレのあるギャグが多くのユーザーの笑いを誘った。

一見突拍子もない作品にも見える本作だが、大友さんはこれまでにもゴリラを主人公にした漫画を制作したり、大学の卒業制作の題材にゴリラを選んだりと、ゴリラに対する愛がほとばしる人物。今回は大友さんに本作が生まれたきっかけや、ゴリラという動物に対する思いを訊いた。

■「ゴリラ×女子高生」の鬼ギャップでアイデア爆発
――「ゴリラの女子高生ヒロイン」というアイデアはどんなところから生まれたのでしょうか?

「美術予備校の講師のバイトをしてる時、『ゴリラに組み合わせたらギャップが生まれるモノないかな?』と、次に描く漫画の構想を考えていて、ちょうど目の前にいた女子高生を掛け合わした瞬間、僕の頭の中が爆発したんです。アイデアが爆誕した瞬間でした。以前描いていた、ゴリラをイケメンにしたキャラも『我ながらギャップがあるな?』なんて考えていましたが、それとは比にならない鬼ギャップ。これは描かずにはいられないと」

――主人公の五里うららをはじめ、尖ったキャラクターが織りなす勢いあるギャグ、バトル漫画風の展開、王道ラブコメ要素と、本作にはさまざまなエッセンスが感じられます。ご自身では話作りについてどんなところを軸に考えられているのでしょうか?

「まず根本にギャグがあります。そこに『バトル』『少女漫画』『ホラー』のうち、どれかの要素を掛け合わせて作っています。例えば、第2話(「おもしれ~女」)でこれを説明すると、桜井くんの指がバキバキに折れるのは、少年バトル漫画的な表現。ラストの『おもしれ~女』は、少女漫画でよくあるセリフ。それらを『ここでそれやるんかい!』みたいなタイミングで使い、ギャグに落とし込んでます」

■ゴリラは「命の恩人」、最高のモチーフとの出会い
――大友さんは「イケメンすぎるゴリラ」など、これまでの作品でもゴリラを題材に選ばれています。ゴリラにこだわるようになったきっかけは?

「ゴリラが自分にとって最高のモチーフだったんです。これを説明するのは長くなるのですが、端的に言うと、表情を描いて人を笑顔にしたいという欲求があって、それを満たしてくれる手段として、ゴリラに表情をはめ込むという行為がガッチリとハマったからです。そして、ゴリラは命の恩人なんです」

――「命の恩人」というのは?

「東京芸術大学の受験に失敗し、3浪してどん底だった僕にゴリラは手を差し伸べてくれました。3浪目、メンタルがやられて予備校に通えなかった闇の期間に、僕はLINEスタンプを作り始めます。予備校代の足しになればいいなと…。試行錯誤の末、ゴリラスタンプが出来て、それが運良くヒットしました。そのことで、また受験に挑戦する自信に繋がったのです」

――ゴリラをテーマにしたスタンプ作りが転機になったんですね。

「それに今まで彫刻科を受験していたのですが、LINEスタンプの経験を経て、『絵のように平面的な物の方が、ネットに載せて拡散させやすい。自分のやりたいことは、こっちだ!』と気づき、油絵科に転科。おまけにゴリラは、『ほら、これで大学行ってきな』と予備校代と大学の学費まで与えてくれました。ゴリラが、塞ぎ込んでいた僕の視界をパーッと明るく切り開いてくれたようでした。これはもう命の恩人と言わざるを得ません」

■「世界一共感できるゴリラ」から一人の女性としてブレないキャラクターに
――大友さんにとってゴリラの魅力はどんなところにありますか?

「人間で描いた顔より、ゴリラでやった方が、なぜか1.5倍面白さが増す気がするところです。不思議です」

――一方、うららはゴリラな見た目でありつつ、10代らしい内面もしっかり描かれていてバランス感覚を感じます。こうしたバランスはやはり意識されているところなのでしょうか?

「『可愛くなって好きな人と付き合いたい!』という女子高生なら誰でも持っているような欲求が、彼女の信念だからです。だからどんなにぶっ飛んだように見える行動も、そこに繋がるので、ブレないのかなと思います」

――ちなみに、「ゴリラ」を描く点でこれまでの作品とアプローチや考え方を変えた点はありますか?

「『世界一共感できるゴリラを目指す』をモットーに、初めの頃は作ってました。今ではもう、うららのことをゴリラとは思ってないです」

――また、作品作り全体で大事にしていることがあれば教えてください。

「まず作者である僕が、うららを一人の女性として失礼のないように扱うことです。その意識は、他の登場人物たちにも伝染して、このちょっと奇妙な世界が成り立っていると思っています」

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「漫画に真摯に向き合って制作したものは、ちゃんと読者にも伝わって、それがコメントとして返ってくるので、凄くモチベーションに繋がっています。なので読者の方には、とても感謝しています。ありがとうございます!」

取材協力:大友しゅうま(@ranpan21)

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2024 KADOKAWA. All Rights Reserved.