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「生理の貧困」の本当の意味を知ってほしい。フォロワーの体験談を漫画に

  • 2021年9月29日
  • Walkerplus

Instagramやブログで、フォロワーの体験談や子育て漫画を配信しているまめねこさん(@ma.me.ne.ko)。フォロワーから悩みを募り、一緒に考える場として「まめねこマンガ相談室」を設け、子どものこと、夫婦のこと、ママ友のことなど、身近な問題を取り上げている。ただ問題を提示するだけでなく、専門家を交えて解決策や予防策も紹介し、特に子育て中のフォロワーから支持されているようだ。

筆者がまめねこさんを知るきっかけとなった「『生理の貧困』を知っていますか?」を中心に、漫画を描き始めたきっかけや、どのような思いで「まめねこマンガ相談室」を続けているのかなどを、まめねこさんに聞いてみた。

■「自分だけじゃない」と共感し安心できる場に
もともと会社員だったまめねこさんは、2011年の東日本大震災をきっかけに夫婦共に脱サラし地方へ移住。その後はWEBマーケティング、ライティング、デザインなどを学び、現在はさらに田舎へ移住し、二人の男の子を育てながらフリーランスでWEBコンテンツの制作やライターとして活動している。

2020年3月からInstagramへ漫画を投稿し始め、それをきっかけに今は雑誌「FRaU」の公式WEBサイトでの記事執筆、Yahoo!クリエイターとしても活動中だ。「田舎に引っ越してきて4年。ママ友と呼べる人もおらず…SNSを通じて子育てのことを相談できる相手を見つけられたら、という気持ちで投稿を始めました」とまめねこさん。

「フォロワーさんから『自分だけじゃないと思えた』『私も頑張ろうと思った』というコメントをもらうと嬉しいです。コメント欄でフォロワーさん同士がアドバイスし合ったり、励まし合ったりしているのを見ると、温かい気持ちになります。私自身も親身なアドバイスで救われたことがたくさんあり、その恩返しのような形で始めたのがフォロワーさんのお悩みや体験談を漫画にすることでした。同じ悩みを持つ方にとっても、安心してつながってもらったり、役立ててもらえたりしたらいいなと思っています」

■誤解が多い「生理の貧困」
数多くの漫画を配信するなか、特に反響が大きかったのが「『生理の貧困』を知っていますか?」。この作品を投稿することになったきっかけは、一人のフォロワーから寄せられた「ママが生理中の時、子供と一緒にお風呂に入る?」という相談だったという。

「広く意見を聞きたいと思い、Instagramを通してフォロワーさんに質問しました。たくさんの回答が届いたなか、今回体験談を寄せてくださった方からのメッセージがありました」とまめねこさん。その体験談の送り主は、家庭環境により、生理用品が買えなくて苦しみ続けた経験から、一人でもそのような子どもを減らしたいと小学校へ生理用品の無料配布活動をしている。

当時、生理の貧困についてほとんど知識がなく、強くショックを受け、その送り主と何度かやり取りをしながら、1カ月ほどかけて生理の貧困の現状を調べたまめねこさん。

「『ナプキンを買えないのにスマホを持っているのはなぜ?』というように、疑問や誤解が多いということを知りました。そこで、教えていただいた体験談を漫画にすることで、少しでも生理の貧困が正しく伝えられたらと考え、その方に相談したところ快諾していただきました。反響は予想を超える大きさで、私と同じように『誤解していた』というコメントも多く寄せられました。漫画をきっかけにナプキンの寄付など、活動の輪が広がったこともありがたく思います」

悩みを抱える当事者は、そのことをオープンにするのが難しい場合もあるが、「一人でも多くの方がそれに気付き、声を掛けられる優しい世の中になったらいいなと願っています」とまめねこさんは話す。

■体験者への綿密なインタビューとチェックで正確な情報を
まめねこさんのInstagramやブログでは「『生理の貧困』を知っていますか?」の他にも、赤ちゃんのつめこみ食べの注意喚起を漫画にした「つめこみ食べで起きたこと」や、今の幸せがいつか崩れるかもしれないと恐れる「『幸せ恐怖症』を知っていますか?」、ママ友同士の関係性を描いた「ママ友が怖い。」など、子育てに関する漫画を多数配信中。

「私はあくまでも描き手なので、主観が入らないように気を付けています。心情は体験した方にしか分からないので、綿密にインタビューします。漫画はキャプションなど細かいところまで体験者さんにチェックしてもらい、繰り返しすり合わせをして事実とのずれを最小限にできるよう心掛けています。これからもフォロワーさんとのやり取りを大切にしながら、お悩みやシェアしたい体験談を漫画にしていく活動を続けたいと思っています」とまめねこさん。

知らない人同士が親身になってアドバイスや励ましを与え合える“優しい場”として、今後もまめねこさんの活動は悩める人の心の支えになりそうだ。

取材・文=重藤歩美(関西ウォーカー編集部)

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