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「お水、飲む?」に無表情で「いらん」など、柴犬あるあるが分かり過ぎてかわいい!

  • 2021年6月23日
  • Walkerplus

「#ここ柴部」でSNSに投稿された柴犬の写真の中から、“柴犬のここが好き”と共感できるものを選んでイラストにして配信している「柴犬のここが好き」(Instagram:@nsdikm_hanasora)。柴犬の何気ない仕草や「絶対に自分のことかわいいって分かってるやろ!」とツッコみたくなるきゅるるんな表情など、愛らしい姿が「かわいい!」「リアルすぎる!」と好評だ。今回は、中の人であるイラストレーターの西田万里子さんにインタビューし、イラストを投稿し始めたきっかけや柴犬への思いを聞いてみた。

■柴犬への愛は消えないと気付き活動開始
西田さんは、自称柴犬専門イラストレーター。両親と柴犬のこよみちゃん(もうすぐ7歳)と暮らしながら、普段は会社員として働いているという。

ここ柴部としての主な活動内容は、柴犬のイラスト投稿のほか、原画展での展示、イラストを使ったグッズの販売など。「2017年から、活動内容に同意していただいた方に『#ここ柴部』を付けて写真を投稿していただく仕組みをとりました。もちろん、参加の条件などはないですし、部費もありません(笑)」と西田さん。2014年7月に「柴犬のここが好き」シリーズの投稿をスタートしてから、2019年には「柴公園」というテレビドラマのエンディングや映画のエンドロールにイラストが採用され、同年には書籍も発売するなど活動の幅を広げている。

柴犬のイラストを描くきっかけとなったのは、西田さんが子供の頃に一緒に暮らしていた柴犬のハナとその子供のソラ。一人っ子だった西田さんは、ハナとはまるで姉妹のように育ったという。

「私がハナの世話をしていたつもりでしたが、今思えばハナの方がお姉さんで、私がハナに嫉妬したり本気でケンカしたりすることがあっても、泣いている時はそっと寄り添ってくれて懐が大きい犬でしたね。思春期は思い悩むことも多かったですが、ハナとソラに救われることがたくさんありました。本当の家族であり大切な存在だったので、亡くなってしまった後は体の一部が欠けたように喪失感でいっぱいでしたね」

ハナとソラが天国へ旅立ち、なんとなく柴犬と距離を置いていた西田さん。Instagramが流行り出した頃、柴犬のかわいい写真がたくさん投稿されているのを見て、その愛くるしい表情に「やっぱり柴犬が好きだなぁ」と再確認したそう。

「『ハナとソラもこんなことしてたなぁ』『そうそうこういう顔するなぁ』って、投稿されている柴犬の写真を見るたびに、ハナとソラの好きなところが鮮明によみがえってきました。当時は実家から離れて一人暮らしをしていたので、柴犬のかわいさを共有したくて母にもインスタを始めるよう勧めました。母もハナとソラの思い出写真を投稿して楽しむようになりました」

何かを発信することへのおもしろさを感じつつも、ハナとソラの写真を投稿し続けるのは限界があると思っていた時、転機となったのはあるゲームだったという。

「インスタで知り合った方と『どうでもいいことをすごくきれいな文字で書いて送りあう』というゲームをしていて、その延長で『柴犬のここが好き』って書いて小さなイラストを添えたんです。それが思いのほか好評で、そのあとも何度か『柴犬のここが好き』を書いているうちに、『柴犬の好きなところはあげだしたらきりがないぞ』と思うようになり、シリーズとして投稿することになりました」

■柴犬一匹一匹の個性を大切にしたい
現在、「#ここ柴部」が付いた投稿は39万以上もあるそうで、「予想外の多さに驚いています。かわいい仕草やおもしろい表情、決定的瞬間など大切なお写真にタグを付けていただき、ありがとうございます」と西田さん。

柴犬のイラストを描くときのこだわりを聞いてみると、「どんな構図であっても『鼻』から描くこと。鼻の位置を間違えると、イラストが紙の端っこに完成してしまったり、耳先や足先まで入らないこともあります。また、柴犬独特の『白』『黒』『茶』を表現すること。白柴、黒柴、赤柴、胡麻柴と毛色がさまざまですが、どの色の柴犬にも必ず白、黒、茶の要素があるんです。単なるその色ではなく、重ねて重ねて柴犬の色にしていくことにはこだわっています」とのこと。細部まで表現したいという熱い気持ちから、柴犬への愛が伝わってくる。

「あとは、触りたくなるような、手の平に乗せたくなるようなイラストにしたいと思っています。動きのある子がモデルの時は、今まさに目の前でその動作が行われているような臨場感を出したい。パッと見ただけで『ここが好き』の“ここ”が伝わるようなイラストになっていたらうれしいですね。そのためにも、その子の特徴は描き漏らしたくない。茶色の中に一カ所だけある白い点とか、耳のフチにある模様とか、足にあるちょっとした傷とか、毛の流れに変なクセがあるとか。その子にしかないものは絶対に描きたいです」

2021年6月10日時点で、InstagramやTwitterに1063もの柴犬イラストを投稿している西田さん。「イラストを描く時にすごく集中してお写真を見ているので、実際は会ったことがないのにその子に会ったような感覚になって親近感を抱くこともあります。モデルになってくれた子が亡くなった時はとても悲しかったですね。長く続けていれば、それだけ悲しみも増えます。でも、『ここが好き』が共有されて『うちの子はもういないけど、こんなことしてました』とか、そんな声をいただくのは本当にうれしいですし、いろいろな発見があります。一枚一枚、すべてが大切なんです」と、葛藤しながらも描き続ける思いを語ってくれた。

今後の目標を尋ねると、「もう何年も原画展ができていないので、世の中が落ち着いたらやりたいですね。柴犬も同伴OKな場所で、イラストの隣に実際にモデルになってくれた子を並べて記念撮影したいし、直接お礼も言いたいです。全国原画展ツアーとか、できたらおもしろいですね。柴犬のみんな!ご主人に愛されている自信満々の、なんだったら『ちょっと愛が重いぞ』くらいの余裕のある表情を、いっぱい自慢してね。日々の隙間時間にクスッと笑ってもらえるように、これからも続けていきますので、よろしくお願いします」。

今にも動き出しそうなイラストの中の柴犬たち。その時、どんな気持ちでこんな仕草や表情をしたのか、妄想が止まらない。ますます、柴犬という存在が愛おしくなるだろう。

取材・文=重藤歩美(関西ウォーカー編集部)

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