世界50カ国以上を旅行し、世界一周と日本一周をそれぞれ2回経験してしまうほどの“旅好き”が高じて、海外ノマドWebライターとして活動するりのさん(@ririririnotan)。先日、エジプトで体験したラクダ乗りのおじさんとのエピソードを綴った漫画をSNSで紹介したところ、多くのwebメディアにとりあげられ話題に。そこで今回、注目を浴びた「ラクダでぼったくり？」以外にどんな体験をしたのか、そして、日本では決して経験することのできない“一人旅の醍醐味”や“魅力”について聞いた。
■現地人＝ぼったくり、日本人＝ヒーローという相関図ではない
――りのさんは世界50カ国以上を旅行し、世界一周と日本一周をそれぞれ2回経験されています。旅をするようになったきっかけは？
【りの】社会人になり自分でお金を稼げるようになったとき、海外へ行ってみよう！と思い、オーストラリアへ一人旅に行きました。青森県の田舎育ちだったので、都会や海外へ対する憧れが元々とても強く、ずっと行きたいと思っていたのですが、初めての海外旅行は想像以上に興奮しました。そのとき感じた開放感やゾクゾク感が忘れられず、「もっと遊びたい！仕事なんてやってらんねー！」と思い、世界一周を決意しました(笑)。
――旅の魅力についてもう少し詳しく教えてください！
【りの】行く場所、移動する手段、泊まる宿、食べるもの、旅ではすべて自分で決めます。行きたいと思ったところに行くし、見たいと思ったものを見ます。「◯◯しなければいけない」とか、「◯◯であるべき」というような日常で感じる義務感が、旅では一切ありません。「生き方は自分で決めていい」ということを思い出させてくれるのが、旅の最大の魅力だと思っています。
――旅の経験をマンガにしようと思ったワケは？
【りの】漫画で紹介したラクダ乗りとのエピソードは、私が世界一周中に経験したトラブルとその対処法をまとめた書籍『拝啓、世界であわてふためく女子たちへ 旅先のトラブル解決します』(雷鳥社)の一部です。よくあるトラブルではあるのですが、とても印象的な思い出だったので漫画に残しました。
――バズっているラクダ乗りの記事を拝見しました。漫画を公開するようになって、最初にバズった内容は？
【りの】漫画は以前から公開していたわけではありません。この作品の前に2〜3個投稿した漫画もありますが、ここまでバズったのはこの漫画がはじめてです。
――どのような反響がありましたか？
【りの】共感してくださったり笑ってくださったり、過去の自分の体験と重ねてリプをくれる方が多かったです。なかには、ぼったくりに対してかなり厳しい意見を残す方もいらっしゃいました。確かに、この辺は“悪質なぼったくり”が多く、日本人はカモにされやすいと言われています。ですが向こうも商売ですし、日本人と、現地で働いている方の文化や感覚の違いから生じるトラブルもゼロではないと思います。
――必ずしも、すべてがぼったくりではないと。
【りの】現地で働いている方が全員悪者かと言えば決してそんなことはないですし、たくさんサービスをしてその分チップを奮発してもらおうと頑張っている方もいらっしゃいます。メモを残してくれた日本人の方にはとても感謝していますし、印象的な出来事だったのでこうして漫画にも残したわけですが、現地人＝ぼったくり、日本人＝ヒーローという相関図ではないので、偏見や誤解がなければいいなぁ、と思います。
■衛生面が悪く、気温も50度越え！西アフリカのモーリタニアやセネガルはつらかった
――では、数多くの旅をしてきた中で、一番思い出に残っている旅行先を教えてください。
【りの】一番を決めるのはなかなか難しいのですが、西アフリカのモーリタニアやセネガルはかなり強く印象に残っています。
――その理由は？
【りの】私の旅の中で一番過酷だったからです(笑)。衛生面が整っておらず、気温も50度超えでエアコンなどもなく、虫に襲われることがとにかく多く、滞在中は精神的にかなり消耗しました。しかも、セネガルの「ラックローズ」という、時期が合えばピンクに染まる湖が見たくて行きましたが、タイミングが悪くラックローズは茶色で、期待するものは見られませんでした…。でも、ごはんがとても美味しかったことと、人がとても優しかったことに救われました。次は貧乏バックパッカーではなく、しっかりお金をかけてもう少し贅沢して行きたいです(笑)！
――今後の旅行計画を教えてください。
【りの】コロナが落ち着いたら、海外ノマドをスタートする予定です。ざっくりですが、タイ、バリ、ドバイ、ハワイ辺りに長く滞在したいと思っています。短期的な旅行だと、アメリカ本土、インド、トンガ、サウジアラビア、ギリシャ、イギリス、アイスランド、中央アジアなどを回れたらいいな、と思っています。特に去年行く予定だったトンガは、世界でも珍しい、クジラと泳ぐことができる海域があります。海外旅行のGOサインが出たら、どこよりも優先して行きたいです！
取材協力：りの(@ririririnotan)
イラスト：三浦ポパ
