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自分もそうかも?『発達障害グレーゾーン』と言われた漫画家の思い…「“生きづらさ”に絶望せず活路を見出したい」

  • 2020年12月21日
  • Walkerplus

ある日突然「発達障害グレーゾーン」の“特性”があると言われたら?「甘え」「怠慢」と疎まれる“生きづらさ”を描いた漫画がSNSで話題となっている。今回紹介するのは、 介護日記漫画『電子書籍と親父の介護』でヤングジャンプ40周年記念漫画賞エッセイ部門で佳作を受賞した漫画家・クロミツさん(@kuromitsu1510)。自分の特性である、発達障害グレーゾーンの“生きづらさ”を描く理由とは。

■白か黒かの2択ではなく、“グレーゾーン”という領域があることに困惑

――発達障害グレーゾーンを漫画の題材にした経緯を教えてください。

「当時、仕事関係や人間関係で病んでいる時期でした。メンタルクリニックにも通っていて、先生からは『不安障害です』と言われていました」

――メンタルクリニックでは最初、発達障害グレーゾーンの話はなかったのですね。

「はい。通っていくうちに『自分は発達障害なのかも…』という疑念が湧いて。というのも、子供のころから他人とのズレを感じていたいんです。すると先生が『そういうとこあるかもね』と、検査の後押しをしてくれました」

――それで検査をした結果、「発達障害」ではなく「発達障害グレーゾーン」の特性があることがわかったんですね」

「病気でもなんでも、検査の結果って白か黒かの2択だと思うんですけど、初めて“グレーゾーン”という領域があることを知って困惑しました」

――自分にそうした特性があると知り不安になりましたか?

「発達障害の特性はグラデーション状になっていて『あなたはここにいます』と説明を受けましたが、正直『ちょっと何を言っているかわかんない』という感じでした。それで、気になるから自分でいろいろ調べてみたんです」

――どうやって調べたのでしょうか。

「主にネットの情報を見たのと、書籍を買って読みました。なかでも、ルポライター・姫野桂さんが書かれた『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)を読むと、腑に落ちる部分が多く『自分もあてはまるな~』と納得しました」

――自分もあてはまる部分というのは具体的に?

「初めて会社に就職したときも失敗が多く、その会社を辞めるときに言われた社長からの一言が心に残っています」

――それは何と?

「『キミは人が1年でできることを3年かかるかもしれない』と言われました。この言葉が、私がグレーゾーンであることを決定づけるものだったかもしれません。言われた当時はグレーゾーンという知識そのものがなかったので、至らない自分を受け入れるしかありませんでした」

■社会から「あんたギリギリよ、社会の人材としてスペック低いよ」と言われた気がした

――発達障害グレーゾーンの特性があると言われて、納得できた理由というのは?

「先ほど紹介した本の解説と自分の過去の体験を照らし合わせたとき、合致する部分が多かったんです。『仕事でミスが多い』『遅刻や忘れ物が多い』『自己肯定感が低い』この3つがピッタリとあてはまっていました」

――自分の特性をすぐに受け入れられたのでしょうか。

「正直、社会から『あんたギリギリよ、社会の人材としてスペック低いよ』と言われたような気がして、つらかったですね」

――そのことを漫画にして、自分の中で変化はありましたか?

「まず、自分以外に同じ特性を持った人が多いことに驚きました。今までずっと『おまえだけ何かおかしい』と言われていたので。私が描いたSNSの漫画を読んでくれた方から、『私もずっとそうでした』『同じ特性があります』といった反響をいただき、共感していただける方がいることに安心しました」

――発達障害グレーゾーンを描くモチベーションというのは?

「センシティブなテーマなので漫画にするか悩みましたが、自分の中の“モヤモヤ”を表現したいと思いました。“生きづらさ”に絶望するのではなく、そこからいかに活路を見出していくかを描いていきたいです」

画像提供:クロミツ(@kuromitsu1510)

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