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店主は神奈川の名店「くり山」出身!濃厚つけ麺ではなく淡麗系で勝負する「紬」

  • 2020年7月15日
  • Walkerplus

2019年12月10日に横浜市・白楽にオープンした「紬(つむぎ)」。店主の山崎隆司さんは、神奈川を代表する行列店「くり山」で修業を積み、同店の系列店「ファットン」(休業中)の店舗を譲り受ける形で独立を果たした。
■高級素材を贅沢に使ったスープは、飲むほどに味わい深い

看板メニューは「醤油ラーメン」(800円)。最大のこだわりはスープで、山水地鶏と比内地鶏を贅沢に使用している。山水地鶏はラーメンのスープ用に交配された“究極の地鶏”で、旨味が強いスープが取れる。一方の比内地鶏は上品な香りとコクが特徴。その2つを絶妙なバランスで配合し、丁寧に炊いている。仕上げに昆布や魚の乾物を加え、スープに奥行きを出している。限りなく純水に近いRO水を使用。特殊フィルターで不純物を取り除いたRO水を使うことで、素材本来の旨味を存分に抽出できる。スープのほか、飲料水にも用いている。

そんな極上のスープに合わせる醤油ダレにもこだわりが満載だ。「岡直三郎商店」(群馬)の日本一しょうゆ、生揚げ醤油(再仕込み醤油)など7種をブレンド。醤油本来のキリっとした塩味と芳醇な風味が、地鶏の旨味が詰まったスープを引き立てる。さらに香味油には比内地鶏油を使用。上品な香りと甘味がスープをさらなる高みへと押し上げてくれる。

麺は「村上朝日製麺所」に特注した細ストレート。パツパツと歯切れがよく、小麦の風味が豊か。食べ進めるとスープになじみ、モッチリとした食感に変化していく。

2種のチャーシューも秀逸。豚肩ロースと鶏ムネで、それぞれ低温調理でしっとりと仕上げている。豚肩ロースは肉本来の旨味が強く、噛むほどに肉の味が増していく。一方の鶏ムネは柚子がアクセント。こちらはふんわりと柔らかで、噛むとさわやかな風味が広がっていく。

「チャーシュー増し」(+250円)もおすすめ。前出の豚肩ロース3枚、柚子の鶏ムネに加え、梅酢で味付けをした大葉入りの鶏ムネもプラスされ、3種を食べ比べることができる。

【ラーメンデータ】<麺>細/角/ストレート <スープ>タレ:醤油 仕上油:鶏油 種類:丸鶏・魚介(節系)
■間借り営業で腕を振るった「こはく」の味をブラッシュアップ
山崎さんはもともとは寿司職人だったが、ラーメンの自由度に魅力を感じ、ラーメン界に転身。2017年に「くり山」に弟子入りした。「くり山」は濃厚魚介豚骨スープのつけ麺が有名で、別ブランドの「ファットン」(現在は休業中)と「ハイパーファットン」(横浜市・新羽)はガッツリ系。「紬」とは対極のジャンルだが、「僕自身、醤油ラーメンが一番好きなんです」と山崎さん。

そんな山崎さんに転機が訪れたのは2018年5月。当時配属されていた「ハイパーファットン」の定休日に、自分の好きなラーメンで間借り営業をすることになったのだ。「こはく」の店名で披露したのが醤油ラーメン。名古屋コーチンと東京シャモの丸鶏がベースの淡麗系スープで、瞬く間に評判となった。

その後、本店の「くり山」に異動となり、同店での間借り営業を経て、ついに独立。2019年12月に人手不足で休業中だった「ファットン」の店舗を譲り受け、「紬」をオープンさせた。

「くり山」での修業はもちろんだが、独立にあたり、大きな影響を受けた人がいる。それが「くり山」出身で、現在は長野県北安曇野郡松川村で「らぁ麺 麦一粒」を営む高根康明さんだ。独立前に長野を訪れ、3日間手ほどきを受けた。「一番勉強になったのは醤油ダレの火入れ。香りや風味を損なわないよう、温度管理にまでこだわって丁寧に作ることを教わりました」。

「醤油ラーメン」のほか、「塩ラーメン」(800円)やサイドメニューの「鶏油ソバ」(350円)、さらには新メニューの「煮干しラーメン」(800円)や「チャーシューごはん」(290円)も登場。学生街でこってり系が主流の白楽において、淡麗系の奥深い一杯で新風を吹き込む「紬」に今後も注目だ。


取材・文=河合哲治郎/撮影=神保達也

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