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梅雨の晴れ間に見える星は?6月の夜空は、春と夏の星座が共に輝く

  • 2023年6月3日
  • tenki.jp

6月は雨の季節。雲が空を覆い、星を眺める機会も少なくなってしまいますね。その分、梅雨の晴れ間に久しぶりに見る星々の輝きや、雲間に明るく光る星を見つけたときは、感慨深いものがあります。
今回は、梅雨時の6月の夜空を彩る星座と1等星についてご紹介します。

【南西から西の空】春の星座が主役。「宵の明星」金星が見頃

季節は初夏ですが、この時期の南西の夜空には春の星座が天高くのぼり、引き続き存在感を放っています。

オレンジ色の「うしかい座」のアークトゥルスと、青白い光の「おとめ座」のスピカ、この2つの1等星に「しし座」の2等星デネボラを加えた「春の大三角」が、南西の空に広がっています。雲の隙間に明るく輝く星を見つけたら、色を確認してみましょう。

西の空には、ひときわ明るい「宵の明星」の金星、その左上には火星の姿があります。この時期の金星は、マイナス4.4等からマイナス4.6等の明るさで、梅雨時の夜空を彩ります。金星と火星から目線を南の方に移すと、「しし座」の1等星レグルスが輝いています。

画像:国立天文台
画像:国立天文台


【南東から南の空】さそり座の1等星、アンタレスが赤く輝く

南東の地平線近くに広がる「天の川」の明るい部分には、夏を代表する星座「さそり座」の上半身が見えています。

南の低空で赤く輝くのは、さそりの心臓の位置にある1等星アンタレス。名称の由来は、「火星に対抗するもの」を意味する「アンチ・アーレス」といわれています。同じく赤い色の火星とアンタレスが約2年に一度接近し、色を競い合うように見えることから名付けられました。

この時期、南の低空に見られる赤い星は、火星ではなくアンタレスです。

【北東から東の空】本格的な出番を待つ「夏の大三角」

見頃となるのはまだ先ですが、東の空には早くも「夏の大三角」が姿をあらわしています。

青白く輝くのは「こと座」のベガ。夏の1等星でいちばん明るい星です。天の川を挟んで、東の低空には「わし座」のアルタイルが見えます。このふたつの星に「はくちょう座」のデネブを加えたのが「夏の大三角」です。

ベガは七夕の「織り姫」、アルタイルは「彦星」で、2つの星の間を天の川が流れています。梅雨明けの頃から夏にかけて、天の川は肉眼でも見やすい明るさになり、見頃を迎えます。


夏に向けて刻一刻と変化する星の世界。時折訪れる梅雨の晴れ間には、ぜひ夜空を見上げてみたいですね。




・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ

・参考サイト
国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年6月)」

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