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北陸 最新の3か月予報は気温高め ゴールデンウィークは荒天スタート 大雨に注意

  • 2023年4月26日
  • tenki.jp

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北陸地方はこの先も気温は高めで経過するでしょう。ただ、今後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性があり、その場合は、梅雨や夏の気温、台風の動向等に影響を与えそうです。常に最新の情報を入手するようにして下さい。また、ゴールデンウィークは、全般に天気はぐずつきそうです。最新の天気予報をこまめにチェックして行動計画の参考にして下さい。

気象台発表の3か月予報

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4月25日、新潟地方気象台は、北陸西部の福井・石川・富山と北陸東部の新潟の4県を対象とした「北陸地方の向こう3か月の天候の見通し」を発表しました。そのポイントは「暖かい空気に覆われやすいため、向こう3か月の気温は高い。」ということです。

その背景には、
①地球温暖化の影響等により、全球で大気全体の温度が高い傾向が続いている。
②冬に終息したラニーニャ現象の影響等が残るため、チベット高気圧は東側で強く、西日本や沖縄・奄美に加えて、東日本(北陸地方)も暖かい空気に覆われやすい。ことが考えられます。

その他、太平洋高気圧は、日本の南で西への張り出しがやや弱く、日本列島には高気圧の縁を回って暖かく湿った空気が流れ込みやすい時期がある予想となっており、例年通り、大雨への十分な備えも必要となりそうです。

"熱中症警戒アラート"今月27日(木)の対象から運用開始 熱中症による救急搬送の約90%は "熱中症警戒アラート"が発表されていない状態下だったことに留意 暑さに身体を慣れさせる暑熱順化を

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"熱中症警戒アラート"は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、熱中症予防行動を促すために環境省と気象庁から発表される情報です。今シーズンは27日(木)からが対象日となり、前日の26日(水)17時から予測が発表されることになっています。暑さ指数は、予測に基づいて計算されるため、現実には100%実況に等しくならないケースも起り得ます。また、個々の地点の暑さ指数は、環境によって大きく異なり、各個人が暑さから身体に受けるダメージもその日の体調によって大きく左右されることがあります。

2022年の富山県の事例で見ると、"熱中症警戒アラート"の発表対象となったのは、8月の1日、2日、3日、11日の4日間のみ。熱中症の救急搬送があったのはシーズンを通して全105日ありましたから、シーズン中の101日は、"熱中症警戒アラート"が発表されていない状況で救急搬送が行われたことになります。またこれを人数比で表すと、熱中症による救急搬送者の約90%は "熱中症警戒アラート"が発表されていない状態下でした。

2022年の熱中症の第1号の報告があったのは4/25で、高齢者(65歳以上)の軽症でした。当日の富山の最高気温は26.5度の夏日で前日よりかなり高く、天気は前日夜からの雨上がりで平均湿度はやや高めの71%でした。その後のゴールデンウィーク期間中にも、数件の救急搬送があり、この時期から熱中症には注意が必要と言えます。

この時期は、まだ暑さに身体が慣れていないため、本格的な夏に向けて暑さに身体を慣れさせる暑熱順化が大切です。無理のない範囲で暑さに徐々に身体を慣れさせるようにしましょう。日常生活の中で、簡単な運動を継続する、入浴はシャワーだけでなく湯舟につかるなどして、汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。そして高齢者や小さなお子様に関しては、周囲の大人が積極的に声掛けをする習慣を付け、熱中症ゼロを目指しましょう。

エルニーニョ現象下の北陸地方の夏は? 梅雨は長引く傾向 短期的な大雨に注意 勢力の強い台風が近づくことも 平均気温は低く猛暑日は少ない傾向

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最新のエルニーニョ監視速報によると、
現在は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態になっています。今後は、夏にかけて平常の状態が続く可能性もある(40%)が、エルニーニョ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)と予測されています。

この、エルニーニョ現象が発生した場合、南の太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、梅雨前線を北へ押し上げる力が弱いため、梅雨の期間が長くなる可能性があります。

北陸地方の梅雨の統計がある1951年から2022年に関して、実際の梅雨の日数の平均をカテゴリー別に計算すると、夏の期間にエルニーニョ年だった年は44.9日、平常年は38.6日、ラニーニャ年は39.7日で、平均的にはエルニーニョ年が一番長くなっています。

降水量に関してはどうでしょうか?
万一、前線が北上しきらずに同じような地域に長期間停滞することになると、局地的な大雨の可能性もあり、注意が必要です。北陸地方の梅雨入りの平年日は6月11日ごろとなっています。本格的な雨の季節到来となる前に大雨への備えを進めておきましょう。

台風についてはどうでしょうか?
エルニーニョ現象発生時は、海面水温分布にほぼ対応して、台風の発生域は南東方向へずれる傾向があります。この場合、台風が西進する距離が長くなるため、発達して大型化した状態で本州付近に近づく可能性が大きくなることもありそうです。

その他について、夏の3か月の傾向を調べると、新潟・富山・金沢・福井の4地点ともに、エルニーニョ年で平均気温は最も低く、最高気温が35度以上の猛暑日も少ないことが確認されました。日照時間についても同様の傾向となっています。

2022年度の梅雨は、9月の確定値で大幅に修正され、「北陸地方の統計史上初の6月の梅雨明けと過去2番目に短い梅雨」は幻に終わりました。冬の気温や降雪量に関しても、当初予想でシーズン前に広く報道されていた「ラニーニャで寒冬・大雪傾向」となった地域は北陸地方ではあまりなかったように見受けられます。

地球温暖化の影響等により、全球で大気全体の温度が高い傾向が続く中、今後、エルニーニョ現象が発生、クールダウン効果が奏功して平年並みの気温に落ち着くのか、はたまた、1993年のように、平常年でありながらも、ピナツボ火山の噴火に起因するような大冷夏がおこるのか、複数の要因を事前に察知して数か月も前に発表する季節予報に反映させるのは至難の業というのが正直なところです。今後も、毎週木曜日の午後に発表される1か月予報等も参考に、暖候期への備えを進めて下さい。

紫外線対策を万全に

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これから夏至の頃にかけて、太陽高度は高くなり、日の出から日没までの時間は増々長くなっていきます。次第に快適な陽気となる日が多くなり、屋外で過ごす時間が増えていくこの時期は、特に紫外線に対して無防備になりがちです。気になる方を中心に、紫外線への対策も忘れずに行うようにしましょう。

ゴールデンウィーク 荒天スタート その後も天気は全般にぐずつき大雨に注意 2日を中心に1日〜3日頃は貴重な晴れか

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29日〜30日は、前線を伴った低気圧が発達しながら日本海を進み、前線が北陸地方を通過する見込みです。北陸地方には南から暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の状態が不安定となるでしょう。西から雨の範囲が広がり、南よりの風が南北走行の河川から先行して強まるでしょう。荒れた天気となる可能性があります。前線の通過時を中心に雨脚が強まり、局地的な短時間強雨、落雷や竜巻などの激しい突風などに注意が必要です。北アルプス方面などへの登山のお出かけを計画している方は、南西風の暴風のおそれがあります。事前の天候確認を十分するようにして下さい。

1日は、西から天気は回復しますが、一時的に西高東低のような気圧配置となる見込みです。1日の北アルプス方面は寒気の影響で降雪の可能性があります。一方、平野部は2日を中心に3日にかけて概ね晴れの予想です。朝晩の強い冷え込みはなく、日中は快適な陽気となる所が多くなるでしょう。ゴールデンウィーク期間を通じてこの2日頃が最もお出かけ日和となりそうです。紫外線が強まっていますので、気になる方はしっかり対策をしましょう。

3日は、次第に気圧の谷が近づいて天気は下り坂となりますが、日中いっぱい天気の崩れはない見込みです。南から暖かい空気が流れ込んで、最高気温は25度以上の夏日となる所もありそうです。例年、この時期から熱中症の救急搬送事例がみられます。お一人の高齢者や体温調節がまだ上手にできない小さなお子様に対しては、周囲の大人が十分気を配りましょう。この時期でも晴れていれば、窓を閉め切った自動車内は短時間で気温が上昇し、熱中症リスクが急激に高まります。

4日以降は、本州付近は湿った空気の通り道となり、低気圧や前線が次々と通過する可能性があります。雨の止み間はありそうですが、天気は全般にぐずつく見込みです。予報にはまだ幅がありますが、最新の天気予報を常にチェックしながら、柔軟なスケジューリングをするようにして下さい。

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