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イタリア人監督が消滅の危機に瀕する与那国島の言語をテーマに映画を製作

  • 2022年4月29日
  • 沖縄島ガール

沖縄・与那国島を舞台にしたドキュメンタリー映画『ヨナグニ~旅立ちの島~』が、5月7日(土)から、全国公開される。4月21日、東京にて特別上映会ならびに座談会が、4月23日には、舞台となった与那国島で凱旋上映会が開催された。

『ヨナグニ~旅立ちの島~』は、日本最西端である与那国島の中学生たちの日常と消滅の危機に瀕する言語「どぅなんむぬい」をテーマにしたドキュメンタリー。映画という枠組みを超え、美術作品や書籍などさまざまなメディアで“どぅなんむぬい(与那国語)”と島民の関係を描いていった。

東京での特別上映会、座談会、与那国島での凱旋上映会に際して、監督のアヌシュ・ハムゼヒアンとヴィットーリオ・モルタロッティがイタリアから来日。

「失われる言語の現在」と題した上映後の座談会では監督両名に加え、同じく与那国島を舞台にした映画『ばちらぬん』の東盛あいか監督、さらに、社会言語学者・松尾慎教授が登壇し、与那国語の継承や本作の意義について意見が交わされた。

本作の制作背景について、アヌシュは「消滅の危機に瀕する言語や文化を伝えていきたいという思いから作品を制作した」と告白。

松尾は「日本でもアイヌ語や八丈語をはじめ消滅の危機に瀕している言語はいくつもあり、与那国語もその一つ」と学者的見地から評した。

与那国島出身で、与那国語字幕翻訳・監修を務めた東盛あいかは、「与那国語を母語するのは高齢者のみで、若い世代では話すことが難しい」と島の現状を訴えた。その上で、「本作のような言語やコミュニティーを記録した作品には消滅危機言語の状況を広く知ってもらう方法としても価値がある」と評価。

また、今後の展望についてヴィットーリオは、「日本をテーマにした作品を多く制作していきたい。コミュニティーや歴史に焦点を当てたい」と意気込みを語った。

一方、与那国島での上映会は、舞台にもなった久部良中学校で開催され、地元の関係者、出演者などが参加した。会場には出演者も駆けつけ、感動の再会に温かい空気に包まれた。

与那国島での上映会

沖縄本土復帰50周年特集上映「国境の島にいきる」として、4月30日(土)から、『ヨナグニ~旅立ちの島~』『ばちらぬん』を沖縄・桜坂劇場にて先行上映。その後、5月7日(土)からは新宿・ケイズシネマほか全国で拡大上映される。

沖縄本土復帰50周年特集上映「国境の島にいきる『ヨナグニ~旅立ちの島~』『ばちらぬん』」
2022年4月30日(土)〜 沖縄・那覇市「桜坂劇場」にて先行上映

「特集上映「国境の島にいきる『ヨナグニ~旅立ちの島~』『ばちらぬん』)」
2022年5月7日(土)〜 東京・新宿「ケイズシネマ」「アップリンク吉祥寺」ほか全国拡大上映

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