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【わぉ!な水辺観察】気になる黒い鳥、オオバン

  • 2020年1月27日
  • NACS-J
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▲真っ黒な体に真っ白な額。遠目からでもすぐにわかります(写真:若林 輝)

冬の川歩きを癒してくれるのは、カモ類をはじめとする水鳥です。カルガモ、マガモ、オナガガモにヒドリガモ、そしてひとまわり小さなコガモ…… そんななか、一風変わった真っ黒い鳥をご存じでしょうか?

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▲ルビーのような真赤な目も印象的(写真:若林 輝)

あるときはカモに混じって川に浮かび、あるときはカイツブリのように頭から潜水し、あるときは黒猫のように川辺の藪に潜み、またあるときは忍者のように水面を走る! 額は白く、眼はルビーのよう……

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▲頭から水中に潜り、川底に生えている水草を食べる(写真:若林 輝)

その名もオオバンです。首を前後にヒョコヒョコ動かしながら泳ぐシルエットはまるでネッシーのよう!? 歩くことに長けたクイナの仲間でありながら、オオバンは「弁足」と呼ばれる独特な水かきのついた足を持っているように、陸上よりも水上での生活に慣れた鳥であるように思えます。

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▲川辺の土手で、ギシギシなどの草を食むオオバン。なぜかいつもヒドリガモと一緒(写真:若林 輝)
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▲とにかく常に何かを食べているような気がします(写真:若林 輝)

もちろん陸に上がってニワトリやホロホロチョウのように、のんびり草を食べている姿もしばしば見るのですが、20mほど離れた川の対岸で人が近づくと、警戒して逃げる先は、決まって水の中なんです。
 土手を転げ落ちるようにドボドボと水の中に飛び込んでいきます。そして水面に浮いたと思ったら、おもむろにバシャバシャと水の上を走り出し、低空飛行で逃げ去っていくのです。陸からそのまま飛び立てばいいのに……

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▲同じくクイナ科のバン。オオバンよりやや小さく額は真っ赤(写真:若林 輝)

彼らを見かけたら、耳を澄ませてしばらく観察してみてください。クー、コー、キュー、と、まるで会話をしているような優しい鳴き声が聞こえるはずです。

 それにしても、こんな姿ではるかロシアから数千キロも渡ってくるやつがいるなんて…… 大空を舞う姿がとても想像できません。

 

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●若林 輝
渓流釣りと川歩きの本『RIVER-WALK』編集長。
釣りをはじめ、自然分野の編集・ライティングを行う。
釣りは川から海から池や沼まで何でも好き。日本自然保護協会会報『自然保護』特集担当でもある。

 

出典:わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト Facebookコラム
(2020年1月6日)
https://www.facebook.com/wow.wow.biodiversity.project/

※「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」は、公益財団法人日本自然保護協会とソニー株式会社が協働で実施しているプロジェクトです。
「わぉ!」という自然のおもしろさや不思議に触れたときの感動を多くの人に伝え、みんなで共有することで、自然を好きになってもらい、生物多様性の保全につなげていきます。

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