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【わぉ!な水辺観察】渓流釣りとムネアカオオアリ

  • 2019年6月19日
  • NACS-J
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▲体の赤銅色がなんとも魅力的(写真:若林輝)

ちょうど今頃の梅雨時期に、渓流でよく出会う大好きなアリがいます。日本最大級のアリであるムネアカオオアリです。黒光りのする体に鮮やかな赤銅色。甲冑をまとった野武士のような風貌に、ほれぼれします。

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▲羽根を落とした女王アリ。羽根の付いていた跡がわかります。(写真:若林輝)

特にその大きさにドキッとするのは、結婚飛行を終えて巣となる場所を探している女王アリの姿です。オスとの交尾を終えた女王は、地上に降り立つとじゃまになる羽根を自ら落とし、巣となる岩の隙間や朽木などを忙しなく探し回ります。女王の一生にとって、この時が最も危険なタイミングと言われています。地上にはありとあらゆる外敵がいますが、なかでも別の種のアリが、無防備な女王にとって最も怖い存在なのだとか……。

無事に自分の巣を造ることに成功すれば、10年以上も生きる女王ですが、この時ばかりはかなりそわそわと落ち着きがないように思えます。

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▲ムネアカオオアリを模した毛鉤(けばり)(写真:若林輝)

女王に限らず、渓流域に多いムネアカオオアリは、特に夏場、イワナやヤマメなど渓流魚たちの格好のごちそうとなっています。とある渓流の釣り名人が「夏場はほとんどこれひとつしか使わない」というお手製の毛鉤(けばり)が、まさにムネアカオオアリを模したものでした。

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▲流されたアリはイワナやヤマメのごちそうに(写真:若林輝)

川辺の岩にでも腰かけて、身を低くして観察してみてください。特有の素早い動きに目が慣れれば、意外に簡単に見つけることができると思います。

 

 

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●若林 輝
渓流釣りと川歩きの本『RIVER-WALK』編集長。釣りをはじめ、自然分野の編集・ライティングを行う。
釣りは川から海から池や沼まで何でも好き。日本自然保護協会会報『自然保護』特集担当でもある。

 

出典:わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト Facebookコラム(2019年6月19日) https://www.facebook.com/wow.wow.biodiversity.project/

※「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」は、公益財団法人日本自然保護協会とソニー株式会社が協働で実施しているプロジェクトです。
「わぉ!」という自然のおもしろさや不思議に触れたときの感動を多くの人に伝え、みんなで共有することで、自然を好きになってもらい、生物多様性の保全につなげていきます。

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