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「向島区MAP」を無料配布 旧区の歴史と文化を手描きで紹介

  • 2025年6月10日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 住民らが自費で制作した「旧向島エリア」を紹介する地図「向島区MAP」の無料配布が6月1日に始まった。制作したのは、墨田区在住の阿部利江さんと、出版社を営む堀内太陽さん。(すみだ経済新聞)

 阿部利江さんと堀内太陽さん

 同マップはA3サイズ。かつて存在した「旧向島区」の歴史と文化を次世代に伝えることを目的に阿部さんが企画。日本全国の地図を手がけてきたという堀内さんの手描きのタッチと地域への深い知識が合わさり、単なる案内図ではなく「記憶の地図」として仕上がった。

 掲載エリアには、阿部さんの家族がガソリンスタンドを営んでいたという桜橋通りと曳舟川通りの交差点付近をはじめ、地域の歴史的変遷や、北原白秋、堀内誠一などのゆかりの人物に関する情報も盛り込まれている。

 旧向島区は1932(昭和7)年から1947(昭和22)年まで存在し、現在の墨田区北部(東向島・八広・立花・文花など)を含んでいた。当初は「寺島区」と名付けられる案もあったという。戦後の区再編により本所区と統合され、現在の墨田区が誕生した。

 阿部さんは墨田区本所で生まれ育ち、長年にわたり、まちの変化を見守ってきた。5月には、妹でイラストレーターのあべゆきえ(阿部幸恵)さんが生前に撮影した猫の写真展「猫の恋」を、下町画廊「VOL VOLARE(ボルボラーレ)」(墨田区八広1)で開催。猫の姿を通して下町の日常を写し取った35点の作品は、「東京下町猫へのオマージュ」として来場者の反響を集めた。

 今回のマップも、姉妹で見つめてきた下町の風景を形にする取り組みの一環として生まれた。裏面には地域で親しまれる飲食店を掲載している。阿部さんは「今後は本所区版も作りたい。地域の皆さんと一緒に声や情報を集めながら、地図を育てていきたい」と意気込む。

 配布部数は700部。「よりみち自由室」(墨田区押上2)や、堀内さんが運営する書店「manu&bol」(江東区)で無料配布している。

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