司馬遼太郎記念館で企画展 司馬作品を彩った挿絵や自筆原稿など73点

  • 2025年5月23日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 企画展「司馬作品 戦国・幕末を挿し絵でみる」が現在、司馬遼太郎記念館(東大阪市下小阪3、TEL 06-6726-3860)で開催されている。(東大阪経済新聞)

 「竜馬がゆく」「花神」の挿絵原画

 戦国・幕末の時代を背景にした司馬作品26作品を挿絵と共に紹介する同展。同館の上村洋行館長は「司馬作品は40~50年前の作品が多く、連載当時の雰囲気を知っている人が少なくなってきている。挿絵や初出誌(紙)で連載当時の雰囲気を感じ、司馬作品を見つめ直してほしいと、挿絵を軸にした展示を企画した」と話す。挿絵原画や自筆原稿、掲載誌など、初公開9点を含む73点の資料を展示する。

 展示では、戦国時代を舞台にした15作品と幕末の時代を舞台にした11作品を紹介。「梟(ふくろう)の城」は、中外日報で1958(昭和33)年4月から1959年2月まで「梟のいる都城」のタイトルで連載されたが、連載時には挿絵がなかった。「大坂侍」などと共に収録された「カラー版・日本伝奇名作全集15」(1970年、番町書房刊)では、山崎百々雄さんが描いたカラーの挿絵が添えられている。

 「国盗り物語」は、1963(昭和38)年8月から1966年6月まで「サンデー毎日」で連載された際には風間完さんが挿絵を手がけていたが、大河ドラマの放送に合わせて「週刊読売」に掲載された「絵巻・国盗り物語」には、御正伸(みしょうしん)さんの挿絵が付けられている。「竜馬がゆく」では岩田専太郎さんが挿絵を担当。会場では、第781回「菊の枕」の原画を展示する。

 上村館長は「連載時に新聞や雑誌に挿絵が付くが、全集などが出版される際に別の挿絵が入ることや、連載中に画家が交代した例もある。同じ作品だが、これだけ絵が違うというものも紹介している」と話す。「『竜馬がゆく』の挿絵を描いた岩田専太郎さんはとても有名な挿絵画家で、その岩田さんが新人作家の挿絵を描いたと評判になったこともあった」とも。

 司馬さんの自筆原稿では、「花咲ける上方武士道」第23回「やくざと武士」、「竜馬がゆく」第1283回「朱欒(ざぼん)の月(十六)」、「十一番目の志士」第32回「屋形船」などを初公開する。

 開館時間は10時~17時。月曜(祝日、振替休日の場合はその翌日)、9月1日~10日休館。入館料は、一般=800円、中高生=400円、小学生=300円。10月26日まで。

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