博多・承天寺通りに「はかた伝統工芸館」移転 4年ぶりに再び博多へ

  • 2025年5月23日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 「はかた伝統工芸館」が5月2日、承天寺通り(福岡市博多区博多駅前1)に移転オープンした。(博多経済新聞)

 常設展示スペースの博多人形

 福岡市を代表する伝統的工芸品の博多織や博多人形、そのほかの伝統工芸品の紹介、展示、販売と情報提供などを行う施設として、2011(平成23)年4月に博多・上川端町で開館した同施設。2021年4月に福岡市博物館(早良区百道浜3)に一時移転したが、博物館のリニューアル準備に伴い、今回新たに承天寺通りへ移転し、4年ぶりに再び博多へ戻ってきた。

 移転オープン後の反響について、同館副館長の八田美穂子さんは「上川端町にあった頃に来ていただいたお客さまから、『お帰り』『待っていたよ』という声を多くもらった」と話す。承天寺通り周辺はインバウンド客も多いことから、観光客の来館も増えているという。

 館内は、常設展示と企画展示スペースをはじめ、工芸体験コーナー、受付・販売コーナーで構成する。常設展示スペースでは、博多織、博多人形をはじめ、実物の8分の1の寸法で制作された「ミニ山笠」や、博多人形師・中村信喬さんが手がけた約70センチの博多人形「福の神」などを展示。福岡県知事指定特産民工芸品の博多曲物、博多独楽(こま)、博多鋏(はさみ)、博多張子、マルティグラス、今宿人形、博多おきあげも展示する。

 企画展示スペースでは、時季に応じて伝統工芸品をはじめとしたさまざまな作品展示を行う。現在は移転オープンを記念し、「博多の伝統工芸オールスターズ」と題して博多の伝統工芸品や福岡県知事指定特産民工芸品の作品を週替わりで展示している。5月27日までは、博多織の織元や手織り作家の帯を中心に、小物作品など約20点を、5月29日~6月3日は、博多曲物、博多張子、マルティグラスなど福岡県知事指定特産民工芸品の作品約30点を、それぞれ展示・販売する。

 工芸体験コーナーでは、体験キットを使った伝統工芸品作りを随時体験できる。予約不要・先着順で、1日5人まで受け付ける。毎月第1~第3日曜には、講師を招いた体験教室も開く。5月は「博多張子絵付け体験」(1,650円)を行い、今後も内容を変えて実施する。受付・販売コーナーでは、博多織や博多人形、福岡県知事指定特産民工芸品をはじめ、「福の神」オリジナルグッズなどを販売する。

 八田さんは「伝統工芸品を一堂に見られる施設はあまり多くないので、より多くの工芸品を見てもらえるよう、情報発信していきたい。来館して、博多の歴史とともに誕生した伝統工芸品の魅力を実感してほしい。現在活躍する作家の作品も見てもらい、伝統工芸品を身近に感じて使ってもらえれば」と来館を呼びかける。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。工芸体験コーナーの受け付けは10時~16時。水曜休館。入館無料。

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