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お金だけじゃない!8年間で7000万円貯めた女性が本当に手に入れたかったものとは

  • 2023年3月16日
  • レタスクラブニュース


光熱費も食料品も値上げラッシュの昨今。「もっと節約しなきゃ」とため息をつく方も多いのではないでしょうか。でも、節約には限度があるし、1円の差に日々キリキリする生活はツライものです。そこで、「お金を増やす」という方向に発想を変えてみるのはいかがでしょうか? つまり、投資へのチャレンジです。「資金の余裕がない」「投資はコワイ」と思うかもしれません。でも、金融知識も資産もない普通の会社員だったのに、投資によって8年で7000万円を貯めた女性も実際にいるんです。それが『知識ゼロからのサイドFIRE 8年で7000万円貯めた子育てママのお金の増やし方 』を出版した「まなさん」。現在は会社も退職し、資産運用と好きな仕事で稼ぐ憧れの「サイドFIRE」生活を送るまなさんに、FIREとは何か、初心者が投資にトライするにはどうすればいいのか、インタビューしてきました。

自分の人生の主導権は自分が握る。そのための「FIRE」

―――まず、まなさんが実践しているFIREとは何かについて、簡単に教えてください。

まなさん:FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもの。アメリカのミレニアル世代(誕生年が1981年以降で、2000年代で成人または社会人となる世代)を中心に広がっているライフスタイルで、経済的自立と早期退職を目指すものです。といっても、FIREが目指しているのは、退職後に悠々自適の生活ができるくらいのお金持ちになることではなく、投資で資産運用して得た不労所得で生活費の全部や一部をまかない、それまで生活費を稼ぐために費やしていた時間を自分がやりたいことのために自由に使えるようにするライフスタイルです。実際、アメリカではFIREというライフスタイルを選択する人が増えています。


―――いくつか種類があるFIREのなかで、まなさんが選んだのは「サイドFIRE」という生き方ですよね? まなさんはなぜサイドFIREを選んだのでしょうか。

まなさん:FIREは資産運用で資産を増やすことによって、生活費を気にせず自分のしたいことをする、というライフスタイルです。食べていくために仕事をしていると、「お金のためにはこの仕事を続けなければ」となり、自分のやりたくないこともしなければならなくなります。でも、資産があれば、今の会社や仕事にしがみつくことなく、自分の好きなことを優先する生活が送れるようになるんです。

日本ではFIREというと「RE(早期退職)」の方に重きを置かれているようですが、実際には、「FI=Financial Independence(経済的自立)」の方が大事です。私は別に働きたくないのではなく、自己実現がしたかった。つまり、自分が心から「やりたい!」と思える仕事をしたかったんです。そこで、私は資産収入と労働収入の両輪で生活するサイドFIREを選びました。サイドFIREは副業を取り入れながらのFIREなので、最初に用意する資産はフルFIREより少なくて済みます。それだけではなく、本来自分がやりたかったことに注力できるので、生活に張り合いがうまれるんです。たとえば、ずっとおしゃれなカフェで働いてみたかった人がいるとします。でも、カフェの時給だけでは生活が成り立たないので、仕方なく会社勤めを選ぶことになる。このとき、資産の後ろ盾があれば、夢だったカフェ店員さんに挑戦できます。やりたい仕事を好きに選べる。それがサイドFIREのいちばんの魅力です。




―――サイドFIRE生活を実現された今、どんな点にいちばん「やってよかった」と感じますか?

まなさん:時間に追われなくなったことですね。私には子どもがふたりいますし、以前は夫ともども会社員として働いていました。ですから、当時は朝から晩まで大忙し! 出かける前にやらなければならないことが山ほどあり、帰ってからもお風呂だご飯だと家事に追われてイライラし、気がつけば夜中になっていて、明日に備えて慌ててベッドに入る。FIREしたおかげで、そんな慌ただしい生活から解放されました。

こう言うと、「それって専業主婦と何が違うの?」と思われるかもしれませんね。決定的な違いは、自分で稼いだ自分の収入がある、という安心感です。私は自己実現のためにFIREをしました。だから、時間にゆとりを持った生活を送りながら「まな」としてきちんと社会に認知されたいし、多くの人の役に立つ仕事をしていきたい。資産があるからこそ、その夢をかなえることができました。

「それなら、フリーランスや脱サラして商売する人と一緒じゃない?」とも言われます。でも、それも違うんです。私は現在、自分で起業した前職を活かした事業と、SNSでの発信を行って収入を得ています。これを生活費のためだけにしていたり、誰かに雇われていたら、本当はやりたくない仕事でもやらなければいけない場面が出てきてしまうこともあるかもしれません。でも、私には資産の後ろ盾があり、自分が主体となって事業を行えるおかげで、誰におもねることもなく、自分が本当にやりたい仕事だけができています。

社会とつながりをもちながら、好きなことができる。サイドFIREは、さまざまなライフスタイルのいいとこ取りなんですよね。



―――高齢者になってからのリタイアと若くしてのFIREはどこに違いがあると感じますか?

まなさん:時間は有限ですし、健康で自由に体を動かせる時期は限られている、と私は思っています。だから、34歳でサイドFIREを実現できて本当によかったです。

私は退職後、会社を立ち上げましたが、これは若くて体力があるからこそできたこと。自分が高齢になってからではこんなに精力的にはできなかったかもしれないな、と思います。

さらに言うと、日本では、年金をもらえるのは基本的に65歳から、と国に決められていますよね。早くもらえば年金額が下がるなど、選択肢が狭いわけで、これは人生の損だと思うのです。私は何かを始めたり辞めたりする時期を、会社や国に強制されるのではなく、自分で決めたかった。自分の人生の主導権は自分が握りたかったんです。もちろん、その分リスクも背負いますし、保証もない。だからこそ、完全に仕事からリタイアするのではなく、自力で稼ぐ力を身につけるのが大事だなと感じています。

FIREに欠かせないのが投資。狙い目はNISA

―――とはいえ、サイドFIREを実現するには、まずは資産を準備する必要がありますよね。サイドFIREまでいかなくても、資産を増やしたい人は多いと思います。でも、貯金もなく、学ぶ時間もない人に、投資は難しいのではないでしょうか? 

まなさん:投資を始めた当初、わが家も貯金はほぼ0で、あるのは保険の解約返戻金300万円だけでした。金融知識なんてまったくないし、会社の仕事も育児も忙しかったんですよ。そんな私でも、8年で目標を上回る7000万円という額を貯めることができたわけですから、ほかのご家庭には無理、とはぜんぜん思いません。

確かに、未来は誰にもわからないし、投資には保証がありません。私は世界経済はこれからも発展し続けるだろうと思っていますが、短期的にはいろいろなことが起こるし、株価も変動します。だから、手元の資金を全部投資に回してしまうと、当然ながら生活は成り立たなくなりますよね。

まずはご家庭の収入の半年~1年分程度(自営業なら1〜2年分程度)のお金を預貯金で確保して、それから投資を始められるのがいいと思います。この「生活防衛費」がないと、たとえば急な病気やけがで働けなくなったときなど、急にまとまったお金が必要になったときに困ります。そのタイミングで株価が下落していても、金融商品を現金化しなければならず、損をすることになるからです。初心者は金融商品を長期で保有するのが基本です。

―――その「金融商品」なのですが、初心者は何を買ったらいいのかわかりません。まなさんのお勧めはどんな商品ですか?

まなさん:私は長期、分散、積立投資がいいと考えているので、お勧めするならズバリ「つみたてNISA」を利用した積立投資ですね。投資先は、全世界に分散された株式がおすすめかなと思います。「NISA」(小額投資非課税制度)とは、その名の通り、少額の投資を対象とした税金の優遇制度です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。でも、この制度を利用すれば、年40万円までの投資額で得た利益には税金がかからない、つまり利益を丸々受け取れるんです。非課税のため、確定申告や年末調整は不要ですし、毎月自動で積立購入できるので手間もかかりません。私も積立投資から始めて、その後個別の株投資などにも手を出しましたが、結局積立投資に戻りました。つみたてNISAは投資のベースとして万人にお勧めできる投資方法です。もちろん、慣れてきたらスパイスとして、投資資金の1~2割をほかの金融商品に回すのもアリです。

ただ、投資という生活習慣に慣れていない人は、まず「収入の1~2割を定期的に積み立てる」ことから始めた方がいいですよ。そうでないと、投資で儲けが出た出ないで一喜一憂して、長続きしなくなります。投資にはステップが必要です。まず、家庭の収入や支出をきちんと把握し、貯金の習慣を作って生活防衛費を貯める。それから少しずつ投資にチャレンジしましょう。



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まなさん一家の資産は2023年2月の時点で8235万円に到達しています。でも、まなさんの目標は「お金を貯めること」ではなく、あくまで「自分のしたいことをすること」。そのための資産運用であり、節約です。あなたもぜひ一度、自分は本当は何がしたいのか、家族の未来はどうありたいのかを考えてみてください。そうすれば、これまで遠い存在だった「投資」や「FIRE」が身近に感じられ、一歩を踏み出すきっかけになるかもしれませんよ。



まな
1989 年生まれ。
2014年に保険の解約返戻金300万円から家計管理・資産形成を開始し、8 年で世帯資産7000 万円を達成。目標は2023年度中に完全サイドFIRE達成。投資や節約術などのお金に関する情報を発信し、Instagramのフォロワーは10 .1万人(2023年2月時点)。2 児の母。 2 級ファイナンシャル・プランニング技能士。著書に『知識ゼロからのサイドFIRE 8年で7000万円貯めた子育てママのお金の増やし方 』(KADOKAWA)がある。
Instagram:@manamanamoney
HP:https://manabi-post.com/

取材・文=春日あずさ






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