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夫に内緒で借金300万…借金地獄の入口は「コンビニ」だった30代主婦の危ない金銭感覚

  • 2022年12月11日
  • レタスクラブニュース


(株)日本信用情報機構の統計によると、2022年現在の消費者金融の利用者は全国で1000万人を超えるとされています。パートで働きながら2人の子どもを育てる主婦の涼子さんも、そのうちの一人。
ちょっとした浪費がきっかけで総額300万円の借金を作ってしまったという涼子さんは、反省と啓蒙の意を込めて、自身の経験をブログに綴っています。
現在もまだ借金返済中だという涼子さんに、主婦が陥りやすい日常に潜むお金の落とし穴についてお話を聞きました。


一つ一つの値段は安くても、ゆくゆくは大きな借金に


――涼子さんが借金をするようになった最初のきっかけを教えてください。

私は何か高額な買い物をしたわけではないので、これといったきっかけが思いつかないのですが、強いて言えば「コンビニ」が入口だったと思います。
2人目の子どもが生まれたあと、子どもを夫に預けて久しぶりにひとりでコンビニで買い物をしたのがすごく嬉しくて、気持ちがスッキリとして解放されたような気持になったことを覚えています。
買い物でストレスを解消するのが癖になり、それが積み重なって借金を作ってしまったと思っています。

――具体的にはどのような物を購入していたのでしょうか?

最初は、パート終わりの1杯のコンビニのコーヒーから始まり、徐々にコンビニやドラッグストアなどでの1回の会計額が増えていきました。

いろいろな服を持っていると思われたくて、子どもの分も含めてプチプラの洋服を大量に購入したりもしていました。1着の値段は安いのですが、まとめてたくさん買うとそれなりの金額になってしまうんです。その他にも、ママ友に勧められた1回3000円のエステに月何回も通ったり、高い化粧水やSNSで見かけたダイエット食品を買ってみたり、美容院に月1で通ったりと、美容に関する出費も多かったです。




収入は減ったのに“独身の頃のカード限度額”のままだった


――初めて借金をした時はどのような状況でしたか?

ある日何となくスマホでクレジットカードアプリを確認したら、限度額が残り数万円前後と表示されていました。「ここから携帯代と保険料が引かれたら、もうカードが使えない…」と思い、慌ててクレジットカードに付帯しているカードローンを利用しました。

そのカードは独身の頃から使用していたのですが、出産後はパートタイムとして働いていたので、独身の頃に比べて月収がかなり減っていたのにもかかわらず、カードの限度額は同じだったんです。それで感覚が麻痺していたのか、自分の収入に見合っていない出費をしてしまっていました。今考えるとすごく恐ろしいです。

――その時は借金についてどのようなお考えでしたか?

当時は借金をすることに対してそこまでハードルを感じていなかった気がします。マネーリテラシーが低く、知識も無かったので、借金の怖さを一切知りませんでした。
家計簿をつけていないくせに「少し借りてもパートのシフトを増やせば返済出来る」「家計を引き締めれば返済出来る」「夫のボーナスでまとめて返済できる」と思っていました。




1社あたり1万…毎月3万円あれば返済出来ると考えていた


――そこからどのようにして借金が加速していったのでしょうか?

借金をしているにもかかわらず出費のペースは変わらなかったので、どんどん毎月の請求額が膨らんでいきました。

収入以上に請求がきてしまうので、慌ててネットで分割払いに変更して、その月の支払いをしのいでいました。そうすれば一旦その月の支払い額は下がるのでなんとか支払うことは出来ますが、手数料もかかってしまうので実は全体の利用額は増えており、最後は可能額がなくなってしまったというかたちでした。

その後は別のカードローンを利用しましたが同じことを繰り返し、そのうち手持ちのカードがすべて限度額いっぱいになってしまったので、最後は消費者金融に駆け込みました。

――カードの分割払いにはデメリットも多くあるんですね。

はい。目先の返済額だけのことを考えると魅力的ですが、ついつい使いすぎてしまうことが多いと思います。手数料もかかりますし、いくつも分割払いをしてしまうと家計の管理も難しくなるので、計画的に利用しないと取り返しのつかないことになってしまうと思います。

――借金の総額が300万円とのことでしたが、これほどまでに膨れるとは予想していましたか?

いいえ、全く予想していませんでした。
借金をしている最中は、そんなに借金の額が多い事を把握しておらず、返済額だけで考えていました。「カードローン1社あたりの返済が毎月1万円で、これが3社だから、毎月3万円あれば借金は何とか返済出来る」という考えで借金を繰り返していました。



主婦の借金リスクは?

――「主婦が借金をすることのリスク」はどの点にあると思いますか?

家族のために貯金が出来ないということです。また子どもの年齢や仕事の内容にもよりますが、子どもの都合で仕事量や収入が変わることも多く、返済計画を立てにくいこともデメリットだと思います。
そして何よりも、家族からの信頼を失ってしまうということが一番大きなリスクだと思います。私も家族に内緒で借金を返済中ですが、「バレるかも」と思いながら暮らすストレスがかなり大きく、負担に感じています。

――そうならないために、普段から気をつけるべきことはありますか?

私自身まだできていない部分もありますが、身の丈にあった生活を心がけるということだと思います。
また、すでに借金が少しでもある方は、「いつか返済できる」と思わずに早めに借金返済に向き合って考えることが大切だと思います。
お金の問題から目をそらし続けて逃げていると、私のように取り返しがつかないことになってしまうので、そうならないためにも普段からお金についてしっかり考えたり、知識を蓄えておくなど、できることから始めてみてほしいです。

まずは収支の把握と予算設定から始めてみて



涼子さんの体験について「このようなケースはめずらしくありません」と話すのは、公益財団法人 日本クレジットカウンセリング協会でアドバイザーカウンセラーとして活躍する山口麻理子さんです。

「分割払い、リボ払い、あと払い…いまやキャッシュレス化の波に乗り、様々な支払い方法を選択できる時代です。しかし、便利な反面、月々の利用額の把握・管理を怠り、気づけば借入枠がいっぱいになっていたという相談を受けることも少なくありません」

では、そのような状況に陥らないために普段からできることはあるのでしょうか?
山口さんによると、「大事なのは家計における収入と支出の把握、そして予算を組むこと」だといいます。

「最近では、生活の共有費以外は別家計というご夫婦も多いですが、少なくとも、ご自身の自由になるお金の収支チェックは重要です。よって、家計簿は必須アイテムとなります。家計がピンチだと感じたら、借りるよりも生活レベルを落としましょう。
また、ご自身のクレジットカードの限度額、リボコース設定などの契約内容を知ることは大事です。特にリボ払いは、支払い残高に応じた手数料が毎回かかり、繰り返し利用すると、残高は逆に増える可能性があるので注意が必要です」

それでも金銭面で困った状況に陥ってしまった場合の対応について伺ってみると、
「お給料が出てもそのほとんどが支払いに回り、手元にはわずかな現金しか残らない。借りては返すを繰り返し、夫にも打ち明けづらい…そんな不安を感じたら、一人で抱え込まないことが肝心です。債務整理も視野に入れ、各機関に早めに相談することで必ず解決できます。」
ということでした。

「借金」というと大きな買い物やギャンブルなどを連想してしまいがちですが、実は私たちの身近なところにも借金につながるきっかけが潜んでいることがわかります。これを機に普段のお金の使い方を見直してみるなど、手遅れになってしまう前にできることから始めたいですね。



文=ツルムラサキ

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