行事の多い年末年始は食材の買い置きが増え、冷蔵庫がパンパンになる時期。「ものが全然入らない!」と慌てる前に、ナンプラーや天かすといった、使い道が限られるために長期滞在しがちな「ドアポケット系食材」消費しちゃいましょう。大事なのは、上手に食材を使い回すこと。そのコツを伝授します。
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▶︎教えてくれたのは
おせっかい料理人
関口幸秀さん
首都圏を中心に展開するイタリアンレストラングループ統括料理長を経て、現在は一般社団法人#CookForJapan の理事やポップアップレストランを開催するフリーランス料理人。Twitterの「#教えて消費レシピ」がバズり200種以上のレシピが生まれている。出店に向けてただいま物件探し中 @yukihide_lion
ドアポケット系食材の使い切るコツとは
ドアポケット系調味料&食材を使い切るためのコツは、ふたつ。
まず、その味から想像を広げてみること。「その食材が、『甘い』『辛い』『苦い』『酸っぱい』『しょっぱい』の五味のうちどれなのかを思い浮かべてください。例えば、酢豚は酸っぱくて甘いですよね。いちごジャムも酸っぱくて甘いので、酢と砂糖のイメージで酢豚を作るときに加えられます」。
もうひとつが、原材料に注目すること。原材料が似た(もしくは同じ)食材と調味料は相性がよく、それを組み合わせて使うとおいしく使い切れます。例えば、豆板醤の主な原材料はそら豆。だから大豆でできた豆腐と合うし、同じくマメ科のもやしにも合うのです。原材料が分からなくても、「豆板醤は麻婆豆腐を作るときに使う」「ならばきっと豆腐に豆板醤が合う」と、作り方から連想ゲームのように考えていくのもGOOD。
使い切りポイント
その1 味が似た調味料の代用品として使う
その2 原材料が似た(同じ)食材と調味料は好相性
食材の原材料や味を想像しながら、調味料&食材を使い回そう!
では、使い切りポイントを活用して、実際に調味料や食材を使い回してみましょう。
■タバスコは ギョーザのたれとしてしょうゆに足して
タバスコの味を分解すると、「辛くて」「酸っぱくて」「しょっぱい」。それもそのはず。原材料がとうがらしと酢と塩だから。ギョーザを食べるときはしょうゆにタバスコを足せば、タバスコが酢とラー油の二役を担ってくれます。
■ナンプラーはうまみだしとして鍋に加えて
使い道を想像しにくいナンプラーを大量消費するなら、うまみだしとして鍋に足すのがおすすめ。骨つきとりもも肉を入れればさらにだしが出て、最高のエスニック鍋になります。好みでレモンやはるさめを加えて。
■カレー粉やターメリックは白米と一緒に炊けば本格派
カレーに合わせるのは、もちろん白いご飯でもいいのだけれど、冷蔵庫にカレー粉やターメリックがあれば、炊飯時にお米に好みで加えてみて。いつものカレーが本格派カレーに昇格します!
■ベーキングパウダーは小麦粉に混ぜると揚げ物がさくっと仕上がる
揚げ物をするとき、小麦粉や天ぷら粉の中に少しだけベーキングパウダーを足すと、揚げたあとのカリカリ食感が持続してヘタりにくい。お弁当のおかずを作るときにもおすすめのワザです。
■粒マスタードはマヨネーズと混ぜて焼いたとり肉のソースに
マヨネーズに粒マスタードを好みの分量混ぜ、焼いたとり肉にソースとしてかけると最高に合います。フライパンでとり肉を焼く仕上げ段階でソースを投入し、全体にからめて。
■天かすはめんつゆとともにご飯に混ぜればうまみがアップ
炊きたてのご飯に天かすとめんつゆを混ぜれば、両者から非常によいコクとだしが出て、おいしいこと間違いなし。さらにお握りにして軽く焼けば、うまみに香ばしさが加わり、極上の味になります。
■練りごまはバニラアイスに混ぜると高級ごまアイスの味に
練りごまを手軽においしく消費したいなら、冷凍室から出して少しやわらかくなったバニラアイスに混ぜるのがおすすめ。特売品の安いバニラアイスが、コクのある高級ごまアイスに変身します!
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味や原材料が似たものならうまくいく――こんなふうに考えれば、「ドアポケット系食材」の使い回しも決して難しくありません。冷蔵庫に転がっている調味料や食材を、原材料や用途で判定し、いつもの料理に取り入れてみてください。きっとワンランク上のおいしさに出会えますよ!
監修/関口幸秀 撮影/林 ひろし 編集協力/宇野津暢子
【レタスクラブ編集部】